★せっしょん066 第31566自由機動小隊所属潜伏工作員
がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん
あたしが見届けた時空連続体のさざなみ
★せっしょん066 第31566自由機動小隊所属潜伏工作員
Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session
The ripples of the space-time continuum that I saw
☆session 066 No. 31566 Free Mobile Platoon affiliation latent operative
✔こんなもの、学生に見せられるもんじゃない…
可愛い女子大生に、お菓子を差し入れするつもりで(決して覗き見をするつもりではなく)やってきた惑星監察官は、この現場を脂汗を流しながら直視していた。
彼女は、惑星監察官として大学警備隊に緊急配備を要請し、現場維持をはかった。
約5分後。
警備の主力隊が到着した。
付き合いの長いロジャオ・エンドラ人の警備大隊指令。
「隊長、どう思う?」
「姐(あね)さん、とうとう起こっちまいやしたねぇ。」
「ふぅむ…」
「現場の危機にいつも上は鈍いんすよ。」
「どこもそうよ、」
「偽装留学生の認証確認を徹底させないと、」
「そう、っす。でもそれだけじゃだめですぜ。」
「もちろん!」
あたしは、ハッキング、ハニートラップ事案、強制物理介入、仮想敵フリーエンジェルユニットの干渉作戦等、一通りの可能戦闘域チャートの記憶を手繰ってみた。
ヤバい。
マジでヤバい。
しかし、あたしはプロである_
警備大隊指令は、振り返って片手でサインをあげた。
「RIEASANN(りーさん)、現場解析を急げ!」
三つ足カーキグリーンの50センチ程の指揮制御ユニットが進み出た。
「ぷぴぽっ、ぱぴっ」
浮遊表示警備隊隊員の顔コンタクトアイコンが空中に現れる。
「野郎ども、現場(げんじょう)維持につとめろ、惑星監察官の姐(あね)さんの指示に従え、わかったな!」
大隊指令は、12 名の隊員の分だけ 12 分割された浮遊モニターに怒鳴った。
「了解」
「了解っす」
「…」
すべてのロジャオ・エンドラ人隊員は、誘導灯に携帯複合火器、各種警備ツール等の防護戦闘服の上からフリッカー(点滅)ベストを羽織り身を堅めていた。
彼らは長い尻尾と“かかと無し”と言われる独自の体型だ。
そろそろ暗くなり始めた夕やみの中へ、各自、足早に散ってゆく。
✔ 可戦域
彼女_暗在系探査小委員会嘱託にして、みりゅうす潜伏支援スタッフは、死体の装備を確認していた。
身長 160cm ほどの彼の肉体は、上半身が縦にまっぷたつだ。
死体は『仮想敵国』として認定されているナノマシン組織体着装型装甲戦闘服をまとっていた。
もはや切断された肉塊を包む残骸だが。
左手と肩と頭、そして右手と上半身が腰を分岐点にして Y 字型になるように切り裂かれている。
イケメンな顔は傷もつかずそのままだ。
あたしは開いたままの瞼を閉じてあげた。
その肉体の切断面は、見た事もない状態だ。
みりゅうすの潜伏支援スタッフは、手首のスキャンヘッドを展開して、その残骸・遺体をすばやくなで回していた。
あった!…ID システム。
こいつの所属がわかるだろう。
スキャンヘッド先端から、探査針が数本飛び出し、ID システムに突き刺さる。
光のレビテーションキーボードに探査コマンドを打ち込む。
解析完了、データ出力が出来た。
『ツォーフォア・レンミングォ行政体統治聖連邦』の有機知性体至高解放軍第76情報制圧軍第 31566 自由機動小隊所属潜伏工作員』
「ふ~ん、どんぴしゃ!」
潜伏支援スタッフがつぶやく。
あたしも、彼女に近づいて、その疑念を口にせずにはいられなかった。
「学生を潜伏テロ支援要員にしてる、ってのは聞いてたけど、こんな戦闘支援装備までもたせやがって…」
あっけなくやられてたから、こいつが下っ端だって事はよくわかる。
しかし、あのやっかいな『仮想敵国』に、みりゅうすがマークされた恐れは極めて大きい。
太古の昔、『大連邦セイジ・クルイ主義』最大版図期に、そのもっとも遠大な狂気といわれたいくつもの惑星消滅戦略を学んだ事がある。
それは、宇宙の定義を変えてしまうものだった、と言われているが、難しい事はよくわからない。
しかし、かつてのその恐るべき力の源泉を信仰するいくつもの国家があるのは事実だ。
“あそこ”もその一つだ。
✔『ツォーフォア・レンミングォ行政体統治聖連邦』
TUOWFOR・REnMINGuO St GOV-UNION
有機知性体至高解放軍
(3 軍制 1_地上展開軍 2_情報制圧軍 3_次元解放軍)
民族紛争:6121箇所 経済紛争:35 直接軍事衝突:7
あたしは自分の顔つきが変わっていくのを承知していた。
あたしは惑星監察官としての職務を全うすべく、Topology Conversion(とぽろじーこんばーじょん:位相転換)を決めている戦闘モードの怪しい美少女の襟元をつかんで、目一杯ガンとばした。
「あんた、いったい何者?」
「…」
ゴスロリツンデレ女と対峙した。
視線が正面衝突し火花を散らす。
そいでもって、ひそひそ話だ。
あたしは、自分の仕事の可戦域が発生したと確信した。
あたしも同じく Topology Conversion(とぽろじーこんばーじょん:位相転換)を行い、黒いスーツで準備万端だ。
見た目、夕暮れ時に黒のボンデージ艶消し系のエナメルスーツにしか見えない。
変な想像すんなよ。
これ仕事なんだから。
ちなみにあたしの正式な軍人としての肩書きはこれ。
ミリギューム大統治体空間統合軍
第 365 重力圏展開大隊
第7指揮グループ所属・戦技情報武官
惑星監察官・監察官評議会_有機体先進開発機構専任能力保護官
みりゅちゃんのお目付け役の正式名称が『有機体先進開発機構専任能力保護官』だ。
「こりゃ、対テロ戦の範疇だろ。」
「そちらの仕切りは、“おばさん”にお任せする、」
んだと、ごるらあぁ💀…
「ちょ、ちょっと!情報の最優先共有を棚にあげといて、いったい何様…」
「出遅れて彼女を危険に晒したのはあなたの過失だ…」
「あの偵察ポッド、あんたの…」
「…」
彼女は右頬に擦過傷と軽く左足を引きずっていた。
さっきの衝撃か!?
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