第45話 ルーフみたいです
光が収まって、そこに立っていたのは、綺麗な黒い長髪の美人なお姉さんだった。
さらに、白く透き通った綺麗な肌、優しそうな目、ツヤッとした唇、そしてスタイル抜群で、恐らくEカップはあるだろう。身長はだいたい165cmくらいだろう。…見るからに大和撫子って感じだな。
…もしかして、これがルーフなのか?もしそうだとしたら、凄い大変身だぞ!
もう、この姿を見て、変身前が神獣なんて誰も気付かないだろうな。
「どうですか?ご主人様??」
俺がそんなことを考えていると、ルーフが話しかけてきた。
ファー!!!口調も変わっていらっしゃる!!
「え?ほ、本当にお前はルーフなのか?」
「はい、なにかおかしいところがありますか?」
「えーと、あるというか…変わりすぎてて、変わっていない所を探すのが精いっぱいだ。」
どうやら本当にルーフのようだ。だが、こんな美人が俺の従魔なんて信じられないぜ。しかも、条件によっては、俺のハーレム要員に加わるかもしれないのだ!!これは嬉しい誤算だ!
「私はご主人様の従魔のルーフですよ?お忘れですか?」
うっ、可愛すぎる!こんな美人に涙目で話しかけられたら俺の精神が持たないぜ!!
もうやめて!俺のライフはもうゼロよ!
このままルーフを押し倒してしまいそうだ…。だが、堪えるんだ!
ルーフがそれを望んでいなかったら、俺はただの強姦魔になってしまう!そしてたら、ルーフに嫌われるだけではなく、さらにアイラたちにも最低人間のレッテルを貼られてしまう!!それだけは回避しなければならない。
…堪えろ、俺の理性よ!!
「…何があったの?」
ハッ!?
いつの間にかアイラたちが近くに来ていた。
「ねぇ、ツバサ?この女の人はいったい誰なの?」
…イズナさんが、なんか怒っていらっしゃる。まぁ、こんな美人さんが俺の目の前に裸になって……は?裸ァ!?
「いや、この女の人は…」
「…ツバサが、ついに他の女を襲うようになった。これは、夜の時間が足りなかったせい…。なら、時間を増やす。」
…アイラさんも結構怒っていらっしゃる……。
「いえ、ご主人様は悪くないのです。すべては私のせいなのです。どうかご主人様をお許しください…。」
ルーフが、一生懸命お願いしていた。…なんか、俺が悪いみたいなことになってるな。確かに、ルーフに変身させた俺が悪いとは思っているけど、タイミングが悪すぎるだろ…。
「…ちょっと俺の話を聞いてくれ。この娘は、ルーフが人型になった姿なんだ。」
「…じゃあ、これはルーフ??」
アイラは首を傾げている。まぁ、そりゃあそうなるよな。あんなでっかい狼が一瞬でこんな女の子になるなんて信じられないもんな。だが、
「そうだ、これがルーフなんだ。」
「で、でも、ルーフはこんな女の子らしい喋り方じゃなかったじゃない!」
イズナは少し興奮気味に言った。
…確かにそうだな。変身前のルーフは礼儀を重んじるような雰囲気だったから、急にこんな敬語を使い始めたら誰でも疑うよな…。
「なんか、変身してから急に口調が変わったんだよ。…なぁ、ルーフからもなんか言ってやってくれよ。」
ちょっと俺の言葉だけじゃダメらしい。…俺が女の子ばかりを見てたから、俺に対する信頼度が下がっちゃったのかな?
「私は、皆さまの主様でおられる『ツバサ様』の従魔のルーフです。確かに見た目はかなり変わりましたが、私がルーフであるという事実に違いはありません。私が今裸なのは、変身前の私が常に服を着ていなかったからです。この格好では少し寒いので、一先ず服を頂けると嬉しいのですが…」
あ、服を着せるのを忘れてた。やっべぇ!!
「なるべく早めにその服を着てくれ。」
服を渡すのを完全忘れていた俺は、急いで服を渡すと、すぐに森の陰に隠れた。
「はい、畏まりました。」
シュル、シュルシュル……うわあああ!!服が肌をこすれる音が聞こえるから妙にムラムラするぞ。これは、頑張って耐えなければいけないな。
そして、50秒ほどでルーフが着替え終わったみたいで、ルーフから声が掛かった。
「ご主人様、着替えが終わったので、こちらに来てもらっても大丈夫ですよ。」
「あ、あぁ、分かった。」
あぁ~、なんか裸を見ちゃったから凄く気まずいな。心なしかルーフの顔も少し赤い気がする。
なんて思いながらルーフの目を見つめていると、
「…なに二人して見つめ合っているのよ!ルーフはともかく、ツバサはダメよ。こんなかわいい子が近くに居たら、ツバサはすぐに興奮して襲い掛かっちゃうでしょ!?」
おいおい!すぐに興奮して襲い掛かっちゃうって、俺はイズナみたいな変態とは違うぞ!?確かに、こんな美人が近くに居たら、興奮しちゃうかもしれないけど、俺は無理やりそういうことをする男じゃないぜ。
そんなことを考えていると、
「あ、あの、私は、ご主人様になら襲ってもらっても…いいですよ?」
ファアアア!?誰だこの子は!?変身前のルーフなら…『我が主よ、我に襲い掛かってくるなら、それ相応の覚悟があるのだろうな?』などと言ってきそうな感じがするが…。
「あーあ、これはもう完全に慕われてるわね。よかったじゃないツバサ、これでアンタの夢に一歩近づいたわね。」
…やっぱり、少し怒ってるな。声に怒りが混じってる。これは後で気まずくなるかも知れないな。だが、俺はイズナの事も大切だから、ここで関係が悪くなるのはいただけないな。
「安心しろイズナ。ルーフが居ても、今日の夜におもいっきりお前の事を可愛がってやるからな。もちろんアイラもな!」
さっきまでの会話のせいでアイラが捨てられた子猫みたいにしょんぼりしていたから、今日の夜におもいっきり可愛がってやるって言ったら、途端に表情が明るくなった。なんて可愛い奴だ!!もう、今日の夜は大ハッスルしちゃうからな!!
「今日の夜は忙しくなりそうだ。」
と、俺が呟くと、アイラが
「…そう言えばツバサ、次の街を探すために、移動するんじゃなかったの??」
ハッ!?忘れてた!
「そうだった、みんな、次の街を探すための移動をするから荷物をまとめてくれ!」
「…ん」
「分かったわ」
「承知いたしました」
なんか、こうやって見ると、俺の周りは美少女揃いなんだな…。素晴らしいぜ!!
そんなことを思いながら、俺は荷物のチェックに取り掛かった。
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