★せっしょん058 どくどく“中出し”してひ~ひ~言わせてごらん

がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん

あたしが見届けた時空連続体のさざなみ


★せっしょん058 どくどく“中出し”してひ~ひ~言わせてごらん

 

Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session

The ripples of the space-time continuum that I saw


☆session 058 Let's Penetrate"Creampie" and cum




✔ 宵闇



 あたしは、小姓にエアスクーターの変形を解かないまま3階のあたしの部屋の前まで来てもらった。

 ドアをあけた。

 「は、は、はくしょん!」

 あたしは、小姓に肩を借りながらおおきなくしゃみをしてしまった。

 しっぽがぶるぶるぶるぶるぶる…

 座り込む…

 小姓は、毛布をかきだしてきて、床に敷いてくれた。

 「明日まとめて洗濯すればいいんだな。」

 「うん」

 「でも、その汚れた競泳水着、脱げないのかな?」

 とてもこんなキツい競泳水着、脱ぐ気力ない。

 「だめ、もう…」

 あたしのまぶたはとっくに閉じたままでした。

 身体全体に力が入らない。

 意識がなくなる秒読み…

 「今日は暖かくして寝るんだな。ボク添い寝してあげようか、手にヒーター機能あるから」

 「ありがとう、気持ちだけもらっとくわ、もうあたし電源切れちゃう…起きてられない…」

 




✔ 翌日




 大学の学生専門の安い値段の方の学食。

 長くて傷だらけの古いテーブルが、セルフサービスの食事の受け取りカウンターが小さく見えるくらいまで並んでいる。

 それなりに満席だ。

 たつきが昼飯を食っていた。

 相変わらず無精髭だが、昨日の今日でタフである。

 野郎の大学生の安い昼飯といえば。味の濃いパスタが定番だ。(本当か!?)

 イケメンはパスタをかき込みながら、携帯のメールを見ていた。

 発信人はみりゅうす。

 まさに今、彼氏は彼女が心配で仕方が無い状態だった。



 『SUBJECT:日記 ~日 晴れ 

 気分悪い。今日講義休む。ごめん、またメールするね。』


 「…」


 スインナグビー人の男子学生が、たつきのすぐ隣で昼飯をかき込んでいた。

 彼らの体型は、下半身がツインテールマーメイド。

 二足歩行は出来るが苦手だ。

 歩く時は足の側面にある大きな鰭を足に巻き付けるので、男女ともロングスカートのような民俗衣装をまとう。

 手の4本の指の間には水かきがついている。

 乾燥には弱いので、スインナグビー人は皮膚の保護クリームが生協にいけば無料でもらえる。

 ここは銀河に名だたる総合大学である。

 彼らの食事作法や、彼らの食事に給した食器の用意も完璧だ。彼らは海棲圏知的有機体なので、魚介類のマリネやステーキを主食とする。

 付け合わせは、海藻類のサラダだが、陸上植物のサラダは彼らにとっては珍味の類に入るらしい。

 彼の食べているメニューは、魚介類と海棲植物の、味の濃そうな炊き込みどんぶり。

 どんぶりメニューなあたり、貧乏学生の定番は銀河普遍とも言えるが、興味があるので(見た目美味しそうなので)食べてみたい…等と安易に注文してはいけない。

 その星系人には美味でも、興味本位で注文した別星系人には毒になる場合もあるので注意が必要だ。

 “どうしても!”というのなら、学食全メニューとその栄養バランスデータベースの検索が出来るので、まずそれを推奨したい。


 「あら、お久しぶり、」

 「あ、こんちは、さなりぃさん。」

 「みりゅうすとはもう寝た?」

 「はぁ、ぐっ…」

 美女の不意打ち攻撃に昼飯を喉に詰まらせるイケメン彼氏。

 「健康一番、おいしくご飯食べてる!?、はいこれお土産ねっ」

 惑星の裏側の見知らぬ地域の風土をあしらった柄のロングスカートが、美女の気合いのかけ声とともに、ふわっとゆれた。

 「はい、お土産ね。」

 学食の長いテーブルの上に置かれた『たつき』と名前の入った箱。

 「現地に墜落船の古跡があってさ、そこから切り出した構造材の見本だぜ。」


 彼女;本名は劉然寺白州川・沙菜理以・31156。(りゅうぜんじしらすがわ・さなりぃ)。

 全部発音するのもめんどくさいので、通称、さなりぃ。

 最後の 31156 という数字がいったい何の事なんだか、聞いても教えてくれない。

 在籍は、工芸部、空間環境デザイン学科。

 面白いことが大好き。

 胸のサイズがみりゅうすより上なのは公然の秘密。

 攻殻機動隊にいた若い美人隊長にそっくりだ、というもっぱらの評判だが、大学の警備機構にそんな部隊あったっけか…?


 「お~~~、すごいっすよ、さなりぃさん、ありがとうございます。」

 応用材質工学部で勉強してる彼としては興味津々のブツだ。

 ロングスカートの美女が彼の親しい親友である理由である。

 見れば、仲間うちへのお土産を入れた箱がいくつも入った大きな紙袋を両手に持っている。

 いや、今、彼女は、純真なみりゅうすの彼氏をいじって遊ぶために、テーブルに置いたのだ。

 今日は、いつもの緊急的に露出度が高いコスチュームではない。

 もはや、肌面積の露出度なんか超越した御仁だ。

 いざとなれば、学食の中までボディペインティングだけで来たりするし、この人…


 (“ボディペインティングが芸術学部の課題実践である”という認証を取れば良い)


 彼氏が何人いるか皆目不明な女傑は、カップドリンクを手にとると、珍しく女らしい座り方で彼氏の隣に座った。

 「どうせあんた、みりゅうすとは遺伝子系列違うんだから子供できないんだしぃ、」

 「そ、それ、マジっすか?」

 思わず、どきどきしながら聞いてしまう彼。

 愛しい彼女にほの字の彼って、こういう所がかわいいんだよな。

 「さぁ…」

 「・・・」

 「それよりどうなのよ、ほらぁ」

 「あの子、一昨日から具合悪いんすよ。」

 「あなたが抱いてあげないからぁ、ん。」

 さなりぃ女史、両手の自分の指の先を妖しく絡ませて…

 「いろいろあったみたいね。」

 「そうなんすけど…」

 彼氏は、女傑にコンクリートの重しを持たされて海へ沈められるんじゃないか、というような気持ちになってきた…

 唇をかみしめて少年のような澄んだ涙を眼に溜めている…

 「う、うぅ」

 彼氏が 100 人以上はいる、と、かなりマジで言われている女傑は、いきなりとんでもない事を言いだした。


 「どくどく“中出し”して、あの子ひ~ひ~言わせてごらん。抜いてもらったんだから、次の目標だね♡」


 純情な彼氏は、思わず椅子からのけぞる。

 「な、中出し…」


 そ、そそ、そそそ、それはまだしたことが無い…

 中出し、っていったら中に出すんだよな…

 ゴ、ゴム用意しないと、って、いらないか…


 「ちょうどあなたと彼女くらいの体格差なら、うまくはまるんじゃない?」

 「は、はまるって、な、何が?…」

 悪魔のようで、また軟体動物のように怪しい笑顔のさなりぃ女史。

 「女の子の心と男の子の心」

 「うううう…」

 「彼女、剛力ア◎メとか、AKB48 のあっちゃんとか、マクロ○F のシェ○ル様に似てるんだろ?」

 「オレ、そんな人知らないっすよ。」

 「可愛いんだぜ、知らないの?あんた果報者だよ、そんなに可愛い彼女がいるなんて。」

 「うううううう…」

 「あの子、感度いいよ、いっぱい揉んであげないとダメよ。」

 「何をすか?…」

 「あの子のおっぱい。」

 ごくっ…

 「あ、でもだめか…」

 「え?」

 「あたし、ミリギューム人の彼女と、あなたみたいなナイコンアロカ人のカップルでさ、まれにね、子供できちゃったっていうの、前に聞いたことあるの思い出したわ。」

 「そ、それ?…」

 「ごめんねぇ、まぐれ、ってやつかな、遺伝子系列違うのに不思議ねぇ、確かな情報じゃなくって…」

 「ぅああああ~っ」

 「学生の本分は勉学だしね~」

 彼氏は何といったらいいかわからず、両手で空をつかんでもがくもがく…

 「あああああぅぅぅ…」

 とうとう泣きだしちゃうし…

 …あ~あ…無精髭のイケメンは、両目からぽろぽろと澄んだ涙を流し始めた。

 「はいはいはいはい」

 ぱんぱんぱんと、ぶらでくの肩を叩いて慰めるさなりぃ女史。

 「これあげるわ。」

 「何すか?」

 中に丸いものが封印された5センチくらいの四角いパッケージだ。

 『明るい家族計画』と標準規格語説明が入っている。

 「あなたが被せて妊娠しないようにするやつ。」

 「あ、有難うございます。」

 ちょっとの間・・・感謝の言葉で鼻水をすすり上げていた彼氏。一息つくとカップを手にとり、冷めたお茶を流し込んだ。


 「ねぇ、ライホリオンとかいう女の人。」

 女傑の表情が、さっと硬くこわばる。

 わずかの間…

 「…あのさぁ、」

 「?」

 「ライホリオン・ミーっていう女の子が3年前の今頃だったかな、」

 「3年前?」

 「うん、まだみりゅうすが入学する前の話なんだけどさ、」

 「…」

 「史学部に転部してきて、すぐ死んでる…」

 「え?」

 「すごい事故だった…」

 「マジっすか!?…」

 「でも、実際は事故死に見せかけた殺人だったらしい…」

 女史は、あたかも封印してあったイヤな記憶がスキをつかれて一気に破られてしまったかのような表情をしていた。

 かの女傑がこんなにビビるなんて…

 史学部クイーンの彼氏は少し面白がっていた。

 「…」




 『SUBJECT:日記 ~日 曇り


 今日は暖かい ぐだぐだ も~最低、


 一般教養、語学と文明史解析法基礎 1 出らんなかった…

『ナチュラルサウンド』のライブ音合わせ、日にちずらさなきゃならないし、あ"~気分腐るなぁ~~もぉ~…   』





 “彼女の無意識のうちにある壮麗な寺院”。

 それは、未だ彼女自身に気づかれる事はなかった。


 …いや、気づく事の中に彼女はとけ込んでいたので『気づく』という心理的作用と行動が彼女にとっては意味を為さなかった。


 その場にいる、その場にある事が彼女そのものだった。


 しかしその構造物の巨大さは数日前と比べても、その俯瞰の視野を拡大していた。






     おしまい、え~と…

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