★せっしょん061 彼氏のシェアハウス
がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん
あたしが見届けた時空連続体のさざなみ
★せっしょん061 彼氏のシェアハウス
Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session
The ripples of the space-time continuum that I saw
☆session 061 Boyfriend's share house
✔ 元気?
あの日_あたしが会場で吐いちゃって、小姓の自動運転でアパートへ帰った三日後。
たつきくんに、コンパの日に“す巻にしてもらったバスタオル”を洗濯して返しに来ました。
出張掃除予約の日ではないので、ちょっと新鮮な理由。
今日のあたしの服装は?
ノースリーブのワイシャツにホットパンツ。
そして猫耳ヘルメット。
小姓に乗る時のヘルメットであまり被らないようにしているあたしのブルーのお気に入り。
「ごめんくださーい、おじゃましま~す、たつきくん、居る?」
インターフォンに尋ねました。
『お~、早かったじゃん、今行く』
たつきくんは、あたしに返事をすると、どたどたと音がしてきました。
出てくるみたい。
彼氏。
「元気?」
あたし。
「うん」
「もう、だいじょうぶ?」
そして、あたし。
「うん。」
ここは、庭から丸見えな1階の応接間。
友達を呼ぶ時はいつもそこでごっちゃごっちゃに楽しく盛り上がる場所。
物置の隙間にテーブルとソファを置いただけな場所で、今日も庭は盛大に開け放しだ。
たつきくんの家は友人二人とシェアしている一戸建て。
同居人は、キュルリアック人のぼるちゃん。
彼は雌雄同体なのだけど男性優位らしいので彼と呼んでる。
正式な名前:ぼるぼっくす・ケクトキム=カクコス。
そしてスインナグビー人のしーらむちゃん。
同じく正式名称:ファルツァー(姓)・しーらむせぐねす(名前)。
さっそく二人が出てきた。
彼女の体型は、下半身はツインテールマーメイド。
二足歩行は出来るが苦手。
歩く時は大きな鰭を足に巻き付けるので、男女ともロングスカートのような民俗衣装をまとう。
で、しーらむちゃん、かがむといきなり小声で、
「たつきさん、姫と一発やるの?」
「ばか、言うに事かいていきなり何て事を!」
「だっていい男じゃん。」
ぼるぼっくす君が、軟体触手を3本振り上げて注意した。
そのうちの一本で、軽くぺしっと、しーらむちゃんの頭を叩く。
「あ"う"」
あたしの彼氏は…
「あ、あ、う、…え~と、まぁ、その…」
あたし
「くすっ」
「だって、知りたいっすよ!」
博識なぼるぼっくす君は
「君はまず恋話の基本のデリカシーから学びたまえ。」
まともで常識的な正論を言っている学友は、海が文明圏の多足軟体型知的有機体だ。
見た目、二人のからみは漫才にしか見えない。
「え"~~~そんなのわかんないっすよぉ。」
男気溢れる素直実直なスインナグビー人の美少女は、男気が溢れすぎて時々変な言葉使いになるが、いい子だ。
ぼるぼっくす君と行動を共にするのが多いのは、実家のある恒星系の海洋比率が高いのが共通してるのが理由なんだって。
「ほれ、買い出し行くぞ。」
「わかってますよぅ、みんなで美味しい夕食をね!」
しーらむちゃんの自作料理は絶品。
『スインナグビー風スパイシーパエリア』あ、だめ♡思い出したらお腹すいてきちゃった…
彼の一戸建てシェアハウスは、庭がガレージ整備場。
小型の移動クレーンがついた整備モジュール。
全長 10m ほどの機体が2機、駐機できるスペースがある。
工具や資材置き場は、果たしていくつあるんだろ…
何度もお掃除来てるけど未だ数えた事ない…
“ハマー-X-11”は、別に駐機場を借りているのね。
最初に出会った日にトラックにぶつけられて、すぐ装甲表皮部分を修理する鈑金成形修理屋にいったら、えらくお金がかかるんでまだ応急修理したまんまなんだって。
✔ 診断書
「合コンん時さぁ、あたし、結局、偏頭痛がなおんなくて吐いちゃってさぁ…」
「そうだったよな、」
「うん、」
「大丈夫か、本当に?」
「うん」
彼の気遣いがうれしくってさ。
知らない間にうんうんとくり返してしまうあたし…
何なのかなぁこの展開は?
いや、あたしは、本当のところ、ちょっと参ってる。
「でも、今はねぇ」
「なんか見た、って言ってたよな、みりゅちゃん?」
「なんだったんだろ、あれ」
「何だったの?」
「よくわかんない」
…あたしは、それを口にするのが怖かった…
いや、経験はあるんだ。
だから、どんな風に覚悟を決めてそれを口にすればいいか、というのもわかっているつもり…
なんだけどさ…
ほんとに自分を脅かすものがあって感じる恐怖って…
あ~・・・思い出すのもやだ…
提出テーマのことで何度となく学務課に呼ばれ、ほどなくして夜寝られなくなり、なったこともない不安神経症だ、などと診断される始末。
そういう症状があるなら仕方ない、っていうんで心理療法受けたわよ。
でもねぇ…
ここ一ヶ月くらいの間の史学関連の記憶にかなり欠落があるの…最悪…評価は優だったんだけどさ…
…あぁ…
「あのカウンセラーのアドラーっていう先生、あまり評判よくないぜ、みりゅちゃん、レポート提出の後よく行ってたろ、」
「うん、そう…あの方、ほんとねちっこくて嫌だった。プロトアクラ人でもあんな粘着質のデブっているんだねぇ。」
あたしは、身体をひっくりかえしてため息をつきました。
でも、何にしてもあたしは落ち込むのはイヤ。
「情報局の人と会ったのよ、」
「へぇ」
「結局名前は教えてくんなくて、いろいろ話聞かれて、なんだか訳わかんなかった。」
「ふ~ん…」
「あのね、あのアドラーっていうプロトアクラ人のカウンセラー、会話の中でね、あたしに聞こえてないとでも思ってたのかしらないんだけどぉ、“暗在系探査小委員会(あんざいけいたんさしょういいんかい)”って何度かいってたのね。」
「ふ~ん、何のことなんだろ。」
「わかんないねぇ」
間…
「こんな時は掃除かな。」
「あ~、助かるわ。」
あたしは立ち上がった。
あたしは掃除が…実のところ本当に好きかどうかはわからない。
でも、かたずいた部屋を見て彼が本当に嬉しそうに『ありがとう』といってもらえるのが良くて、ついつい本気になってしまう。
まぁ、あたしの部屋の汚れ具合、かたずかなさ具合と良い勝負なのね、ぶっちゃけ。
お部屋はすぐ汚部屋(おへや)になっちゃうけど、すぐ片付ければいいだけ。
いろんな事やってるからごちゃごちゃになるんだもんね。
「汗かいちゃった、シャワー浴びていい?」
「うん、いいよ」
「オレも、シャワー浴びてくる」
「うん」
一瞬、超ドキドキになってしまうあたし!
だって、たつきくんのシャワールームって、二人ではいっても充分広いのあたし知ってるもん。
✔ 得体の知れない動き…
彼女の名前は、みりゅうす・えれくとら・シー。
愛称は、みりゅちゃん。
彼女はどこにでもいそうな、ふつうの明るくかわいい女子大生の女の子。
恒星間文明史学部に学ぶ、時々ちょっと不思議な事に巻き込まれてしまう(っていうか、いちいちそれが半端じゃないものばかりなので、後でそんなのウソだ~~~~、なんて言われてしまうかもしれないけど)普通の女子学生。
あたしは、りゃすみん。
有機体先進開発機構に籍をおいて外宇宙を相棒といっしょに飛び回る惑星監察官。
いきなりギャップが…なんていわないで。
あたしは彼女のお目付役なんだけど、込み入った事情があるので詳しくは別の機会に。
それより今は、彼女の体調に関して、あたしは、今ちょっと心配だ。
先日の新入生歓迎コンパの一件以来体調がすぐれない。
食欲はあるし、寝込むほどひどいわけなんじゃないんだけど、幻視が出てる、ってのは超ヤバい感じはする。
いったい大学のクリニックの所見はどうなってんだ?
あれ、幻視…じゃないかもしれない所がある。
あたしのレポートとあわせてページを増やしてまとめなくちゃならなくない。
彼女のレポートテーマ
【『ヱキ・羅(ら)_スィントゥ・ラドイアンディ 791 故韻文(こいんもん)』における古代文明紛争様態の時系列視点における知的有機体の発展的可能性についての考察】
が
_『高次特異点制御感応力をもつ有機体の保護監視計画:機密(守秘義務あり)』_に彼女が関わった事が関連してるのは明白。
結局のところ超次元多様体の生成現象を司る特異点として彼女が存在してる…
という事が『何かのトリガー』になってる、という推測は、あたしなりにやってみた。
明後日には、あたしもこちらを発つ。
何にせよ、彼女は有機生命体の本質的な部分で、とんでもないものを持っているんだけど、普通の当たり前の可愛い女の子なのだ。
せっかく彼氏がいるんだから、すぐ行ってスキンシップしてこい、って言っといたんだけどね。
なんか得体の知れない動きが彼女の周囲にある。
あのライホリオン・ミーとかいうツンデレっ子は、もう十二分に怪しいんだよなぁ…
もしかしたら、あの子、悪い娘じゃない、っていう感じもすごくしてるんだよね~
なんなんだろ、いったい…
困っちゃうよな、ほんと…
そんなわけで、みりゅうす★せっしょん、今回は…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます