9独りの少女

「え!?」

3人が1秒、0.1秒も全くズレていない

ぐらいピッタリだった。

今はもう夜の9時ぐらいだろうか。親が

もうそろそろ心配する時間帯だった。

「そ、そんな、わけ…?」

「…残念ながら事実です。」

こんな寒い日に、すごい事実が明かされた。

帰る場所がない、ずっと独りだった。

逆に、よくここまで生きていられたと思う。

普通は精神的にも、体力もなくなるだろう。

「泊まらせてーんだけどよー…俺のところ、

輝夏(きなつ)がおそらくうるせーしな…」

輝夏。神也 輝夏は、絆生の弟だ。今は

中学2年生。同じく運動神経が抜群。ほぼ

兄に似ている。違うのは髪の毛だけなぐらい

とても似ていた。だが、輝夏も

イタズラが大好き。どんな人にもイタズラを

するのがお決まりだった。そのため、

泊らせるのはとても困難だった。

「僕も泊まらせたいのですが…僕の場合は

姉貴と紅頓(くとみ)が終わるな。」

姉、仰木 美音(みと)、妹、紅頓は巳紅采の

兄弟。みんな名前がとても似ている。だが

美音は勉強ダメの運動神経がおかしいぐらい

抜群。紅頓は勉強も運動も苦手だが、どんな

友達とも仲良くなり、そして音楽の成績が

とてつもなくすごい。楽器は全般弾ける、

吹ける。歌も上手い。そんな2人の欠点は

恋愛が大好きな美音と紅頓の女ふたりは

すぐクラスの人にばらしてしまう。

家に女の子か来るなんてことになったら

「誰!?巳紅采の彼女なんか!?!?♡」

「みーお兄ちゃんが女の子連れてきてんで!

パーティせなかんやん!!

パーティや!!パーティ!!♡♡♡」

仰木家は関西出身。そして恋愛好き。

そんなので泊まらせたら、どれだけ迷惑が

かかることかと思った。

「そ、そうですよね…大丈夫ですよ!ただ

少し口走っただけなので…えへへ…クシュンッ」

くしゃみがやはり止まらない月星歌に

すかさず翼斗が声をかけた。

「それならさ…」


「俺ん家なら、多分大丈夫だと思うけど…?」


「…ふぇ…?」




9 独りの少女 End

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