第4話 変化してはいけないところ
今日は金曜日 今日を含めあと5日。
沙耶が一週間後に消えてなくなるのが。
本当に消えてしまうのか、と思うぐらい沙耶は
いつも通りにみんなと、私と接していた。
それと、いつもの笑顔で。
恐ろしいくらいにいつも通りすぎる。
ほんとに消えてしまうのか、疑問が沸いてくる。
本当は嘘なんじゃないか、沙耶の意地悪じゃないのか、なんて。
「えー、今回は2人1組で組を作って授業の課題をしてくださーい。」
生物の授業だ。
この時間はなにかと作業が多くペアを作ることも多い。
私は当たり前のように沙耶と作業を始める。
「あ、あー…じゃあ1人でやってくれるかな?ごめんね、大変だろうけど」
「あ、はい…」
ーーあーあ、1人で作業か、大変そうだなぁ。
あの子、大人しいしー…
なんてことを思いながら、沙耶と作業をする。
「ねぇ、花菜」
「ん?」
「明日、遊ばない?」
沙耶からの遊びの誘いは久々だ。
「え、あ、うん!いいよ!空いてるし」
「よかった!じゃあ明日11時にー…」
「こら!授業に関係ない話はやめなさい!」
「はーい」
沙耶と目を見合い返事をした。
ーー家に帰り、お風呂に入りのんびりしてると沙耶からメッセージがきた。
「明日11時に前よく待ち合わせした公園で!」
「了解!」
前よく待ち合わせした公園…
広いとも狭いとも言えない、でも遊具が豊富で緑も多い、あの辺のママ達が溜まり場にしている所だ。
1年の時、沙耶と初めて遊ぶ時に待ち合わせした場所。
それ以来よく待ち合わせにあの公園使ってたなー…
それにしても沙耶から誘うなんて珍しいー…
もしかして最後だから?
背筋がびくっとなった。
「最後」
本当に最後かもしれない。
ーー決めた、明日は精一杯楽しもう。
そう心に決めて眠りについた。
ずっといっしょ。 浩原 @ujl
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