AM6:50

孤独な少年に突如現れるた希望の女神!!!女神は彼の孤独を打ち破れるのか!!!次回こうご期待!!!!

僕が作家だったらこんな次回予告をしてしまいそうな昨日だったね。おっとまたまた遅れてすまない。強がりの父、笑福亭五郎丸です。ほんと昨日のことは驚かされたな~おちんちんがねじれるんじゃないかってくらい驚いちゃったよ。ほんとね父としてはこのまま息子がズイズイ幸せに向かってくれると嬉しい極みなんだけどね。ただあの阿部まお子さん?どっかで見たことあるようなないような。ま、この際強がりが幸せならまあいいか~。おっと強がりが起きたので、今日はこのへんで!バイなら~。


AM6:50久しぶりに朝の訪れに感謝しました。昨日のことは夢ではなかったのかと半信半疑な今朝です。しかしなぜでしょう昨日よりも体が軽く感じます。あんなに嫌いな学校に早く行きたくて仕方がありません。置き手紙への挨拶も忘れテーブルの上の2000円をかっさらい早速学校へ向かいました。電車の中はいつも通りの満員電車。そんな現実を目の当たりにするとなんだか昨日のことが夢のように思えます。よくよく考えると僕は彼女のことを1つも知りません。なんだかとても不安になってきました。1人思考をめぐらしていると、友人Aが話しかけてきました。今朝は友人Bもいっしょです。

「おはよー強がりー昨日のバイトの愚痴聞いてくれよ~」

強がりくんはそんなことよりも昨日のことを話したかったのですが、気持ちよさそうにバイト先の先輩の愚痴を話してるAをみてやめておくことにしました。

学校につき下駄箱を開けるとまたまた1通の手紙が。ついついニヤけてしまいました。またまた手紙をカバンに押し込み教室へ向かいました。ホームルーム中ひっそりと手紙を開くとそこには、

「昨日の急にごめんね。私も緊張してて訳分からないこと言っちゃったね。これ私のL〇NEのIDです。良かったら連絡して。まお子」

うっひょ~~~!!!!まお子ちゃんのIDゲットでテンションドマックスの強がりくんです。もう強がりくん、受験なんてそっちのけでまお子ちゃんのことばかり考えていました。帰ったら何を聞こうか何を話そうかそれだけで頭の中が今朝の通勤ラッシュの電車並にパンパンになってしまいます。気がつくと学校終了のチャイムがなりました。強がりくんは急いで帰り支度をしていると、昨日の色白美女さんが現れました。まお子ちゃんです。まお子は僕に小声で、

「今日いっしょに帰りたい。だめ?」

不安そうにのぞき込む彼女に言葉にできない可愛さを感じた強がりくんはわれを忘れてその顔に見入ってしまいました。おととっ!慌てて我にかえる強がりくん!

「いやいや!そんなだめなわけないじゃんよ!!!!帰ろう!」

緊張のあまり無駄にビブラートがかかってしまいました。しかしまお子ちゃんはそんな頼りないお返事でも心から嬉しそうに笑いうなずきました。なんだか強がりくんはこれだけでまお子ちゃんのことを好きになってしまったようです。オレンジに染まる帰り道いつもより綺麗なオレンジに見えました。自分はあの事件以来人が心からの笑顔を見たことがなかったように思えます。いや、自分には心からの笑顔に見えなかったのでしょう。人から拒まれ続けた自分は人を疑い人を妬みいつからか卑屈な人間になってしまっていたのです。そんな自分の猜疑心を少女の笑顔1つで壊されてしまうなんて僕の抱えていた孤独はなんてちっぽけなものだったのだろう。2人のぎこちない会話の中こんなことを思っていました。しかしもう1人ではないんだと小さくうなずきました。左を見れば君がいるそれだけでこんなにも嬉しいものかとしみじみ感じた帰り道です。駅に着きました。まお子ちゃんを乗せた上り列車がゆっくりと発進しました。少し寂しいけども明日も会えると思うと心地がよく軽くスキップをしてしまいました。5分後、反対方面から来た列車に飛び乗りバイト先へ急ぎました。なんだかバイトもろくに集中できません。しかしなんだか気分は明るく人に優しくしたいななんてらしくないことを思う強がりくんでした。するといかにも機械に弱そうな品の良いおばあちゃまがコピー機の前でソワソワしていました。いつもの強がりくんなら声をかけられるまで動くことは無かったでしょう。しかし今日の強がりくんは少々違います。にじみ出る優しさを抑え切れません!強がりくんはおばあちゃまに近づくと、

「何かお困りのことがあったらお手伝いいたしましょうか?」満面の紳士ヅラの強がりくんです。するとおばあちゃまは、

「私が老人だからってバカにしてるんでしょ?これくらい自分でできますわ。」

思わず強がりくんこのおばあちゃまの高くそびえ立ったプライドをへし折ってやりたかったのですが、ここはとどまりました。

「そうですか、失礼いたしました。」

強がりくんはおばあちゃまへの軽いイラつきが収まるとなんだか悲しい気持ちになってしまいました。自分の振るった安い優しさにしだいに腹が立ってきました。そして好きな人がいるということだけで気分が良くなり人に優しくしてしまう自分の安さにも腹が立ちました。少しばかり落ち込む帰り道。黒く染まる街に強がりくんを呼び止める人はいません。手が寂しくてしかたなかったのでポケットに手を突っ込みました。あ、今朝の手紙すっかり忘れていました。急いでまお子ちゃんを連絡先に追加しました。

「ごめん!バイトで連絡するの遅くなっちゃった!寝てたらごめんよ!今日はいっしょに帰ってくれてありがとう楽しかったよ!でもあんまり面白い話できなくてごめんよ!」

強がりくんは送信するまでに軽く10回は読み直しました。これでいいのかなとドキドキしながら送信を押しました。するとものの数秒で返信がきました。はやっ!と思わずいつかの世界陸上でボルトが世界新記録を出した場面を思い出してしまった強がりくんです。まお子ちゃんは、

「全然大丈夫だよ~てか強がりくんあやまりすぎだよ!何も悪いことしてないのに変なの!笑」強がりくんはかわいいし返信に少し嬉しくてニヤケてしまいました。そんなこんなで何回もL〇NEしていると家につきました。誰もいない家に居ても今日は寂しくありません。何回も何回も繰り返すメッセージ。少しずつ知っていくまお子ちゃんのこと。この時間が永遠と続けばいいのになと強がりくんは思いました。まお子ちゃんは明日も一緒に帰ろうと言ってくれました。とても嬉しかった強がりくんです。明日がくることを楽しみに眠りについた強がりくんでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る