★せっしょん022 課題テーマ決定
がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん
あたしが見届けた時空連続体のさざなみ
Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session
The ripples of the space-time continuum that I saw
★せっしょん022 課題テーマ決定
☆session022 Task theme decision
✔ あたしは、大学の学生専門の安い値段の方の学食で、今日のおすすめ定食をかき込みながらレポート資料まとめ中。
SUBJECT:日記 ~日 晴れ朝方雨
体脂肪率…レッドゾーン表示…29%
…あぁ…あたしの相棒の小姓が出してくれた数字が頭から離れない…
思わず、両手でえいえいえい、と隅の方へ追いやる!
人生、逃れられないものはある。
痩せなきゃ…と今のあたしは固く心に誓ってる。
だけどねぇ…いろいろやる事いっぱいあるし…
ごはんは美味しいし
『おすすめ定食』…スパイシーな炊き込みご飯に、これは安いや、って感じさせる野菜サラダ(まれに乾いてパサパサになってるやつがある)焼き魚とスープ。
さすがにサラダがパサパサに乾いてた時のやつは、頭にきたので、写真撮って日記に貼り込んである。
はむっ…と、まぁ、そんな事は脇へおいといて…
あたしの性格?
まじめで、誠実で、明るくて、無邪気で、いたずら好きで、凝りだすととまらない…な~んちゃって。
でもって、変なとところでずぼら、ってとこ。
レポートの準備やら、家庭教師のバイトの新入生ガイダンスやら、『ナチュラルサウンド』のライブの企画と新曲カバー曲の練習やらで、めちゃくちゃ忙しい。
中間期試験もあったりするんで、なおさら。
エネルギー使えば使うほど、あたしは、食欲でちゃうタイプなんで…あぅ…んで、すこしハイになってるんです。
史学部学祭クイーンを三回やった。
今年も小姓(こしょう)はやらせたがってる。
まぁ四回目もいいかな、とは思ってる。
これはりゃすみん先生の相棒のふみーちゃんと同じで、あたしの事も、なんだかそのふみーちゃんに負けない天然っぷりだとかで、特別天然記念物扱いされちゃってるらしい。
ふみーちゃんもすっごく可愛いんだ。
写真見せてもらったけど♡
え~と、恒星間文明史基礎自立演習Ⅱレポート
タイトル
『ヱキ・羅(ら)_スィントゥ・ラドイアンディ 791 故韻文(こいんもん)』における古代文明紛争様態の時系列視点における知的有機体の発展的可能性についての考察】
から読み取れる…ん~と、この後何にしようか?
『古代紛争時の歴史的可能性についての考察』が妥当かなぁ…
資料概観、目的
『入手した資料を分析解釈することによってその様相を概観。資料の現代標準語訳全文を記した後、考察』
…ま、これしかないやね。
訳、難しい…分析センターの順番待ちが大変、全部解析させるのに間に合うかしら。
時間足りなかったら、言い訳通用するかなぁ。
考察
これはもう、う~ん、え~と…
どぅりりりりん… あ!りゃすみん先生のメールだ!
あたしの着信音、弦楽器の上昇階音なの。
え~と、どれどれ…
✔ またまた 4 人
学生向けのめちゃくちゃ広い学食の、みりゅうすがいたちょうど反対側でたむろする4人。
メシを食ってるようだ。
今日も、ろくに顔も洗わず脂ぎった髪の毛で、オタクオーラ全開で元気な盗撮小僧4人グループ。
ロジャオ・エンドラ人が2名、デブだ。
名前はラカワとクッチ。
ミリギューム人が1名。
名前はカモー。
リーダー格っぽい恰幅のよさ。
そして最後の1名が『ツォーフォア・レンミングォ行政体統治聖連邦』からの交換留学生。
随分昔に移民したミリギューム人を祖先にもつらしい。
名前はツジー。
彼だけはちゃんと顔も洗って髪も脂ぎっていない。
お手入れは完璧な、前髪が垂れているそこそこなイケメンだ。
まぁ、趣味を同じくする同好の士というやつだろう。
いかにも見た目浮いてる感じはするが、雰囲気的には完全にとけ込んでいる。
アイドルポスターを丸めていれた紙袋、その他いろいろオタクのエネルギー発現に貢献すると思われる各種高性能デバイスを入れたリュック。
もちろん、大学内でいる時は『我らが姫_みりゅうす』を追う事を悲願としているが、当然彼らの世界観を構成しているのはみりゅうす一人だけではない。
マスコミで有名なアイドルグループも複数彼らがロックオンしている標的だ。
その仔細は、話しだしたらキリが無いので別の機会に譲る…
が、『PGQGL-48(ぴぐる、ふぉーてぃえいと)』の事だけは語っておかねばなるまい。
『PGQGL-48(ぴぐる、ふぉーてぃえいと)』
正式名称
『Pan Galaxy Qutie Girls Legion-48』_汎銀河美少女軍団
各文明圏出身の、歌って踊れて握手が出来る等身大の美少女を集めに集めまくったアイドルユニット。
1部リーグ、2部リーグ、3部リーグとピラミッド状に多数のメンバーを擁し、彼女らを追いかけるファングループは数知れない。
もちろんこの4人も『PGQGL-48』の独立追跡戦隊を結成しているのはいうまでもない。
大学の中では『PGQGL-48』は『我らが姫_みりゅうす』より上位に来る事は決してなかった。
彼ら4人の存在証明は、まさに『我らが姫_みりゅうす』を追いかける事にあったからだ。
交換留学生だけは、やけに真面目に他星系のアイドルグループ等を、政治関連の話とからめて話す事も多く、少し浮いていたのは事実。
「ゲックラスのサーバー、しばらく止まってるよな。」
「サーバーが動かないと、あいつのカメラナノマシンも動かねぇし…」
「どうしたんだろ、よっぽど絞られたんかな。」
「でも、あれオヤジ政府高官だろ。」
「俺たちとは生まれが違うもんな」
「まぁな、」
「今日の装備はどうなんだい?」
「この無人機さ。」
大きさは 10cm ほどの円盤型だ。
いや、カバーをつければ円盤型になる、という意味で、4本の腕木には3 cm ほどにまとめられたおもちゃ用の慣性重力制御モーターがつけられている。
腕木とモーターの連結部は推力ベクトルピッチを制御するコントロールギア。中央部には航法制御の送受信機。
そしてその直下には撮影機材用のフックが(なんとガムテープで)固定してある。
「解像度、どうなんだ?」
この円盤機に装着するカメラを取り出した。
「集光率は落ちるけど、光学解像度はプロデジイチ並みだ。補完すればかなりいける。」
マジですかそれは!
軍用の偵察歩兵用の装備だろ、それって…
「今日の姫のダイエットメニューは掴んでるか?」
「水泳だ。」
「おぉおおおおおお、」
密やかな歓声があがった。
「でも、いつどこでやるか全くわからねぇ…」
「あぁ、どうすんだよ…」
「まかせろ、こいつに追跡させる」
「いけるのか?」
「賭けだけどな、姫は今あそこにいるし、ほら!」
「!」
「!」
「!」
✔ 暗在系
『おすすめ定食』、ごちそうさまでした!
「あ、みりゅうすさん!」
「あ、ど~もぉ!」
目の前、え~と、あたしの彼氏、にしちゃってる人!
「お昼ごはん?」
「うん、腹へったぁ」
「あたしのこと、みりゅうす、でいいわよ。」
「え"~、いいんすか?」
「うん、でもあたしの名前って、なんとなく発音しにくくない?」
「そんな事ないよ、みりゅちゃん!」
「あ、“みりゅちゃん”、って可愛いかも♡」
あたしは、ちょっと気になってた事を尋ねた。
「ねぇ、暗在系(あんざいけい)って知ってる?」
「あぁ、『時空の畳み込み臨海面が発生する極小座標系の世界』のことだろ。」
「ふ~ん」
彼氏の目が一瞬光った。
「オレの工学部のダチでさ、」
「うん、」
「暗在系の座標上で動くセンサーの研究やってて、それ応用して小型の航時機作ったやつがいる。」
「うわ、すごい。航時機ってさ、あれ航宙船舶とは違うのよね?」
「まぁ、無人機だけどな、」
「じゃ、小さいのかな。」
「でもオレのハマーと同じくらいの寸法はあるよ。」
「へぇ」
「量子相対次元座標系で、かなりの跳躍には成功したらしい。」
「なに?『りょうしそうたいじげんざひょう』、って?」
「航時機ってのはさ、3次元空間を移動するもんじゃないからな、それ相応の超時間運動系にそって動くわけでさ、その専門的な言い方だよ。見る?」
彼は、携帯に入っているそれの写真を見せてくれました。
「うん!わ、すごおい!」
なんか、トゲトゲがいっぱい生えた果物みたい。
ぼーっと光ってるし。
「でもどうしたの、史学部のきみがすごく門外漢な質問をねぇ…」
_とりあえず、暗在系(あんざいけい)については、あたし、りゃすみん講師が説明しておこうか。
この宇宙は、無限に広がる多次元構造だけど、あたしらの船が、超遠距離の跳躍航法を行ったり、物質構造材の畳み込みや、エネルギーの超物理的制御を行えるのは、量子レベルでの復素多重計算によって、あたしら日常生活の考えでは到底見る事の出来ない極微な世界の可能性を計算し固定化してるから。
量子レベルでの視点、っていうのは、ちょっととっつきにくいけどね。
たとえば、そこには時間が過去から未来へ流れてる、っているのではないの。そして時間と空間は常に一体なのね。
だから、量子電脳が行う距離や時間とエネルギー、そして物質との関連を計算する作業は、まさに宇宙を構成する屋台骨を作り出す作業ともいえる訳。
で、その我々の眼には見えない銀河の屋台骨が存在する場所を暗在系と呼ぶの。
みりゅうすの事はそんなもんじゃない、って?
そりゃそうよ。
でもあたしら若いお姉さんのおしゃべりでも、説明には順番ってもんがあるから、まぁ待ちなさいって…
「後記のレポート課題みてたらさ、なんか凄く関連性ある事なんじゃないか、って、なんとなく思ってさ。」
「なんとなくかぁ…う~ん、俺は全然わかりません。」
「わからないよねぇ…」
小姓が、ついー、っと音もなく近づいてきて、声をかける。
ヘメルセシア人(植物系知的有機体)の教育学部の学生が、あたしらが並んで座っているテーブルのすぐ目の前で、ハンドデバイスで何かを入力しながら、食事をしていた。
彼が首(体型上便宜的に“ 首 ”と呼ぶが、理由は二足歩行体の体型に似ているというだけである)からかけているネームタグの色を見ると教育学部の学生のようだ。
彼らのデバイスも凄いデザインである。
一見ただの葉っぱにしか見えない。
にじんだように発光するので癒し系の何かのオブジェだと見るとわかりやすい。
彼らの口は、頭の花の部分の縁にある溝。
そこに食物を置くと、消化液が出てきて消化する。
体型自体に個体差もあるので、一概に『ここが口だ』といえない面白い特性もある。
この大学惑星にある食虫植物の捕食形態に近い、って言ってあげると、結構喜ぶらしい。
食物という概念が肥料に近い。
だから、動物系知的有機体のような好き嫌いでものを食う、という事が基本的に存在しない。
彼らの言語は、低周波の振動とある種の化学物質の発散及び特別なボディサインの組み合わせからなる。
全領域翻訳モジュールを学生全員が携帯している。
くだんの学生は、体型の調整を行っていないタイプの学生のようだ。
彼の足は多関節、多肢(4 本)のまま。
みりゅうすの親友の《はー》くんは、体型の調整を行って、頭、腕 2 本、胴体、足 2 本にしてある。
彼ら専用の理容師がいる。
やってる事は庭木の剪定師と変わりないかもしれない…
✔ 『ヘメルセシアン・リー・リンワイ中枢霊株』
HEMERU・SE・SHIA・N=RIE・rinwai Center spiritualROOTS
読み_ヘメルセシアン・リー・リンワイちゅうすうれいし
☆民族構成:定義未確定
へメルセシアン・リー・リンワイ中枢霊株(連邦共同体に相当)
居住恒星系:3
元首:?
人口:?…“個体”という概念が薄いため計測不能
政体:?直接民主制に近いとも言われているが推測の域を出ない。統治圏内での民族紛争に相当するものも存在する。
構成種族数:1/植物系生命体。
『代表種族』以下『従属種族』等のカテゴリーが存在する。
監察官評議会に議席あり。
【 国旗(図案化した形態では存在せず、ある種の香りが中枢霊株=連邦共同体を標章している) 】
…彼らは『植物系知的有機体』!
だから、あたしら動物系知的有機体と最も異なるのは『個体』の定義。
種でも増えるし、挿し木や株分けしても増える。
ただし、挿し木や株分けをしたそれらを『個体』として承認するかどうか、っていう儀式が必要なんだって。
また、彼らの食事は、動物系知的有機体と違って、“肥料”の概念だから、味覚や栄養吸収過程なんかもあたし達とは全く違う。
でも結構おしゃべり好きな方が多いのね。
音声波を会話に使わないから、彼らのコミュニケーション解析学っていう専門分野もある。
留学生数は約 2280 万人。
彼氏は、
「今日もダイエットメニュー、やるんだろ?」
「うん、泳ぐよ」
「がんばれ、オレもつきあおうか?」
「ダメ、もう少し落としてから。」
「ふ~ん、今日もチューブ水着使うの?」
「うん。」
「みりゅちゃんを狙ってるストーカーがいる、って噂がある、気をつけな!」
「ありがと。」
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