第6話 商人みたいです

気が付くと俺が異世界に転移してからすでに3週間が経過していた、この3週間の間俺は川の水を飲み、そこら辺に生えているキノコや木の実を鑑定して食べ、さらにモンスターを見つけてはスキルを強奪して吸収するという生活を繰り返していた。


「そろそろモンスターもいなくなったし、そろそろ街でも探そうかなぁ。…あっ、その前に3週間ぶりにステータスを確認してみよう!」

『ステータス』


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ツバサ    人間?


LV50

HP354000/354000

MP634500/635400


スキル

鑑定 LV10(MAX)

強奪 LV6

吸収 LV15

消化 LV18

水魔法 LV8

火魔法 LV6

風魔法 LV7

無魔術 LV9

威圧 LV6

剛腕 LV7

跳躍 LV7

状態異常耐性 LV3

気配察知 LV9


ユニークスキル

異世界翻訳


称号

異世界を渡りし者

加護を授かりし者

スライムの天敵


加護

剣神の加護

人神の加護

狩神の加護


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火魔法、水魔法、風魔法、消化は色々な種類のスライムから強奪することによって獲得したスキルで、状態異常耐性は、スライムから強奪した麻痺耐性や毒耐性などを組み合わせることによって新しく完成したスキルだ。(強奪のレベルが上がったことにより俺は奪ったスキルの合成などもできるようになっていた。)威圧、剛腕はたまたま餌を食べていたオーガを奇襲して強奪したスキルだ。さらに無魔術はワーディというワープをする鹿から強奪したスキルだ。


「…なんかものすごく強くなった気がするが、っていうか人間?ってなんだよ!俺はちゃんとした人間だぞ!!」


そう一人でツッコミを入れていると、なんだか虚しくなってきたので、俺は近くの街を探すことにした。


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誰か話し相手いないかなぁ、などと緊張感のないことを考えながら歩いていると突然『気配察知』に反応があった

俺はすぐに木の陰に隠れて反応があった方向を窺ってみた。

すると、いかにも盗賊というような出で立ちの男達4人が商人らしき人の馬車を襲っていた


「テンプレキター!!」


俺がそんなこと気の抜けたことを言っているうちに盗賊たちは商人の護衛を倒し商人に迫っていた。そして、盗賊の一人が太刀を振り上げ、商人に向かって振り下ろそうとした瞬間、何かが盗賊の頭に直撃した。

それは俺が投げた石礫だった。


「た、頼む!お、俺を守ってくれ!!守ってくれたらそれ相応の礼をする!」


と、俺に気付いた商人が頭を下げてお願いしてきた。


「じゃあ、助けてやるからこの近くの街まで案内してくれよ」

「もちろんだ!だが、絶対に無茶はするなよ!!」

「大丈夫だ、任せてくれ」


そういって俺は盗賊の方を向いた


「なにが大丈夫なんだ?ガキが一人増えたところで何にも変わんねぇよ」


と、盗賊が笑った。だがお前らはそのガキに負けるんだぜ、そう俺は思ったが、一先ず盗賊の鑑定を行うことにした。


盗賊(幹部)  LV19


HP 1900/1900

MP 700/700


スキル

アイテムボックス

剣術 LV8


一番強いのはLV19の盗賊だった

しかも『アイテムボックス』を持っていた

(まじかよ…絶対にあれだけは欲しい)

そう思った俺は先手必勝とばかりに威圧を発動させた。


「うっ」


と相手が怯んだ隙に幹部に近づき強奪を発動させた


「よっしゃー!アイテムボックス…続いて剣術ゲット!!」


と、俺が浮かれていると盗賊の下っ端が太刀を横に薙ぎ払って攻撃を仕掛けてきた


「おっと、危ない」


体を仰け反らせて攻撃を回避した俺は、そのままバク転の要領で下っ端の顎を蹴り上げた

そして下っ端が落とした太刀を拾って俺は剣術を使用した。


「凄いな、まるで体が勝手に動くみたいだな」


それもそのはず、盗賊の幹部が持っていた剣術スキルLV8は本来は上級者が持っているスキルであるため、それを奪った俺は剣術の経験がないにもかかわらず、上級者と同じように剣術を扱えるようになるのだ。

そうして盗賊を軽く片付けた俺は商人のもとにもどり、約束通り街へ案内してもらうことにした。

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