白雪姫
@pochay78
完結済み
あーあー毎日つまんない。
高校生の河南(かなん)は思った。こんなことがあればいいのに、素敵な王子様が現れて私を楽しい世界につれって行ってくれるとか。しかし河南は高校は帰宅部、家に帰ってからも地味に携帯をいじっているだけの毎日、彼氏いない歴はもちろん年齢と一緒という生活である。コンビニのデザートでも買おうかなあ。
「がごんっ!!!」
「イタっなに~」河南はびっくりして声を出した。
「あれ、なにこれ!」そこには自販機があった。確かに昨日まではなかったはずである。なんでこんなとこに、、、ジュースでも買おうかな。河南は自販機のメニューを見てみた。そこにはこんなジュースが並んでいた。
白雪姫100円
白雪姫250円
白雪姫500円
白雪姫750円
白雪姫1000円
他にはコーヒーとか炭酸飲料とかが並んでいる。
リンゴの絵が書いておりアップルジュースのような見た目のジュースのようである。
「100円なんだー」どうしよっかな。でも面白そうだけどまずかったらいやだな。
そのとき後ろから
「おい!」という声が聞こえた。おじさんが後ろで待っている。「買うのか、買わないのか?」とめんどくさそうに聞かれた。おもわず「買います。」といい100円の白雪姫を買ってしまった。
プルトップをあけごくごくとジュースを飲み干す。ジュースの味はおいしかった。その缶をすてようとするとふと気づいた。缶に白雪姫ナンバー1、血のように赤く窓枠のサンのように黒く、雪のように白くなると書いてある。なにこれ、美容ドリンクだったのかなと思いながら缶を近くのごみばこに捨てた。
家に帰っていつものように携帯をいじり、晩御飯を食べる。それからテレビを見て、風呂に入って寝る。毎日のことだ。その時ふと思った。おとなになってもこんな毎日なんだろうか?もっとわくわくするようなことはないのだろうか。私に王子様は来ないの?
「もう寝よ」風呂にはいってふと鏡をみると、びっくりした美少女が映っている。よくみてみると昨日までの自分の顔なのだが、色が白くなり、髪が黒くつややかで唇はサクランボのようだ。そういえば、今日のジュースに血のように赤く窓枠のサンのように黒く、雪のようにしろくなるって書いてあったな。でも関係あるのかな。
次の日学校にいくと、友達のみゆきが「今日化粧でもしてるの?」なんか雰囲気違うというようなことを言い誉めてくれたのだ。帰りにまた昨日のジュースが売っている自動販売機につきあたった。今日も白雪姫が売っているが100円のジュースは売り切れになっている。250円からのジュースか、または他の白雪姫以外のジュースにしようか。まよったのだが普通のカフェオレが130円で売っていたので。それにした。
家に帰ってもいつもと同じ、携帯見て、ご飯食べて、テレビ見て、風呂に入るだけ。そんな毎日。次の日また河南は自動販売機の前を通った。今日はまた白雪姫買ってみようかな。自販機のメニューを見てなんとなく250円の白雪姫を買った。そこには白雪姫ナンバー2場の主役になれるというメッセージが書かれていた。私みたいな子が主役になれるなんてそんなのすごいけどありえないよ。と思いながらジュースを飲んだ「う」「うまい!」おもわずさけんでしまった。前の100円より各段にうまくなっている。すりおろしたリンゴがはいって風味がとてもよいのだ。美味しかった。もう一本買おうかなと思うと250円のジュースがうりきれになっていた。そのまま帰って携帯を見て、ご飯を食べていると。河南の学校から電話がかかってきた。人権習慣の作文が全国で2位にえらばれたというのである。父や母も喜んでくれその日は家族でいつもあまりしない団欒をしとても楽しい時間を過ごせたのである。今日はいいことがあったな。もう寝よう。次の日学校にいくと河南はなにかにとりつかれたように「おはよう!みんな次の日曜日なんだけど家にあそびに来ない?パーティーをするのよ」大きな声で叫んでいた。そのあとも面白い話が口をついてでてき河南はクラスの人気者のようになっていった。
その日もまた河南はいつもの自動販売機に帰りに寄った。今日は500円のものを買おうか。と思って見ていると500円のジュースが売り切れになっていた。しかたなく750円のものを買って飲んでみた。そうすると河南の口のなかに面白い現象が起こった。息がいいにおいがするのである。またあまずっぱいあじが口の中に長い間残りかなり満足いく飲み口だった。そのジュースの裏にはしらゆき姫ナンバー3りんごを食べ死にいたるというメッセージが残されていたのだが河南は気がつかなかった。
次の日曜日、クラスのみんなが河南の家にやってきた。河南はちらし寿司、ハンバーグ、カレー、ピザ、をつくりみんなに振る舞っていた。みんなはおみやげにケーキとジュースを持ってきてくれていた。
みんなあの先生の授業は面白いが先生の頭が薄いとか、美人の先生のブラジャーの線が気になるとか、それから誰と誰がつき合っているとかどうでもいい話で盛り上がっていた。
みんながジュースの一気飲み大会を始めた。いつもはみんなの陰に隠れている河南も今日は挑戦してみることにした。河南が飲むのはリンゴジュースだった。一口ゴクンっゴトっ。河南が倒れた。
河南は息絶えてしまった。
ページを閉じようとしたあなた。ちょっと待ってください、続きがあります。
河南は倒れ呼吸してない。そこで、クラス委員の太田君が人口呼吸をした。河南の意識は戻った。
「みんなどうしたの?」河南がきょとんとして言った。クラスのみんなはヒューヒュー言っている。「みんなうるさい!」太田くんの声がひびいたのだった。
河南の捨てた缶はまだゴミ箱に入っていた。その缶には、おためし20パーセント増量と書かれていたのだった。
白雪姫 @pochay78
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます