■Hope 003
あらかた編集が済んだが、もうひとかけらスパイスが欲しいと考えたメアリーはラナにたずねた。
「私は部長とクライアントの企画交渉の場に居なかったから、クライアントがどんな人かわからないんだけど、ラナ(Lana)はわかったりするの?」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「当日のクライアントの状態や部長との話の流れはわからないけど、公開されているクライアントのデータなら全てわかるわ。モニターに回すわね」
・メアリー(Mary Miller)
「わーCoolねー。体格ががっちりしてるし、かなりのジェントルマンね」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「彼は、学生時代NCAA(全米大学体育協会)バスケットトーナメントにレギュラーとして活躍しているわ。すごいわねー。
そのころのTV動画がそれよ。そして・・・・」
ラナが集めてきてくれたいろいろな情報スパイスをパパッと辺りにちらして完成。
「終わったー」
「あとは家に帰って、もう一度目を通して完成かな」
片付けながら
プリンターから出てくる企画書が重なり増えていくのを見ていると
ラナに聞きたかったことがどんどん膨らんできた。
・メアリー(Mary Miller)
「ラナ、ちょっと聞いてもいい?」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「ダメ。どんどん遅くなっちゃう」
「帰ってからにして」
・メアリー(Mary Miller)
「うん、今聞きたい」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「私の話を聞いてる~?」
・メアリー(Mary Miller)
「・・・・」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「なに?30秒以内で質問して。30秒以内でしか回答しません。それ以上は帰ってから。OK?」
・メアリー(Mary Miller)
「わーい。ありがとう」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「3秒経過・・・」
・メアリー(Mary Miller)
「え~。え~っと、ラナはネットにあることなら全て把握してるの?
その~少し前は情報を探すことが大変だったけど、今は必要な情報を探すのが大変でしょ。
今、自分にとって本当に必要な情報をすぐに探しだす、パーソナル検索エンジンもいろいろ出たけど、どうも偏っていて、
頭の中のイメージと違う形になっていくことが多くて、ほら、企画って感性が重要でしょ・・・」
・守護妖精 ラナ(Lana)
「はい、オーバー」
「全てを把握するってことだけど、ある意味ちょっと難しいわね。
表にあるだけでもすでに天文学的データ量がネット上はもちろん、サーバー、クラウドなどにあふれかえり、今この一瞬においても各種リアルタイムデータが個人、機関問わず、随時、写真であれ音であれ動画であれ、なんでもビックデータの名のもとに集められている。
それらは生のデータだけでも膨大なのに、加工や編集などされたデータなどもアプリや、ソフトごとに生産され、用途別の集積データにもなっていく。まるで星の数以上の、それもループするゲームを追いかけているような・・」
「はい、続きはまたの機会に」
「帰るわよ」
「さすが時間ぴったりこん」
「はーい、今日はここまでー」
「あーあ、9時半よ。フェスティバルも終わったわ。早く帰りましょ」
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