5少女は何者

《放課後》


「ちょ、絆生~!!待って待って〜!」

「もう少し耐えろ!おっ!見えた!」

「か、神也くん…落ち着いて…」

放課後、すぐに絆生が2人の手を引いて

階段を勢いよく駆け上がって行く。だが、

翼斗は己紅采の顔色が悪いから待ってと言い、

絆生は早く屋上に行きたい気持ちでいっぱい、

己紅采は死ぬ息だった。

気持ちがバラバラの3人は、それでも

許される仲だった。

「せーのっ!!」

『うわぁっ!!』

ドンガラガッシャーンッ!!

絆生は勢いをつけすぎたせいで

ドアに思いっきり突っ込んでしまった。

「いでで…。」

「自業自得。神也くん。」

「確かに、自業自得だな。」

「そんなぁ…頭いてぇ…。」

一番前で、思いっきり突っ込んでしまった

絆生は頭を強く打ってしまったのだ。

とてつもない痛みを感じている。

それでも2人は自業自得だと言うのは

当たり前だった。

ガサッ!カランカラン…

「…え?これって、 髪飾り…?」

「ましてやこれ、女もんだな」

━━━━━なんだろ…見たことがあるような…

翼斗が拾ったのは綺麗な星の髪飾りだった。

その星の髪飾りに見覚えのあるような

感触があった。ここには少女がいる

ってことがわかった3人。

どこかにいるのだろうと思い、周りを己紅采が

よく見ているが、少女らしき姿は全く

見えない。だが、その時だった。



「あの…その髪飾り…返してはいただけない

でしょうか…?」


5 少女は何者 End

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