★せっしょん018 あたしの名前はりゃすみん・サファイア・Shie(しー)

がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん

あたしが見届けた時空連続体のさざなみ


Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session

The ripples of the space-time continuum that I saw



★せっしょん018 あたしの名前はりゃすみん・サファイア・Shie(しー)

☆session018 My name is Lyasmine-Safire-Shie





✔ と、いう事で、いきなりごめんねぇ!途中でみりゅうすじゃなくなって!





 まず、あたしの自己紹介、職業は惑星監察官。

 あたしらの仕事は、銀河の平和を守る事。


     引いた? 


 ま、いいか、銀河は広いんだもん、おいおいとね。

 あたしの身長は、175cm。

 ちょうど、みりゅうすと同じ!

 黒褐色の肌。

 金色の肉食獣のたてがみのような髪の色。

 あたしらミリギューム人の特徴。

 あたし、りゃすみんは、かけもちでこの大学の臨時講師もやってる。


 空間天文学部と恒星間戦略研究学部。

 内容は現場報告っぽい授業。

 自由聴講も申し込めばできるから今度来てみなよ。

 さっき、問題学生を締めてから、もどってごはん食べてるとこ。

 あたしのメニューは、サラダとバーガー、それにジュースとチキンスティック。

 ジョギングウェアが破れてビリビリになったんじゃ?

 等というくだらない突っ込みは無し。

 惑星監察官の実戦装備で、巡回警視業務という事にして、そのまま帰ってきたし。

 (あんまりおおっぴらにはできないんだけど…コスプレでぇす、という言い訳も通じなくはない)

 後はロッカーで着替えればいいだけよね。

 私服が分子レベルで分解再合成されるなんて都合のいい機能なんか、まんがじゃないんだからそうそう無いわよ。




✔ 超次元多様体生成特異点




 で、まず最初に、一番大事な事を言っておく。

 何故、あたしがここでこんな事を報告してるかって、こと!


 みりゅうすの事を、監察官評議会の『有機体先進開発機構』は、


 【 超視座_超次元多様体生成特異点(ちょうしざ_ちょうじげんたようたいせいせいとくいてん)Ultra Perspective_Ultra-dimensional manifold generation singularity 】


 と呼んでる。 


 もちろん極秘!

 そんな極秘な女の子がいるおかげで、あたしがここにいる理由があるわけ。

 なんで、彼女がそんな訳判んないものなのか?

 …といえば、彼女の精神的エネルギーレベルを示す指標が、普通の知的有機体の1億倍という数字が出ていた。

 初めは何かの間違いか計測機器の故障か、と思われてた。

 しかし、何度やってもその数字が出る。

 そしてそんな気違いじみた数字を維持しながら、彼女は一見全く普通の可愛い女子大生である、ってとこが、まぁこの問題のおおよそのプロフィールな訳。


 昔、彼女は解離性人格障害を発症してた。

 詳しい症状は省く。

 解離性人格障害が、何で【超次元多様体生成特異点】?…なんて突っ込みはやめて!

 頭痛くなるから…

 すべて彼女に関わって発生した事でしかないの。

 幼稚園から小学校の頃の話で、実はこれに関して相当オカルトちっくなニュアンスもあったりする。

 【 超次元多様体生成特異点 】という分析がある理由でもあるんだけど(推測含む)みりゅうす関係者の何人かが行方不明になったり回復不能な人格障害を発症してたり、あげくの果てには原因不明の肉体発火現象で焼死したりしている。


 物理的な原因追求と解析は、すべて“ もしかしたら!? ”どまりで答えは全く出ていない。

 不幸な成り行きになった関係者全てに、この子の意識との間で、時間軸の高次元ベクトル方向で複数のエネルギー干渉があった、という報告がある。

 ここらへんの詳しいレポートはもちろんいつでも見れるんだけれど、あまり突っ込まない方がいい。

 訳わからないし不気味なケースもあったりしたしね。

 今は一切触れないけど。


 その記録から【 超次元多様体生成特異点 】を導きだした『有機体先進開発機構』もたいしたものだとあたしは思う。

 それでも解離性人格障害の症状は10年程の時間をかけて全く出なくなり、あたしは普通の明るい女の子になった彼女を愛している、という訳なのさ。


 あたしら監察官のスーツの有機体走査機能を、本格的なバックアップ支援ネットを元に活用すると、今も彼女の持ってる気違いじみたエネルギーポテンシャルの数値がはっきりわかる。

 それ見てると不思議よ、マジで。

 それと、この数値の副産物がいくつかある。

 (これもよくわからない話なんだけど)彼女のまわりには、幽霊をみた、っていう話も多い。

 『何の?』『誰の?』と聞かれればそれは多種多様。

 盛り上がるのが好きな学生連中だからね。

 ビビってるやつもいれば、中心にいるのがみりゅちゃんだから、勢いで面白がったりしている。

 あと、この子、局所的な力場変換が出来るらしい。

 両手で圧縮をかけると、攻撃型格闘技者の数百万倍のエネルギー圧縮が一瞬で出来てしまう。

 本人は、自覚はあるんだか無いんだか、『きゃー見てみて綺麗だよー♡』で周りと盛り上がってるくらいだから、どうかあたしの不安を察して欲しい。




✔ 彼女は捨て子だった




 あの子、しょっちゅう食べ過ぎては“太った、太った…”と大騒ぎをする。

 あたしも4回ぐらい彼女の騒ぎに付き合った。

 彼女、運動神経まるで無いからね。

 趣味が『学生作家としてのネタ収集も兼ねて食べ歩き』…なもんだから、

 それでしょっちゅう後悔するはめになるの。

 でも、それが、あたしが彼女を愛してやまない理由。

 史学部の学祭クイーンやっちゃう時だって、あたしは給料からかなり支援してる。


 ぶっちゃけ、彼女の事は暴走状態になったら手に追えない危険な存在になるから監視しておけ、という事があたしに課せられた本当の使命。


 実は、このジャンルであたしは実績があったりする。詳しくはまた今度。

 でも、じゃぁどうなの、実際は?…というのが本音。


 …ねぇ、あなたさぁ…

 優しい女の子の純粋な心が、銀河に平和をもたらすんだったら、どうする?

 あたしは上司の命令なんか、うまい具合にあしらいつつ彼女にとことん付き合う方を選ぶわ。


 それからこれもベタなシチュエーションなんだけど、彼女は捨て子だった。

 こんな背景がわかってからは、『保護責任者遺棄罪』で徹底的に両親の存在を追跡したが、今もって全くわからない。

 捨てられていた場所の局所的な時空変動まで調べたが『?』なデータが並ぶばかりで、皆目手がかりは無かった。

 そういう訳で、今向こうを歩いているジョギングを終えてきた健康的な美人女子学生二人のうちの一人をあたしが陰ひなたに心配りしている理由をここに書いておきます。





✔ 『監察官評議会本星』_INSPECTORS headquarter

 読み_かんさつかんひょうぎかいほんせい



 ☆民族構成:流動的多民族国家

 …惑星監察官は、それでだけで一個の恒星間国家。

 全銀河の知的有機体有志の結晶みたいなもの。国家の理想的な様式とも言われてる。


 居住恒星系:1

 元首:監察官中央評議会及び連合知性体奥の院執政議長

 人口:9 億 2300 万

 政体:多重量子電脳ネット補完を基幹ベースとした先進共和制及び多種政体共存共鳴連邦制

 構成種族数:1235(最新データ)

 

 ●支援亡命政権複数


 【 国旗   】

 ☆監察官中央評議会

  ・中央行政局

  ・監察執行会議

  ・“連合知性体奥の院”


 ☆精神思念体構造会議

  ・倫理評議府・司法検察局・汎銀河立法審査院

  ・有機知性体自己実現発展計画委員会


 ☆統合銀河宗教者協力機構

  ・意識尊厳基準系律保護院

  ・節季総会


 ☆深空間探査機構文明史跡解析調査/遠・深航行探査

  ・時間局

  ・過去院

  ・暗在系探査小委員会


 ☆有機体先進開発機構→ あたし、りゃすみんが所属してるのはここ。


 主な任務は…

 人道援助/物資・医療援助/教育インフラ指導/艦隊実動勢力投入による戦争抑止

 チーム個別潜入による工作/要人救助/対テロ防御/難民保護/復興、惑星環境修復/環境資源調査


 ☆戦略執行部門

 ☆核恒星系行政体連邦連絡会議

 ☆虚無大海高速通商連絡機構

 以上関係諸機関の専従スタッフ 6800 万人。

 内訳は、有機知性体直属スタッフおよそ 4670 万。

 支援業務に従事する無機知性体、広域人工実存ネットワーク、監察官の機動支援生命体合計およそ 2200 万。


 そしてね、これがあたしらの仕事のキモになる巨大メカ。


 ☆高速(“反応”という字を入れる時もある)制御体、あるいは高速戦闘(反応)制御体

 標準紀元換算で通常 500 年から 1000 年、長いものでは数千年から数万年もの間育てられてきた無機系の人工実存を核にして非常に高い機動性を発揮できるように設計された船。

 船体構成上、複数(2~6本)の機動作業肢をもつ。

 配備機数

 監察官中央評議会_120 機

 最高倫理会議と統合銀河宗教者協力機構_36 機

 有機体先進開発機構_約 1820 機

 戦略執行部門_約 46000 機





✔ 救いは試練の始まり





 ジョギングを終えてきたあたしら、健康的な美人女子大生二人!


 「あ"~〜びっくりしたねぇ、何あれ?」

 「あのイケメンドロイド、またゲックラスのバカが何かやったのかな?」

 「ぅふふ」

 「ねぇ、あれ!」

 あたし達は、気持ちよい汗をかきつつ、駐機場の脇を通って帰り道についた、が…いきなり脂汗に変わる…

 !

 あれは学食に食材を搬入するトラック? 

 え"、運ちゃん居眠り!? ドライバー不在危険警報!!!!!!!!!!

 ゔぃ~~ゔぃ~~ゔぃ~~


 運ちゃん_何かの病気か!?


 ゔぃ~~ゔぃ~~ゔぃ~~と生理的に嫌な叫び声をあげていた。

 学食の厨房棟に向かう搬入路からずれて、路肩に乗り上げてまだ止まらない!

 途端、駐機場から一機、飛び出してきた。

 あたしら二人の前に搬入トラックの盾になるように!

 どがっ、飛び出してきた一機とトラックがぶつかった!

 止まらない!

 「乗れ!」

 「はい!」

 男子学生の操縦するコミューターは横からトラックに追突されたまま、反対側のドアを開けて叫んだ。ぐきゅきゅゆきゅきゅ・・・・ずんっ

……倉庫の壁にぶつかって気持ち、めり込んだか!?…

 「止まった、な…」

 「助かったぁ、あ、りがとう、ございます。」

 「だいじょぶか?」

 「え、ええ、」


 あ"!

 みりゅうすだ

 みりゅうすだ!みりゅうすだ!

 オレ、みりゅうす助けちゃった、うううううううう…


 男子学生は、たつき・ザイトファングス・ザジ。


 古地球系移民を祖にもつナイコンアロカ人。

 無精髭はあるが腹筋も割れた(今はT シャツ着てるのでわからないけど)いい男だ。

 彼は声に出さずに感涙にむせんでいた。

 あこがれの史学部クイーンのふとももが眩しかった。

 彼は、一瞬だが、もう死んでもいいと思っていた…

 闇ストーカーサイト『今日のみりゅうす』は、今日帰ったら絶対にすぐ止めようと思った!





✔ 『今日のみりゅうす_最新→首がもげた介護制御体の残骸に驚いて尻餅をつく美少女のエロ可愛い画像』





 これを後ろめたそうにモニタリングしてる連中が、大学の各所にいた。

 件の盗撮4人組?

 デブとイケメンの給水台の前方数キロの盗撮ポイントにいる。

 「ぎゃははは、ゲックラスのバカ、りゃすみん先生に絞められてやがる。」

 「あの巨乳の臨時講師のねぇちゃんだろ、時々見るもんな。」

 ストーカーデブのナノマシン盗撮システムは完璧に動作している。

 デブが“巨乳の臨時講師のねぇちゃん”に締めあげられているシーンもご丁寧に中継してくれている。

 なかなか面白いレアな動画が撮れた。

 盗撮4人組は“ デブ、なかなかやるじゃん ”と好みの収穫をもたらした張本人に感謝していた。

 オレらのような野戦派の追っかけを上から目線で見下しているプライド満々なヤツなのだ。

 メリットとなるものを提供してくれて、たまには痛い思いもしてくれた方が、こういったクリエイティブな人間関係(?)もうまくいくというものである。

 彼らは携帯を開いて配信画像と最新情報をチェックし、超望遠盗撮は無理そうな気配を察して、早々と機材の撤収を始めた。


 「あの姉ちゃん、軍の関係者なんじゃ?」


 彼女が衆人環視の前で変身したのを見ていた。

 そういう装備は軍の標準である事を知っている。

 「そうだよ、俺知ってる。」

 学生が持つには不釣り合いな高級装備を持つ『ツォーフォア・レンミングォ行政体統治聖連邦』の留学生は、美少女萌えオタクらしい表情を見せる。

 「オレ以外とファンなんだ。」


 どっちの?








 とりあえず、おしまい


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