★せっしょん079 なんでも美味しく食べる友だちを守る!
がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん
あたしが見届けた時空連続体のさざなみ
★せっしょん079 なんでも美味しく食べる友だちを守る!
Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session
The ripples of the space-time continuum that I saw
☆session 079 Protect your friends who eat everything deliciously!
✔ 数日後
今日のあたしのいでたち。
グリーンのボディスーツにベルトサンダル、キャップをかぶってちょっとジョギング。
という感じでいた時に、珍しいお客様があたしのアパートにお見えになった。
インターホン『りゃすみん先生、ご無沙汰ですな。』
「どうも、こちらこそ教授、ご無沙汰しております、先日お会いしたのはいつ頃でしたっけ?」
『もう随分前になるんじゃないかね。ところでだ、みりゅうす君の一件なんだが…』
「…さっそくそうきましたか。」
『そういう事だ。』
「私も監察官評議会の能力保護管としての職務権限に触れる所はあるんですが、」
『存じておるよ。』
「有望なる若い学生の未来を案じる教授のお考えをお伺いする、のでしたよね。」
『察しがいいな、君は。』
「おそれいります。プライベートな部屋着のままですが、どうぞおあがりください。」
『ああ、では失礼させてもらうよ。』
「実際どうなんだね、生体特異点のような特殊有機体事案への対処という点では?」
「知的有機体の発展的進化という方向性が見いだせた場合に限り、現場の裁量にまかされるんです。」
「ほう、なるほど、」
「お茶いれましょうか?」
あたしは、今日のために用意しておいたロジャオ・エンドラ人向けの贈答品ハーブティー(ものすごく辛くて苦いらしい)『レシュミモラ』のティーバッグを、作法に従っていれた。
「ありがとう、もらおうか…」
「たつき君のアパートで起こった一件、現場調書を見せてもらったが、穏やかではないねぇ。」
「ごもっとも、」
「私らの“本業”とも関わってますので、お心煩わせぬような取り組みで開始する所存ですわ。」
「ふむ」
「監察官評議会本星戦略執行部門の高速戦闘体を一機、ナリモ・タマ中域港に、恒星間戦略研究学部の研究演習課題という目的で常駐させます。」
「ほう、それは有効な対処班として期待して…」
「よろしいですよ、広域時空界面哨戒艦の対処班を有機体先進開発機構の支援の元にバージョンアップしたものとご理解頂ければ。」
「なるほど」
「あくまで『恒星間戦略研究学部の研究演習課題』ですからね。」
「そういうことか、『恒星間戦略研究学部の研究演習課題』なわけだな。」
『恒星間戦略研究学部の研究演習課題』というアブなさそうなテーマが出来た事に、二人して含み笑いをしている…
ナリモ・タマ中域港常駐:監察官評議会本星戦略執行部門高速戦闘体_諸元
全長:35メートル
機動作業肢5本
ルンギサイド級対人装甲戦闘体12機
増殖可変型全領域高電磁波射出成形機装備
「『ツォーフォア・レンミングォ行政体統治聖連邦』からみの一件も気になるところだが…」
「政治的危険因子をもつ偽装学生摘発の議題を上級会議にあげてはあるんですがねぇ。」
「自分がいた軍籍をごまかすために、本人の高速培養クローンを学生に偽装させた件があったな。」
「“あそこ”は何でもアリですからね、専属対処班が組めれば、泳がせて逆探知かけるんですが、今後、具体的展望として具申します。」
「そうか、ま、お上の動きが鈍いのはどこも同じか。」
「明るく笑い、なんでも美味しく食べる女の子を守るために全力を尽くしましょうよ、教授。」
「あはははは、全くその通りだ。」
「もっとも、対処班の件は、しばらく教授の胸の内だけにとどめておいていただければ。」
「ふむ、了解した。」
✔ 次回_【工学部主催 80 万キロ激烈空間航法ラリー】
教授は、プリントアウトした紙を取り出した。
『プリントアウトされた紙』_それ自身が学生の実習課題。
それは、手を動かして物を作る事の基本。
すなわち実存的に学ぶ課題そのものだからだ。
そこには…
「今度、工学部主催で 80 万キロ激烈空間航法ラリーというのがあるだろ」
「あぁ、ありますねぇ、楽しみだわ。」
「これは、あなたにも差し上げよう。」
「えぇ、よろしいんですか?」
「かまわんよ、告知用に学生の諸君が作ったポスターだしな。」
それは、A4 ファイルの大きさのお手製ポスターだ。
手書き文字が素人くさいコラージュでまとめてある。
まぁ、美術学部に知り合いはいないんだろう。
熱意は充分伝わる。
ポスター表題
【工学部主催 80 万キロ激烈空間航法ラリー】
【目的】
手作りの宇宙機に搭乗し、月(古語_第一主衛星)面の特定座標に設置されたマーカーポストを、いかに早く安全に確保するかを競う。
【機体条件】
手作りの液体燃料ロケットを主推進器とし、乗組員は3名。航続距離安全係数は100 万キロとする。
重力制御システム及び力場展開システムは、居住区の緊急脱出用に10分だけ稼働するものを1機だけ搭載してよい。
機体諸元は以上の前提条件を満たすものであれば、工学的に整合性、安全性、耐久性がとれているかどうかを総合審査対象とする。
【救援体制】
大学所属艦艇 5 隻で全行程を監視。
【最終エントリーチーム】
01:《74‐5211‐9886クラブ》
02:《有史年代マニューバクラフト開発研究同好会》
03:エントリー情報不明
04:《古代帝国技術研究所》
「ふ~ん…面白いですねぇ。」
あたしは関連データを検索して、紙のポスターを見比べてみた。
「たつき君のチームの射場が、ちょうど内湾の西側でな、」
さっそく地図検索を始めてみる。
_地図検索中_TSUZUKI という古語に由来する地名を入力すると、すぐに現場がヒットした。
「史学部の関連史跡が近くにあってな、ゼミのレポート調査で行くんだが、どうだ?“ みりゅうすくん ”のお目付役としは?…チーム応援チアリーダーとしてもう役職が決まってるそうだが。」
「いやですわ教授、お目付役はナイショという事で。」
「おう、そうだったな、申し訳ない。」
「行きましょう、3日後でしたっけ、ご一緒させていただきますわ。」
ぴろろろん…メールだ!
この着メロは朱リアちゃんか。
from:朱リア to:りゃすみん先生
彼の時より、皆色ボケになりて候、ご相談したき事多々ありて、お暇なる時あるやと訊ぬるものなり 』
ぷっ、何?
色ボケ、って!?
『彼の時』ってもしや?…
from:りゃすみん to:朱リア
ちょうどいいわ、たつき君の発射場の下見と史学部の関連史跡調査で、みんなで旅行に行かない?
海の近くで、気分転換出来て楽しいわよ!
その時改めて時間とりましょう。
送信、すぐ返信!
from:朱リア to:りゃすみん先生
是非も無し。歓喜にてお伴つかまつりたいと存知あげる所存!
さぁて、準備は整った!
がーるずほりでぃ_みりゅうす☆せっしょん つぐはら ふみ の ものろーぐ @HAGI
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