■Hope 008
事情を理解したネイサンだったが、やはり気になるのは
守護妖精ラナは、どうして自分に助けを求めてきたのか?であった。
ラナはヒーローを探していたら私がヒットしたといったが、どういう方法で私を見つけ出したのだろうか?
もしGPSなどで近辺の人物を検索できるとするなら、僕よりも近くに、もっと早く助けられる人を見つることも可能なはず。
いや、近くの警備員だっていたんじゃないだろうか?
それでも僕を選んだ理由。
それは僕ならば理由など聞かずにすぐに駆けつけることを知っているという事。
つまり、彼女は僕を知っていることになる。
二人の間に少し間があいていた。
ラナがきりだした。
「・・そう。
あなたが、私の緊急要請に対してすぐに駆けつけてくれたのは、外部緊急用の特殊コードと、変成コードがあっていただけじゃない。
そもそも外部緊急コードは職務中の職員にワンタイム・ワンタイム割り当てられていくもので、職務を終了したあなたには割り当てられていないもの。にもかかわらず起動したアプリはコードの整合性を認証し、かけてきた相手の信用保証を承認した。これは通常ではありえない、つまり上流階層のコンタクトを意味する。
そして相手はクライアントでもなければ社内関係でもない、守護妖精というシステムであり、ラナというリトルAI。
次の瞬間、反射的に私の全てを信用し、何も聞くことなく全ての指示に全力で対応してくれた。
それはなぜか?
そう、それはあなたが守護妖精というシステムがどんなものかをよく知っているから。
私たちがどんなスキルを持ち合わせているか十分わかっているからでしょう。
つまりあなたにも守護妖精はいる
そうですよね。ネイサン」
・ネイサン(Nathan Taylor)
「!・・・」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「ASG製マスターシリーズの“「光の妖精 Light Fairy」” スマートフォン(モバイル機器)タイプの上流階層使用。
現在そのタイプの存在を誰も知らない。それをあなたはある事情から得た守護妖精・・・
レイ(Rey)
彼があなたの守護妖精ね」
・ネイサン(Nathan Taylor)
「なぜ?」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「フフッ
たぶん、誰もがあの膨大な契約書と説明書の中から、光の妖精 Light Fairy」同士がある規則の中でつながっているということを推測することはかなり言語学習を積まなければ見つけ出せないでしょうけど、実は私たち守護妖精はパブリックな情報を中心に共有しているの。
今は、あなたは家にいるときだけしかレイ(Rey)と共にいないようだけど、彼はあなたに守護妖精の事や、そのシステムの様々な枝葉について話をしているはず。
だから私からの緊急要請の各コードが正規ならば何も疑うことなくアクションを起こしてくれると信じていました。
また、あなたが正義感が強いって情報も一般共有情報として教えてもらっっていましたから。
そして、それらからはじき出した結果、あなたは99%の確率で、ルイ(Louis Durand)は89%の確率で、メアリー(Mary Miller)を助けられると計算されたから、あなたを呼んだのです。
そう、貴方しかいなかったのです」
・ネイサン(Nathan Taylor)
「そうか、やっと理解できたよ。
君はレイ(Rey)を知っていたんだね。
そして、守護妖精システムの奥深さと
君が最高の守護妖精だということもよくわかったよ」
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