第8話 「11月28日」


こんな夢を見た。


巨大な学校。僕は何者かに、その学校のパソコンのデータ消去を依頼される。

見覚えのある五人の女性事務員、たくさんの社員になぜか学生もいる。ここは何処なんだ?と思えば、隣接されている大きなキャンプ場に女性事務員の一人と抜け出す。公園の中にある古い電車の中にでかいツラしてタバコをすいながら電話している学生服の男がいる。僕はこいつをどうにかしようと悩んでいると、そこに僕と事務員を呼びにくるもう一人の女性事務員。「僕たちがここにいるということが、よくわかったね?」と聞くがニコリと笑うだけだ。


僕はしぶしぶ学校に戻ってデータ消去に取りかかる準備をする。


古くて焼けたようなパソコン。モニタはもちろんブラウン管である。本体にもモニタにもタバコのヤニのような汚れが付着していて汚い。


「ところで何日か泊り込みでデータ消去を行うのだけれど、僕の寝床はどこだ?」と言うと、「君の寝床は死体の血抜き場だよ」と言うので、「それじゃモルグじゃないか?」と言うと、「モルグモグルモルグ」と囃し立てられる。僕も「モルグモグル」と繰り返しながら楽しそうにその部屋に向かうのだった。


血抜き場に到着。西部劇のような左右への開き戸を開けると、公衆便所のような冷たいコンクリートの部屋で、中にはバケツや便所のスリッパ などが見えている。明らかに何らかの霊がいるし、こんなところでは寝られないと思うと、僕は、「ぎゃあああああ!」と大きな叫び声をあげながら部屋を出る。部屋の外では皆が笑っていて、その中の一人が「社長に会え」と言うので社長室に行くと小さな恐竜の人形があり、人形に話しかけると、少し動いて僕をにらみつける。齧られそうなので女性事務員のところに人形を持って行く。再び人形を見れば、人形は人間のように口を開き僕に次の指令を与えるのだった。

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