第4話 「渚のシーフードレストラン」



こんな夢を見た。


僕は懐かしい昭和の街にいるんだ。


僕たちは数台の車に分乗して目的地に向かっている。

僕のほかに母と妹とかみさんがいる。

ほかの車には死んだ親父らしいのも乗っていたようだった。


ある海沿いの街(懐かしい、いわき!)にある魚介専門食堂に車を入れた。

今ならシーフードレストランっていうのかね?


でも、そこはプリンの店だったんだよ。


車からゾロゾロと大勢が出てきてレストランのホール?に入る。


で、あるテーブルに母、妹、かみさんと座るんだ。


すると僕とかみさんは。どういうわけか自宅に戻ってるんだよね。


ボクとかみさんはどこかに出かけるようで、そわそわと着替えてるんだ。

かみさんはゴミ袋のように黒くて前にチャックがついてる変な服

を着て出かけようとするから「着替えなさい!」と言って着替えさせるんだ。


かみさんは「だって、これかっこいいんだもん」と言って、ふてくされるが着替えるんだ。

新婚当時、社員旅行で香港に行った時に着ていったスーツに着替えたね。

僕は、なぜかタンスの中にいて、携帯電話が鳴った気がして探すんだね。

タンスの中のスーツの中からいつも着ているやつのポケットをまさぐるんだけど、なかなか出てこない。

ポケットの中にはかみさんがなくしたWiiのリモコン2個まで入ってる。入るかね?驚きだね。

さらにまさぐると小型のかっこいい携帯が入ってるんだ。

着信ランプが点滅しているので、かけてみると会社の同僚Gだったよ。

そういえば昨日、本当に電話があったんだよ。


電話に出るやいなや「あ、わたなべさん、次の中から選んで」

と、いくつか口頭で例をあげるので、めんどくさいけど二番目を選ぶと、


「あ、そうか。こうだったのか」とGが電話の向こうで騒いでいるんだ。


気がつくと僕は、ホールにはお客が大勢いてさ、電話が迷惑のような顔をしてる。

そうだよね、マナー違反だよね。Gの電話いきなり切って、ホールから出ようとするんだ。

ホールは有明国際展示場の中にある食堂のような感じだよ。


席に戻ると(いつの間にか着席していたんだね)そこには座ってたはずの母も妹もいないんだ。

僕の荷物だけ残ってる。慌てて荷物を持って外に出ようとすると入り口付近に母と妹が二人席に座って僕を呼び止めるんだよ。


「ごめん、ここしか席がなかった」と妹。見れば2人席じゃないか?母と妹しか座れないよ。

よく見ると、その隣の2人席が空いているので荷物を置いて、注文するんだ。


メニューを見ればプリンばかり。シーフードレストランじゃなくてプリン専門店だったんだね。

メニューには、たくさん奇妙なプリンの写真が載っている。

僕は、その中から餡蜜だかみつ豆だかプリンが中心に入ったアラモードのようなやつを選ぶ。


外の空気が吸いたくなって外に出ると街の中にビアホールがある。


僕はなぜか街の写真を撮ってるんだよね。


ビアホールのビールが出てくる蛇口が通りに出ているのを「いいね!」と言いながら接写していると、

知ってるような知らないような、おじさんがニコニコしながら話しかけてくる。


親戚かもしれないけど、だれだかわからない。


おじさんは黒い制服に白いシャツ姿で、店員は上着のないチョッキ姿でよくあるビアホールの制服。


ビアホールの中に入ると、そこは広い三階だての建物で二階と三階がビアホールになっているようだ。


ビアホールというか厨房にカウンターがくっついていて、日本の飲み屋のような感じ。

僕はランチを食べている。この時にはいつの間にか母も妹もかみさんもいないんだよ。


店内を見学すると三階は日本の飲み屋のような感じのフロアなんだ。


興味があっておじさんに恐々「一日の売り上げは?」と聞くと、「百万だよ」と言う。

「普通の店なら・・・」と言うと「十万くらいだろうな」と店員が答える。


一緒にホールに入った(プリンレストランに一緒に入ったおっさんたちだと思う)面白いおじさんがランチサンプルを持って笑っている。大きな半身の伊勢海老と三種の旨そうな料理をベタベタと触っている。


「こっちがよかったなぁ」と言いながら触った自分の手を舐めるんだ。


僕も指で触ったのでちょいと舐めると、これが美味いんだ。


残念ながらそこで夢が覚めちゃうんだ。

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