★せっしょん075 美少女達の休日(一部年齢“推定”例外あり)

がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん

あたしが見届けた時空連続体のさざなみ


★せっしょん075 美少女達の休日(一部年齢“推定”例外あり)



Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session

The ripples of the space-time continuum that I saw


☆session075 Beautiful girls holiday(Some age "estimated" exceptions)




✔ なのくちゃん




 ロジャオ・エンドラ人の彼女は、自分の部屋のベッドに転がったままずっとため息をついていた。

 何度も何度も何人彼氏がいるんだかわからない女傑の友だちから送られてきたメール《今日のみりゅうす、スペシャル版》を見ては、ため息を繰り返している。

 どうしよう、あたし…みりゅちゃんの彼氏に横恋慕しちゃうわけにもいかないのに…


 何だろういったいこれは…《素敵な彼氏!》…たつきちゃん、っていい男よね~


 胸のドキドキがどうにも収まらない。

 こんな事、絶対に口に出せないって堅く心に秘めつつ、彼女の右手は彼女の花芯に差し伸べられた。

 左手は左の乳首に、そして右の乳首に…


 「あ、ん…」


 ごめん、ごめんね、みりゅちゃん…

 あたし、どうしても彼氏に抱いてもらう所、想像しちゃうの…

 ボディスーツを引き上げてみた。

 花芯に食い込み、摩擦が花びらに広がる感覚にときめきを覚えた。

 彼女はボディスーツを脱がないまま、ボディスーツの右隙間から右手の指を自分自身の花芯にためらいなく入れてみた。

 すぐ指を引き抜く。


 だって、こわいから…


 彼女は彼氏がいない。

 彼氏に抱いてもらう事がどういう事か理屈でわかってても、理屈は理屈。

 自分とは違う形の身体をしていても、たつきちゃんが、男性としてかっこいいと感じるのはずっと意識していた。

 彼が、自分みたいにしっぽが無くても、たくましくてかっこいいのは、この間の水着合コンでよくわかった。

 もう一度、思いっきり、いつか男の身体の堅く太くなった部分を受け入れる自分の場所へ、指をのばしてみる。

 1本、2本、3本、そして4本(ロジャオ・エンドラ人は4本指)

 熱い想いは容易く受け入れてしまう。

 「あ、んんん、ん…」

 摩擦によって生まれる歓喜。

 何度も下半身の力が抜けて浮遊するような快感に全身が暖かくけいれんする。

 止められない

 「ん、ん、ん、ん、あ、あ、あ、あ、んん…」

 彼女は高みに放り出された…

 頭が真っ白…


 喜びと切なさが凝縮された涙が溢れていた。

 「ごめんねぇ、みりゅちゃん」

 声に出してつぶやく。


 きっと明日は、大切な友だちに心からの笑顔で挨拶が出来るだろう…





✔ しーらむちゃんと歌具庵(うたぐあん)のお店で




 しーらむちゃん

 「あたしね、1週間前からどうにもこうにも、姫の彼氏の事が頭から離れなくなっちゃって…」

 彼女は見た目、ツインテール人魚。

 ふとももから足の先まで流れるように生えている鰭を足に巻き付けるように畳めば、歩けない事はないが、陸上で歩くのはあまり得意ではない種だ。

 だから歩行補助としてセグメントウェイのようなコミューターポッドを装着する。

 今、コミューターポッドは外して脇に置いてある。

 でも引き締まった下半身を覆うフリルのついた緑色のスカートは、充分スインナグビー人の女の子を可愛らしく見せている。

 「1週間前?」

 「ほら、たつきくんの家で姫といっしょにいた時に変なお化けが出て、死人が出たっていう事件…」

 携帯で《今日のみりゅうす、スペシャル版》を見ている。

 これを見てからもう頭の中がピンク色に染まりきって、夜も満足に眠れない…

 「ほう、良い男だからねぇ、たつきちゃんは…もてるんだよなぁ…」

 「ぷっ、何を呑気な、今も警備機構の調査続いてるって話…」

 「ぼる先輩はどうなんすか、姫みたいな素敵な女性、っていないんすか。」

 「そりゃぁ、いるさね。」

 「私達は雌雄同体で、男性性と女性性が役割によって交代するからな、君は私の女性性の名前は知らないだろ?」

 「え"~~~知らない、なんて言うんですか?」

 ほるもっぷす へるときむ・カルホス

 「へぇ、可愛い名前なんだ!」

軟体動物の知的な学友は、少し恥ずかしそうにする。

 「…実は私も、なんだか…」

 「へ、何?」

 「女性性に移行してしまいそうなめまいを、この1週間前から…」

 「あらあら、みんなそろって大変なのねぇ…」

 「抱いてくんないかな、彼」


 ロックの酒のグラスを目の前に掲げる。


 「あらま、これは深いなぁ~」

 「ダメだっての判ってるけどさ。」

 「でもさ、こみいった事聞くけどさ、たつきちゃんみたいなナイコンアロカ人の男の子とヤれるの?」

 「やれるわよ、水の中で。」

 「泳げなかったらダメじゃん。」

 「フローター貸してあげて優しくフォローするから大丈夫」

 「なんか、見てみたいわね、絵になりそう。」

 「まぁ、あたしらのリビングルーム、って浅いお風呂みたいなもんだから、そこでやっちゃう、っていうのもアリ。」

 「あらま、エロ可愛い動画撮っちゃおうか?」

 「いいわねぇ♡歌具庵さん、映像学部に知り合いいるの?」

 「いるわよぉ、たくさん」

 「あ~ぁ、誘っちゃおうかな…」




✔『キュルリアック聖院露体会議』

 QYURURIACK St exposition bodies Consortium


 読み_キュルリアックせいいんろたいかいぎ


 ☆民族構成:キュルリアック人_87.56%

 …彼らは軟体動物系の知的有機体。

 平均寿命は 1000 年近い。殻を背負って大きな複眼が特徴。

 みりゅうすの友人にも一人いる。

 平均寿命が長いからその友人の歳も 300 歳くらいの大学生。

 有殻の軟体動物の感性って、あたしら二足歩行型知的有機体とは全然違うわよ。

 失礼の無いようにしてね。


 居住恒星系:1

 元首:カクアストラ=ラメイラキリオム(行政執行会議最高顧問)

 人口:22 億 4500 万

 政体:連邦共和制

 留学生数は約 640 万人。




✔ しゅりあ、勤行中




 護法壇の中に組まれた護摩壇に火を投じて、鈴(りん)を鳴らした。


 『我、大銀河の創造神に申してもうさく、あまねく知的有機体の菩提向上(ぼだいこうじょう)を祈りて…』


 と、突然…

 「はぁ、だめだ…」

 1週間前のたつきちゃんち(家)の出来事、あの日だよな…

 間違いなく…《素敵な彼氏!》って、あのみりゅちゃんと一緒にいたときに出たプロトアクラ人の幽霊が喋った言葉…頭にこびりついて離れない!

 あたし、あの場にいなかったのに《今日のみりゅうす、スペシャル版》を見てから、だめ、全く集中できない、もう…

 「ごめんなさい、導師さま!」

 彼女は、身体中に溜まった火照りを払うためにシャワーをあびた。

 それだけでは収まらない。

 これ、彼のイメージが、彼女の有機体生命エネルギーの結節点に火をつけたようだ。

 アスリート女子としての彼女は、溢れた性的エネルギーの処理の仕方も心得ている。


 そのやり方はナイショ。

 絶対秘密。

 そういう秘密の物をもってる事も誰にも話さない。


 結婚が禁じられてるわけではないが、斎戒沐浴の行の実践はそれなりの厳しい過程にあるものと認識している事も彼女のアイデンティティである。

 彼女は、その秘密の物を自分の花芯の中心に押し当てて、深々と自分の体重で身体を下げると同時に、自分の身体の中へと挿入した。


 それを支える女性の皮膚が大きな緊張をもって包み込み、潤してゆく。

 「あ…」

 目をつぶったまま。

 おそらく、彼女なりの真言を深く唱えたままそれを包み込んだままの圧力に堪えている。

 「ふ…ん…」

 両手でその物を押さえたまま、わずかに腰を上下させてみた。

 「あ、あぁ…」

 目はつぶったまま、呼吸はむしろ正確だ。

 「あ、ん…」

 淀んだままの濁った喜びは、身体の中心に集積され、輝きを秘めた喜びに昇華されてゆく。

 その切り替えの間合いを見て、彼女は膝をのばして中腰になった。

 物は彼女の身体から抜け落ちる。

 極めて個人的な秘儀は終わる…

 おそらくそれは、かの恋いこがれている(かもしれない)男子が、いつもやってる正しい性欲処理行為より、かなり神聖な自己鍛錬に近いものだったかもしれない…

 「やはり、アレか…」

 彼女は、はだかのまま携帯を取り出した。

 是非とも、今この瞬間に気がついた想いを確かめておきたい。

 三つ折り形式で、タッチパネルも3つの変わった形式の携帯を開く。

 シャメリオア・マイオロロン深帯聖森連合土侯国産のレアなブランド携帯で、ストラップにはお守りやマスコットがじゃらじゃらとついている。

 親友にしてボーイフレンドが何人いるかわからない女傑を呼び出した。

 すぐに出た。 

 「あなた、あの日から身体おかしくない?」

 プロトアクラ人の癒し系美人は、未だ火照った身体から余熱が抜けきらないまま、携帯の画面に向かって詰問した。

 『何をいまさら…』

 画面の向こうの御仁は余裕でニヤニヤしてる。

 「え?」

 『みりゅうすに関わったみんなが変よ、』

 「えぇ?」

 『でも、そろいもそろって、みんなエロくなってるだけだから、あたしはへっちゃら…』

 「ぐ…」





✔ 暗在系探査小委員会嘱託 ライホリオン・シャカスタス=ミー




 彼女はシャワーを浴びてから、アパートでレポートを記録していた。

 彼女がまとっているのは黒いタンクトップだけ。

 しっぽが、ゆっさゆっさと左右に揺れる。

 「深空間探査機構外周警護局(しんくうかんたんさきこう、がいしゅうけいごきょく)006 課、暗在系探査小委員会嘱託(あんざいけいたんさしょういいんかい)ライホリオン・シャカスタス=ミー、定時報告第 17…」


 「みりゅうす・えれくとら・シーの処置後、一ヶ月報告補足:処置者の基底現実生活への対応心理状態においてはその後も極めて良好な状態を維持している…、」


 「みりゅうす・えれくとら・シーの『791 故韻文(こいんもん)』に関わる経緯と意識は、現時点に置いては新たなる動向を誘導する気配は無いが、先日の実体化事案以降、交友関係者全員に、何らかの心理的ストレスを誘発している可能性が察知される。意識波動リンクにおいて《主座標存在》の残響の可能性も考慮されたい…」



 外周警護局員は無表情にレポートを終えた。


 “なんだか、彼氏がいるのって、いいな…”

 “あなたも、また作ってみる?”

 “冗談言えるのね…” 

 “人生、笑い、って必要でしょ、あなたいつも仏頂面だから”

 “…彼氏に抱かれたの、前はいつ頃だったろ、あの人の顔、なんかもう思いだせないや…”

 “あなたの死の意味あい、って他の人とかなり違うから気をつけなきゃだめよ。”

 “はい、わかってます…”


 外周警護局員の反芻するその言葉は、すでに 200 年以上昔の思い出を現すものだった。

 数世代生まれ変わって、もしかしたら今自分がいる場所のどこかに、その生まれ変わりの彼氏がいたらいいな…そんな切ない空想をしてこなかったといえば嘘になる。


 “自分を慰めていいのよ”

 “うん…”

 首につけているメリホリオンユニットの発光する光は、気持ち優しくなったようだ。

 “あの時、もう顔も思い出せない彼の身体を、確かに受け入れたな…”

 200 年前に生きていた彼女の最愛の男友だちは、背が高くハンサムだった。

 その彼を時の彼方に送って、すでに 200 年経過している。

 “218000 年前の彼女が、さらに 60 万年以上昔のミーメハンヤン族の生まれ変わりだなんて、もうあたしから見たらごちそうさま、結構です、…って感じよね…あの子。


 もとから神族なの?…あの子?…もう訳わからない…”

 200 年どころか、先日の一件で《21 万年前の関係者のプロフィール》を、彼女の特殊技能で覗き見したものだから、レポートに残しきれないデータが彼女の頭の中に溢れかえっていた。



 ミーメハンヤン族_プロトアクラ人、アイガス人、ギサーウ人等の100万年前後まで遡る種の起源の一つとされるが、もとから肉体をもたない種であった、とされる謎の伝承がある。


 転生はおおらかな銀河のみ力に委ねた隠された大河の流れ。

 それを感応出来る能力者にこそ、高い徳と言葉が求められていた。彼女に必要な修行はこれからいくらでもあるだろう。



 彼女の右手は、その時の思い出を形にするかのように自分の花弁をゆっくりと繰り返しなぞり始めた。

 左手は携帯で《今日のみりゅうす、スペシャル版》を見ている。

 幸せ一杯な彼氏といちゃつく監視保護対象のぽっちゃり美少女が、外周警護局員の意識に邪魔くさく浮かんでいる。

 右手の指で、花弁の真ん中の甘美な刺激を発する所を繰り返し撫でる。

 永く生きている彼女にとって、それは、良きこと、良き想いに直接つながることだった。

 焼き鳥は美味しい_焼き鳥に釣られたのではなく、焼き鳥という縁に関連づけられた宇宙があることを感じていた。

 彼女の花弁を走査機として。

 甘酸っぱい思い出は、件の史学部美少女のイメージといっしょに重なる。

 つーんと鼻につくイメージに変わってゆく。


 「あ…」


 広がる快感とセットになった甘美なイメージといっしょに、子供のように大きな緑色の瞳にじんわりと涙が浮かんで来た…





✔ みっくる・すとらいざんど=キィ大佐




 監察官評議会本星。

 あたし、りゃすみんが、ここにあたしの上司を訊ねるのは3ヶ月ぶりだ。


 あたしは笑顔で監察官の挨拶を交わした。


 「Be Joy for foundations!」(礎たる喜びあらん)


 右手を広げて相手を受け止めるようにひろげる。決まった作法は無い。


 「Be Joy for foundations!」(礎たる喜びあらん)


 大佐も笑顔で応える。

 「いろいろもりあがっているみたいだな。」

 「おそれいります。」



 あたしの上司_PROFILE。

 みっくる・すとらいざんど=キィ

  名前 ・姓     ・種族名


 ミリギューム人:女性

 キー大統治氏、ラクサン・ダイル・キィ族出身 

 B:華麗/W:円熟/H:豊満/h:森厳/tail:愛嬌

 感応言語能力者 レベル2

 ミリギューミア空間統合軍高速展開大隊第 315 艦隊司令顧問(大佐待遇)

 高速反応制御体 RIMECK-0211487 の専任操縦者

 大典憲章擁護庁(情報局)法典第7課エージェント

 監察官評議会:有機体先進開発機構中央統括局常任委員

 ミリギューム連合評議会深銀河探査局所属“ 冒険家 ”

 マ・ドゥ学院恒星間文明史学部特命教授

 カルモスリン上級圏大学恒星間文明史学部講師 


 性格_女であることを楽しむ人。

 彼氏_地方行政体の首長

 禁句→おばさん

 嫌いなもの→おかま、ゲイ等の境界セックス。思考が麻痺するくらいの拒否反応を起こす。理由はまだ不明…

 趣味→冒険(!)

 イメージ、爽やかな美魔女、肩の飾り毛は超ロング、飾り羽のついた鳥か、もしくは肉食獣のたてがみのようだ。



 「なかなか“彼”はいい男だそうじゃないか、“ いい男波動 ”に敏感な君はどうだったんだい、」

 Topology Conversion(とぽろじーこんばーじょん:位相転換)を行い、美しい身体の線がぴっちりと出る黒いナノマシン組織体スーツ。

 スーツの上から監察官のノースリーブのジャケットを羽織って、ソファに身体をのばしてリラックスしていた。

 「うーむ、愛さえあれば、なんとかなるもんでわ?」

 「ははは、そうか、黙っているのも毒だから、私はきっと口に出すと思うぞ。」

 「ダメで元々、誘ってみると、」

 「大人のやり方さ、で、これだな。」

 あたしの目の前のテーブルに置かれたそれは、紙にプリントアウトされたもの。

 紙_このオフィスに関連する情報ネット環境の中に、バックアップは存在しないようにされている、ということ。

 この紙のファイルの入手は、それなりに“ 非合法 だ”。

 「まさか、うちの大学の問題学生のストーキングナノマシンが役立つとは思いませんでした。」

 「ほう」



 ●《みりゅうす・えれくとら・シーの経過観察_保護支援ファイル》に関する暗在系探査小委員会による提示報告確認 287756-63321019


 ●深空間探査機構第 214 定例会議事録抜粋



 「よりによって身内が超次元体特異点に有機体絶対基本律で抵触したか…銀河を救う美少女を穢す輩がいると言う事だな…」

 「大佐からそのような指摘をいただけけるとは思いませんでした。」

 「“予期せぬ回廊”を生成させた上から目線の黒幕連中だろ。」

 「黒幕!」

 「私は堅苦しい事が嫌いなんだよ、」

 「大いに同意します。」

 「空間統合軍の肩書きなんかめんどくさいだけで、マ・ドゥ学院や、カルモスリン上級圏大学の講師をやってるのも、その方が性にあってるからさ。」

 「あたしと同じですね。」

 「そういう事さ。」

 惑星監察官は軍出身が多いが、あたしたちの仕事現場には形式ばらない自由闊達な風が吹いているのは事実だ。

 「ぅふふふ、さて、仕事の話をしようじゃないか。」

 「はい!」





✔ リープミラー・ぐぁりーす_恒星間解析文明史学部準教授_研究主題:第御燐太陽期における全恒星系散逸史跡データベース構築



 ヱキ・羅(ら)_スィントゥ・ラドイアンディ第21媒神主殿遺跡遺構7号発掘坑


 ナイコンアロカ人の若く美しい女性考古学者が、学生アルバイトを従えて慎重に掘り進めている。

 ヘルメットに固定した照明が揺らいだ。

 彼女の視線に、執念と情熱で掘り進めてきたものが姿を現した。

 さしわたし20メートル程にまで慎重に手掘りで広げられた空間の中央に、考古学者と学生達がしゃがみ込み、筆で、太さ1メートル、全長10メートル程の歪んだ砲弾状のそれの表面から土を払い続ける。

 上に設けた仮設テントの解析スペースと、今堀進めているものの間で頻繁にいったり来たりするので、彼女の白衣は泥だらけだ。

 「あったわ!…」

 視線が集まる。

 払い落とした土の中から刻まれた文字列のようなものが…

 「リープミラー先生!?」

 「これだ…」

 ナイコンアロカ人は、興奮で震える手で、それの上からさらに土を掻き落としてゆく。

 それは間違いなく文字だった。

 古き碑文。

 それは“砲弾”ではなく、砲弾のように変成した火成岩だ。

 第21媒神主殿遺跡の成立は、標準紀元で約34000年前と推定されている。この座標は、かねてから異常な重力波歪が集中して観測されていた。

 その中心がこの“砲弾”だった。

 「間違いないすかね、」

 考古学者は、同位元素感応走査機を、その表面に滑らせる。

 その物が生成されたであろう推定年代を解析した数字がはじきだされてゆく。

 誤差があるのは致し方ないが…

 「間違いないわね、約 21 万…7750 年…」

 「先生、やりましたね!」

 「ええ、イオ教授にあげるレポート、いいお土産ができたわねぇ、ロマソズ君、語素解析はいけてる?」

 「かなりいけそうです、胡位・ガコア古語の大陸系規格文法にみりゅちゃんのアプローチ、っとこれはナイショなんでしたっけ?」

 「まだ、当分はね、出力できそう?」

 「いけます、なんとか 45%前後、という感じですが。」

 「上等、やって!」

 暗がりの中に、高度な解析知能を搭載した大型スキャナーが上の仮設テントから降ろされた。

 全員が注視する中、モニターに文字が並び始めた。



 アイガス・プ□ア□□□□ギサー□□恒星間共和連合□□□ファリオ-スフ□ルメリア清音□□□名に□いて、大□ジ・クルイ主□信望□し実行する、有機体□惑星□滅□策の暴虐と非□知、非礼、不□岸、そして普□的有機体□善と無知によ□有史文明以来最□を、永遠□創造神に誓って糾(ただ)すものである。破□わが国土


 《新奧薩里亞》絶対銀経 23□□44.239842 絶□□□ 572365844.239843

□□□□□□

 《馬西□□爾·莫蘭》絶対銀経 2□5844.2398□絶対□緯57236□844.23□849

□□

 《邁耶錫安》絶対銀経 2365844.239840 絶対銀緯 572365844.239844

□□□□□□

 《小馬假塞克利亞》絶□□経 2365844.2398 絶対銀緯572365□□□44.2398

□□

 《內西奧□□孫》絶対銀経 2365844.2□39839 絶対銀緯572365844.2□840

□□□□

 《阿爾□標誌》□□銀経 2365844.239□38 絶対銀緯 5723658□□□239839

□□□□□□□□


  刻□者 華裳蘭 茗菲

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