★せっしょん065 あのお母さんは次の宇宙で神様になるのよ
がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん
あたしが見届けた時空連続体のさざなみ
★せっしょん065 あのお母さんは次の宇宙で神様になるのよ
Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session
The ripples of the space-time continuum that I saw
☆session 065 That mother will become a god in the next universe
✔ 時空破断
モニタリング情報_女の陸戦兵器の操縦員は誰かと対峙していた。
ちょっと待って!
モニターを破壊しかねないほどの超高密度ポテンシャルなデータ。
彼女は、直感でバイクを発進させた。
バイクは監察官の正式装備。
前後走行タイヤは、重力慣性制御システム内蔵で路上走行時の機動性を高めた極めて直径の大きいものだ。
飛行時はホイール部分の推進フィールド展開部が広がって発光する。
彼女の身長からしたら、無理して大きいバイクに乗ってるのは見え見え。
でも仕事だから…
収納出来るセンサー類はすべて収納する。
南東数キロにあるたつきの家に直行した。
バイクのレビテーションモニターには、たつきの家に特異点変動が集中してる様を表す情報が溢れかえっていた。
バイクの飛行最大速度なら美少女特異点がいる場所まで1分以内で着くだろう。
『時空破断』__
_嫌な言葉が一瞬脳裏をよぎる。
バイクの演算制御システムが焼け付きを起こしかねないほどの膨大な情報が送り込まれている。
それは音声データに強制変換されている。
いったい何だこれは!?
誰かのつぶやきなのか?
叫び!?
誰が喋ってる?
何のため!
【マイクサンプリング音_01】
………………………………………………………… しかし、……あなただ…けは…殺してやる…“びくん!”…男の頬が…………震えたようだ…
男は、ヘルメットのバ…………イザーを引き上げていた。
その光は酷薄そのもの…だったが、知性とは縁の無い目つきだった。
彼の目の光を捉えた…この……男…の知…性にどれだ…け期待すればいいのか
……“びくん!”…また男の頬が震えたようだ…
どう…だ?………コミュニケーション…とは…素晴らし…いものだろう?…
データ強制変換のアルゴリズム。
それは不可知な周期を経て安定してきているようだ。
ライホリオン・ミーは、その変化を脂汗をかきながら記録に収めつつ、急いだ。
「Topology Conversion 2nd Covering on !(とぽろじーこんばーじょんせかんどかゔぁりんぐおん:位相転換第ニ種着装形態)」
彼女の細身の裸身は真っ黒い機械的なボディスーツに覆われていた。
そのナノマシンスーツは、超絶的なネットワーク演算能力をもつシステマチックな兵器でもある。
強制変換は続いている…
【マイクサンプリング音_02】
…………………………………………………………
この男は、命令を遣…わす者に対して、ひたすら…機械……的 な…忠誠を誓える男だった。
おびえろ、のたうちまわるがいい ふふ…どぅ?足が…動か…ない…はずよ…私は、至…福を…破壊す…る行為にその人生…すべ……て…を加担……してき…
た……惨めな男の価値観を想ってみた。あなたを殺してやる。首をしめあげてな。
そのことは、きっと、嶺牟倫逢…の…魂を汚すだろう。そう、覚悟だ。
あと数秒、減速!
そのまま地上走行形態に移行。
前後二輪のタイヤの駆動システムの発光シークエンスが、飛行モードから走行モードに変わる。
たつきの一戸建ての家に連なる廃屋の影に、バイクを滑り込ませた。
総菜のデリバリーサービスを行う出店が、とばっちりを受けて品物並べたカウンターがめちゃめちゃになる。
ライホリオン・ミーが管理下においてあるモニターに、バイクの制御人工実存の独自の判断で、さらに一段上の解析カテゴリー表示面が開いた。
演算不能で入力強制解除に至っていない。
以外とけなげなやつだ、と、ふと思った。
✔ 誰?
そこに写し出されている【一人の男の画像】だった。
場所はたつき・ザイトファングス・ザジ の住居のすぐ前、庭から住居にかけて。
戦っている相手は、半実体化した幻のような感じだ。
木炭で荒っぽくデッサンした画像のようだ。
そして、デッサン自体が崩れていた。
その【太古の熱線携帯火器を装備した一人の男】は、子供を抱いた女戦士に怯えていた。
それは広大な大銀河で繰り広げられる無限大の量子演算の、何かのはずみで引き起こされた誤作動かもしれなかった。
それ_誤作動を嗾(そそのか)す何かの意志があるとすれば、それを確認するための作業が、学生たちにとっての至高の学問になるのだろう。
深空間探査機構外周警護局のエージェントは、極限まで高められたプレッシャーで、泣きたくなっていた。
彼女は、その見た目のギャップからは想像し難い言葉を振り絞った。
「お願い、鎮まって」
位相転換第ニ種着装形態になった彼女は、それだけで格闘戦モードの機動歩兵一個中隊に匹敵する火力をスタンバイ出来る。
女の陸戦兵器の操縦員はライホリオンに一瞥をくれた。
“聞こえて”いる!
深空間探査機構外周警護局 006 課のツンデレエージェントは、慣れない近接火器管制システムを防御主導で起動しつつ、操縦員に対峙する。
「だめよ、」
「…」
「時空を超えたあなたの想いを、あたしはわかるの、」
「…」
「あなたにはわかるでしょ?」
✔ 向こうへ行く
「みりゅちゃんの大事な所が、暖かくて濡れてる…」
「やだ、口に出して言っちゃ…」
「ごめん。」
「なでてあげるよ。」…
「うん、お願いします。」
彼の指が、あたしの花弁の溝に縦にそって、ゆっくりと往復運動をはじめました。
彼が、ごくんと喉をならした音が聞こえました。
あたしの花弁の芯を優しくなでまわす彼の指。
1本?………2本?………………3本?………あ…やだ…だめ………いや…ん…
…いや…気持ちいい…
花芯まで、優しく撫でられるのって…
自分でやるのとえらい違い…ん…
✔ 解脱(げだつ)
赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員の姿…一瞬、ぶれた!
それは、視覚認知を歪ませる得体の知れない様相だ。
普通、知的有機体は、そのような現象を自動的に排除する。
そんなものを当たり前に大脳神経系に受け入れていたら、狂ってしまうからである。
しかし、それは個的な事情だ。
銀河の深淵の量子的限界が見せる不可思議は、容易くそれをやってのけた。
水に溶かした絵の具が水面で歪んで見えるような様を一瞬の間に経て、赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員の姿は、もう一人の分身を生み出した。
それは瞬時に、たつき・ザイトファングス・ザジ の家を見下ろせる付近の倉庫の屋上にバンを停めて、みりゅうすをストーキングしていた盗撮4人組の前に瞬間移動した。
彼女は、足場の悪い屋上を、難なく進んでゆく。
盗撮小僧達のバンはもはや目の間だ。
彼女は、『ツォーフォア・レミングォ行政体統治聖連邦交換留学生』の前で立ち止まった。
彼女の口から初めて音声が発せられた。
「ア、スパニ、ヘ、イシ、オ、ク。タイダ!」果たしてそれはどこの言葉だ。
交換留学生を指差す。
その少年を詰問しているかのようだ。
「ナ、コヘニオ、ダイッ!」
赤子はじっと見つめている。
交換留学生は、盗撮を同好の士とする小市民的な団体に属していた事など、全く無かったようなセリフをいきなり吐いた。
「行政体統治聖連邦委員会中央の指示は本当だったんだ。」
「何だよ、お前」
「何いってんだよ、オレわかんねぇよ。」
「それどういう事、意味わかんねぇ!」
同乗者の同士3人が狼狽した。
赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員は、バンを覗き込むようにして止まり、腕を差し出した。
それは一瞬の動作だった。
いきなりビデオカメラを握りつぶした。
それはカメラに偽装した軍用偵察ポッドだ。
それは、アマチュアが扱う装備ではなかった。
赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員の右手が発光している。
局所的な量子力場変換が起きている模様。
彼女の背中側に数メートルの直径の光背が現れていた。
彼女の右手や身体全体のすぐ向こう側が、著しく歪んで見える。
まだ日の明るい時間帯だ。なぜこうも歪んで見える?
目の錯覚か!?
それは、あたかも小さな恒星のごとくのエネルギー輻射を行っていた。
それは未知の現象だった。
「うぁ、熱!」
「ぎゃっ」
「逃げろ!」
いきなり変身した____誰が?_あの交換留学生だ。
彼が叫んだ《キーコマンド》は、まわりの知的有機体にわかる言葉だった。
『知的有機体人民に影をもたらす悪しき因果を取り除くべし。然して、我、古(いにしえ)の大連邦精神の拠り所とならん!』
彼は、接近格闘戦に備えるかのように重心を落とし構えた。
変身は一瞬だ。
瞬然!_____戦士の表情が変わった!
美しいプロトアクラ人の顔が憎悪で引き歪んだ。
その変身文言の語彙は『ツォーフォア・レミングォ行政体統治聖連邦』の開祖起原に由来するものだった。
それは、遥かに因果の撹乱を増大させる不穏な発動を促すものだ。
「大連邦!!!!!!!!!!!!!!!ナ、ダマ、ダイッ!」 彼女の怒りの感情表現だろう。
どこの異境の言葉か見当もつかない。
「だめ、やめて!」
ツンデレ女子大生の展開した電磁障壁は中和される。
ツォーフォア・レミングォ行政体統治聖連邦解放軍の可変装甲歩兵と化したカメラ小僧の電磁出力も、形無しだった。
おそらくは数メートルの空間に数十億ジュールのエネルギーが圧縮されているのかもしれない。
赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員の発光した手刀。
赤子を胸に抱いたままの彼女の右手は、真っ白に発光するトーチとなる。
子持ちの戦士は、一瞬腰を落としたかと思うと、駿然の間合いで4倍の長さに伸びたトーチを、接近格闘戦にふさわしい動きに順応させた。
それはあっけなく変身した交換留学生の腹を貫く。
そのまま、それは、熱したバターをナイフで切り裂くかのように、肩へ斬り上げた。
彼は、訳がわからなかった。
「え、あれ?」
✔ 私は生き続け…なけれ…ばならない
たつきのソファ脇にある作業モニター。
知らぬ間に電源が入っていた。
テキストエディターが、勝手に起動する。
キーボードが全く起動していない。
誰も触っていない!
それなのに、信じ難い速度で文字が打ち出されていく。
全くわからない不可思議な現象だ。
【以下、その文面_01】
覚悟は、汚れと清浄の…地…平を分かつ絶対境界……線だ。
だから、嶺牟倫逢の魂に出会い、彼女と…伴に歩むその贖…罪の巡…………礼のために、私は生き続け…なけれ……ばならない。
殺してやるよ…私は…右手を…掴…む…よう………にして、男に向…かって差し出した。
みりゅうすは、その文字を見つめていた。
その時!
高エネルギーが何かに引火したか!?___どっぐぁぁぁぁあん…戦いのとばっちりをうけて、窓から何か(破片等)が飛び込んでくる。
がっしゃん、どん、ばりんっ…爆発、破片
「痛ぇ、」
「どうしたの?」
「ケツに何か当たった、あ、…血が出てる…」
「え!きゃ~~~~~~~~~大変大変大変」
外の騒ぎはいったい何!
せっかく彼氏とよろしくやろうとしていた美少女は、彼氏が負ったかもしれない傷よりも、まるでいきなり戦争でも始まったかのような騒がしさに注目した。
とりあえず一糸まとわぬ姿なので、毛布を湯浴み着のようにまとって立ち上がった。
彼氏も立ち上がった。
イケメンの彼氏は色気台無しの姿だったが、今はそんな事は構っていられない。
赤子を抱いた女の陸戦兵器の操縦員。
彼女の動きは、たつきのモニターに描出された文字にリンクするかのようだ。
彼女は、二人の目の前の庭で【何か】と対峙していた。
史学部のクイーンは叫ぶ。
髪が何かの力場にあおられて総毛立つ。
「あなたが何をいいたいか、わかったから!」
【以下、その文面_02】
絶対…に、あ…な…たを殺…し…て……や……る。…………………
(未知のテキスト出力はこれを最後に無かった)
『ねぇ、あなたが何を言いたいか、わかったから、もうやめて!』
史学部のクイーンの二度目の叫びは、肉体の声ではなかった。
その場にある物質の量子波動すべてに影響を与えるような圧縮された《波動》。デコードすれば
『ねぇ、あなたが何を言いたいか、わかったから、もうやめて!』
とわかるにすぎない。
声ではないから、たつき以下誰にも聞こえない。
いや、ライホリオンだけには…
✔ 邂逅(かいこう)
戦士は、みりゅうすを振り返った。
“この時を待っていた”かのようだ。
穏やかな笑顔で瞳をみ開いている。
それは遠く、冷たく澄み切った目だった。
心の暖かみだけは消え去っていない目だった。
“ 灯明の輝く彼女の無意識のうちにある壮麗で巨大な寺院建築物 ”
210000 年前に、彼女が幸せを祈った場所。
史学部の美少女と戦士は、寺院の中を仲良く歩いていた。
明るい日差し。
大小三つの太陽が寄り添って青空に光を投げかけている。
庫裏や修行堂、
祈祷殿、本堂、
聖職者、
無数の参拝者達…
1_《 218000 年未来のあなた!》
2_《え''?》
3_《正確には 218574 年未来の私に会えたわ。》
4_《どうゆうこと?…意味わからない…》
5_《ぅふふ、気にしなくていいわよ、1125代輪廻した先の自分の姿なんて、普通、誰にもわからないものね》
6_《それって、あたしのこと?あたしは、あなたと違ってミリギューム人よ…》
7_《関係ないわ、私はあなた、あなたは私、生きたいと願う祈りを形に現すのが銀河…》
8_《わからないよ、何いってるの?》
9_《ぅふふ》
10_《あなたが穿いたあの子は》
11_《600億同朋の無念を、彼の肉体で収めたわ、長かった…》
12_《600億同朋の無念?》
13_《血、って不思議ね、21万年前のあの男の血を、あの子は微かに引いてるの、あなたに惹かれたのね、あの子はあんな生き方しちゃだめ、手を引いてあげたから安心して》
14_《手?》
15_《あなたの近くで元気な子どもが生まれて、たくさん花が咲くようになるわ…》
16_《え?》
17_《ねぇ…素敵な彼氏ね、優しくてさ、いい男だし!》
18_《え、あ、ど、どうも…》
19_《“ 聖なるかな、ありて在るもの ”…》
20_《“ 聖なるかな、ありて在るもの ”?…》
21_《素敵な言葉ね…》
22_《?》
23_《量子の響きに祈りをのせる、ミメハンヤの祈りはあなたにも届いているから、》
24_《?》
25_《だから、禁書の封は自ずから解けたの…私達の最後の子ども、嶺牟倫逢(れむりあ)が、あなたの事好きだって…》
26_《んまぁ、だぁ》
27_《ひゃは!》
28_《…私は次元の漣(さざなみ)、いつまでもあなたを見続けるね…》
29_《21万年昔は今ここに、50万年昔でも100万年未来でも、すべてはここに…》
30_《!》
31_《意味の無いものは何も無いね、ほとんどの人はそれに触れずに去るけどね》
32_《わからない…》
33_《向こう側の地獄の扉をあけた人々の意思も》
34_《“向こう側の地獄の扉”?》
35_《数字が意味を成さなくなる膨大な無間地獄のね、忌まわしき記憶もね…》
36_《?…?…?…》
その36行に変換され得る言葉。
それは、果てしなく0に近い極微の時間に受け渡される情報コードとして確かに存在していた。
それが、誰から誰へ受け渡されるものか。
おそらく…銀河の真理の深淵へ到達する地道な歩み。
分身。
その時、手応えは一瞬…
彼の戦力は、はなから見切られていたのは確かだった。
果たして戦士の存在は、この世のものではなかったから現世(うつしよ)の摂理に囚われることは無かったのだろうか。
「あ、あわ、あああ、あわあわええあぁ、」
「いったいどうしちゃったんだよぉ~~~」
交換留学生の身体。
立った姿勢のまま、すでに残骸に等しい状態になっていた。
しかし、意識がそれを認識していなかった。
「あれぇ、オレ、よくわからない…」
彼は、はっきりしたつぶやきを発する事は出来た。
そして、ためらいながら回転するように崩折れていった。
女戦士の姿はその存在を消滅させていた。
みりゅうすは泣いていた。
毛布湯浴み着のまま…
美少女は、目を真っ赤に腫らして、しゃくりあげていた。
それは美少女の姿をした慟哭の女神だ。
「…あ、あの…あの親子は、…もう来ないわ。」
「え?」
「あのお母さんは、次の宇宙で神様になるのよ…」
「え?」
間…
「痛ぇ…ケツが…血だらけだ…」
✔ 収束
広域時空界面哨戒艦『マス・パッフィリア 3115』
解析官の目の前。
惑星近傍座標系の数百に及ぶ次元波動計測数値。
前ぶれなく平常値に戻った。
「いったいこれは…」
脂汗を拭った艦長が応えた。
「“ 揺れ戻し ”じゃよ…」
「“ 揺れ戻し ”?」
「先日の危機的変動でも“ 揺れ戻し ”たじゃろ」
「そういえば…」
「この娘は、そういう子なんじゃろな…」
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