第3話



彼が大城に対してなんらかの疑惑の念があるのだとしたら、それはとても正しいと思うし、むしろ悩みや葛藤が存分にあって欲しいと願う。



不信感というか、そういうのではなくて、どうか信じ過ぎないでほしい。


だれかからのの信頼は重い。


無責任だ。


一度、信頼されてしまったのなら、信頼してもらっていると自分が知ってしまったのなら、それを裏切ることはけっしてできないのだから。


裏切るのは人道を反すると、大城は考える。


それに、彼は大城にそこはかとなく結婚を匂わせるのだけれど、純粋にやめてほしい。


大城は多面的に考えて、その重圧には耐えられそうもない。



「彼はわたしに対して、踏み込んでくるかな」


大城が友人にそのように相談したら、「核心が持てるまで踏み込んでは来ないでしょうよー」と言っていた。



そうだ、核心は与えていないし、与えられていない。


わたしと彼の関係は、以前として曖昧な関係のままだ。


どちらも相手の出方をうかがっており、ゆえに膠着状態。


もしかしたらこれくらい不安なのがちょうどいいのかもしれない。


彼の持っている資源や資質、生きてきた軌跡、性格、趣味嗜好、たとえば得意なことや苦手なこと、好きなもの、嫌いなもの、ありのままに提示されてしまうと絆される。



知れば知るほど、情がわく。



共通話題があればたしかにすぐに近づくことが出来るけれど、真逆であったとしても、興味は湧いていく。



自分が受け入れる体勢になってしまえば、相手との違いですら受け入れていくのだろう。



それほど、情は厄介だ。



「これは無い」とすこしでも思ったのなら、早々に手を引いて関係を断ち切ってしまったほうが良い。




彼は言った。



「今まで付き合ってきた女性が、全員職場にいるっていう人がいるんだよ。すごくない?」


「いやいや異常だよ、そりゃあ」


「アンビリバボーですね」



大城は、飲みものを持ったまま固まってしまった。


それはあなたが望むカタチなのだろうか。


だって、それはまるで今のあなたみたいではないか。


風の便りで聞いたことなのだが、彼の元妻は、未だに彼の居住地のそばで暮らしているらしい。


彼は気に入った人間を自分の視野の範囲に置いておきたい傾向にあるらしい。


それはそうだ。常識的に考えれば、近くにいる人間に親密感を覚えるものだ。



ああもう、いったいどこまでセオリーどおりを貫きたい人間なのだろうか。


型にはまった生き方なんてつまらないではないか。



「彼はなぜ、元妻と別れてしまったのか」



それは直接聞いたわけではないし、なかなか聞けるものでもないけれど、何らかの理由があることには変わりない。



大城は、帰宅してから、しばらく一日を振り返り、そして虚しさだけが残る。


たとえば、多くの何かを犠牲にして、代わりに何を勝ち取るというのだろう。


征服欲など必要ない。そもそも満たされない。


たぶん、何かを失うのだ。



闘うように恋をして。ささやく愛の言葉をこぼして。


そんなこんなをしても、好きなだれかがいなくなってしまったら、意味がない。


いなくならない保障なんてない。どこにもない。死なない可能性もない。


いっそ、全人類消えてしまえばいい。


それが出来ないなら、自らの手で破壊してしまいたいという破壊衝動に駆られる。



さて、何を破壊しよう?



たとえば、甘ったれた自分の考え。


たとえば、大切にしていた誰かへの淡い想い。


たとえば、封印していた自分の過去。



期待すれば、己の幻想は他者によって打ち砕かれてしまう。



それならいっそ自分の手で早々に壊してしまったほうが良いのかもしれない。



大城は、愛読しているむかしの漫画家の冊子を取った。


現代のものではなく、いくぶんか古典的な漫画。


現代の漫画よりも古典的な漫画のほうが、現代をより如実に表現しているというか、人間像がすんなりと入ってくる。


現代の漫画はなんだか、画一的というか、類型化されているというか、なんだか大城には響いてこないのだった。


深夜の時間帯は、大城の読書タイムである。


漫画を読書というには語弊があるかもしれないが。


パラパラと月明かりのなか、開いて目に入って来たのは砂漠の場面。


何度も読み返した漫画のため、読み進めずとも、内容は頭に入っている。



落日の砂漠に、見棄てられた若者の悲しみ。



砂漠に埋もれた肉体に迫る、残酷な渇いた砂嵐の危機。


生命存続の危機に遭遇すると、人は果たしてどのような行動に移るのか。


砂漠で遭難した人間の集団の哀れさと醜さが、鮮明に描かれている。



しかし、「生き残りたい」と思う人を批難出来る人は、存在しない。


だれしもが思うことなのだから。


彼のオアシスは、おそらく砂漠のなかにあるだろうと、大城は連想した。



その希少価値も、存在も、その確率でしか存在しない。



結末は、救助に来たヘリコプターが、まるで芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のように潰える。


「風と砂塵のほかは、何も残らない」


砂漠の歴史の書にも、そんなことが記されていた。


「すべての子はただ死ぬためにのみ、この世に生まれる。人はこちらの扉から入って、あちらの扉から出てゆく。人の呼吸の数は運命によって数えられている」


フェルドウスィーの『王書』だっただろうか。


この世に在ることは、切ない。


本を閉じて、目を瞑る。


孤立無援、そんな四字熟語が脳裏を掠めて、大城は、本日の自分の飲酒を後悔する。



酒は飲めば飲んだ分だけ、気分が沈む。



酒を飲んで陽気な気分になれる人間が心底羨ましい。



思考がどんどんと奥深いところへと落ちて行く。



普段はもっと適当なところでその落ちて行く思考を止めておけるはずなのに、別のところの理性が崩壊する。



ねえ、それで確実に所有したことになるの?



ことばがなんになると言うの?



自分のなかの自分が問いかけてくる。



「ほら、考えているようでなにも考えてないんじゃないの?」


「だからいつもなにも手に出来ないんだよ」


「大事なものを守ることすら出来ない」


「それっていろんなものに目移りしているからじゃないの?」


「ほんとうに大事なものって、なに?」



そうしていつの間にか眠りに落ちる。


おやすみなさい。


すると、暗闇がひろがり、音のない音楽のように不協和音の夢のなかへと引きずり込まれた。





恋愛と結婚は、まったく別ものである。



恋愛の延長線上に結婚があるわけではない。



そこを混同してはいけない。



彼はなぜ、そんなに結婚がしたい?



わたしは恋愛がしたい。



大城は、はっきりとそう自分のなかで答えを出した。




そういうものは、どのように伝えれば良いのだろうか。



酸いも甘いも一度経験したのなら、甘い良いところだけを経験したって良いのではないだろうか。



若いときは恋愛を楽しんだほうがいい。


それは両親を見ていて、大城がよく思ったことだった。



「恋愛で、ほんとうにいいの?相手の都合の良いように振り回されるだけかもよ。相手の都合の良いように振り回されても、文句は言えないんだよ」



「良いよ。弄んで捨てられれば、それはそれで本望だと思うよ。おもちゃのようにね」


「またそうやってかっこつけたこといって。本心を隠したってすぐわかるんだから、そんな嘘、言わなきゃいいのに」


彼はお天気屋なところがある。



気分のアップダウンが激しいところがあるが、今のところまだ表面上には出していない。


が、そういう一面があるということだけは感じ取っていた。


周りの人は、そんな彼の行動や生活を見て、彼を不思議だと表現した。


彼のすることや考えていることはよくわからない、と。



大城からしてみれば、彼の思っていることは、手に取るようにわかっている部分がある。



ゆえに、愛おしく思う。



周囲の人は、彼を崇め讃えている。



彼はすごいと。強運も持っている。



しかし、けっして彼のことを抽象的で、この世からかけ離れたものとは、考えることはできない。


むしろ、生きとし生けるもののすべてが保有する願望や、物質的な欲求を持っている。




大城は、人間らしい人が好きだった。


それでいて苦手でもあった。


自分にはないものをたくさん持っている。


大城には、そう思えてならなかった。


判断力があったり、自分の決断や意思を貫き通せる人。




彼には生き急いでいる部分がある。


そう感じずにはいられないところが見受けられる。



それは、大城との年の差も関係しているかもしれない。



彼は、過去に地獄を見て来ている。



それは底辺とも言われる場所。




年齢差があるから、そこはいちばん本人に伝えられないのだけれど、大城は、なによりいちばん、そこを評価している。



それは、彼の強みとできるだろう。



しかしながら彼は、誘惑の鎖を断ち切れない意志の弱さがある。



自ら好んで拘束されているような。



彼を見ていると、そんな宗教画が脳裏に描かれる。



しかしながら、最近大城はこうも思うようになって来た。



「彼は、もしかしたらむずかしく考えることを放棄している人間かもしれない」


「へぇ……わたしにとってはべつによく考えようが考えなかろうが、どちらでも構わないけれど。考えないっていうほうが、シンプルでいいでしょ」


「思考の時間は、行動に比べれば、目に見えて結果に直結しないからね」


「それって、なんだか怠惰に思えるね」



あまりに考えなくて。それとも考え過ぎた結果なのか。



「バカだねえ、本当にバカだ。どうしてそんな道ばかり選ぶの?」



そう言ってしまいたくなるような。



人の弱い心をよく知っている彼は、きっと人のグロテスクな部分に疲れているだろう。



そして、そんな心を癒してくれるなにかを求めている。



「だれかのために何かをやってあげている自分が好きですか?」



それは功績になるから?


実績に結びつくから?


それは名誉になるから?



「男の人ってね、なにかをしてあげてる自分が好きなのよ」


「よく話を聞いていてごらんなさい。元カノになになにをしてあげたとか自慢して来るようなことがあるわ」


彼と大城がはじめて出会ったのは、地方だった。



地方で行われる二次面接という形での顔合わせだった。


彼は、大城の面接官として訪れていた。



面接会場は、先方から指定があり、面接時間はその日の移動機関の都合で変更になる可能性あり、その場で彼ら面接官と合流するとのことだった。



面接会場は、とても大きく立派で、かつ綺麗で高級感があった。


大城は、そのような場所に慣れていなくて、場違いな感じに居たたまれず、ずっとそわそわしていた。



期待に胸が膨らみ、予定の時間前に到着して行われるであろう、面接の会話での受け答えをひたすら反芻していた。


そういうときはすべての時間の流れが遅く感じるもので、必死に時間をやりすごしていた。



事実、予定時刻よりも遅れていることを不安に思い、「何かあればこちらに連絡してください」と言われていた電話番号に連絡するかを悩む。



大城はすべてのことに臆病になってしまっていた。



待ち合わせ場所を間違えているのかもしれないとか、待ち合わせ時刻がそもそも違ったのかもしれないとか。


はたまた彼らに何か不幸が見舞い、こちらに来れなくなってしまったのではないだろうか、とか。


悪い方向にばかり思考が寄っていく。



程なくして、悪天候もあってか少し遅れて来た彼を、ロビーで見つける。



「あ、はじめまして」


「はじめまして」



目と目が合った瞬間に、なにか感じるものがあった。



よくある、恋の瞬間と似ている。


似ているが、ちがう気もする。


電撃のような、なにか、と表現出来る気もするし、もっとちがう、甘美なもののような気もする。


ただ、心地が良かったのはたしかだった。


初対面という感じは、全然しなかった。


大城は、自分の浮き足立った気持ちや感情を抑えるのにとても苦労した。



「だいぶ待ったでしょう。ごめんね」


「はい」


と、素直に返事してしまうくらい、テンパっていた。



のちに、「いえ、全然待ってないですよ」とでも言えば良かったかと後悔する羽目になる。


しかし、待っていないと言えば嘘になるし、中間をとって、なにか曖昧なよい答えを出せばよかった。


咄嗟にそのような答えも出てこまい。




彼は、面接を通して実際に話してみると、外見で受けるイメージよりもかなり気さくな感じで、大城のほうが舞い上がってしまっていた。



不思議なことに、実際に目が合ったのはほぼ一度きりで、それ以外はあまり目が合うことはなかった。



大城ばかりが彼の目の動きを追っていた。


それでも大城は、最初に感じたあの感じの正体を突き止めずにはいられなかった。



あの感覚は、滅多に訪れるものではない。



彼の瞳にはなにが映っているのかと、そればかりが気になっていた。


彼の瞳には、なにかとんでもない魅力が潜んでいるのかもしれない。



まるで大城が追いかけているかのようにはじまったこの関係。



よく考えれば、彼の固定された環境からかけ離れた地方は、彼を開放的にしていたに違いない。



それは、大城が彼に施した魔法と言うよりは、環境が生んだ魔法とも言えるだろう。



大城は、そこに含まれる要因に過ぎない。



言うて、さほど思い描いていたものなんてなかったのかもしれない。



妄想は好きではあるけれど、現実と妄想の区別ははっきりしている。




「そうですねえ……、思っていたより、あなたは些細なことを気にするんですね」



なんてそんな毒を吐けるわけもなく。



純粋な感想ほど、失礼に値するものはないと思う。



頭のなかのどこまでを言葉にするかを考える。


どこまでが変態的でないかを考える。



考えて、結局口にすべきことばは、本当にわずかだと言うことを知る。



「多くを語りすぎると、押し付けがましくなるよ」


「沈黙や間のなかに言いたいことが隠されているものなんだ」


映画を観た自分がよくよく思うことだった。




ある程度の相手に対する話題提供に関する予備知識と、他は自分が直に感じたものしか必要ない。



それらの知識はひけらかす必要は皆無である。



多少の思いのすれ違いは受け入れるしかない。



彼は、社会的ステータスなどを気にかける。



それは大城には、なんだか分かる気もするけれど、理解しがたいものだった。



「そりゃあ、あんたがまだ子どもだからだよ」と、言われればそれまでなのだが、もともと持っている人間は気付かなくて、ずっと欲しいと望んでいる人は常に意識下に持っているような、そんな違い。



そういうのって、もしかしたら究極的に相容れないのではないだろうか。



失ってしまったものは、元には戻らない。



たとえば、純潔性。



知らず知らずのうちに彼の自尊心などを傷つけているときがあるかもしれないな、


という考えに至る。



思っている以上に、彼には繊細なところがある。



およそ、多くの人間は自分は繊細にできていると思いたがる傾向にあるが、彼は感受性の豊かさゆえに繊細である。



きれいなものほど、はやくに汚れていく。


その汚れは落ちづらい。



大城は、彼のことをもっと知りたいと思い、うらないという安易な統計学を用いたり、はたまた自然科学的に分析しようと試みた。



彼の目の動きや、言葉の頻出単語から調べて、あらゆる結論を出していった。


そうして、もしかして、このように調べている過程が、ただ単に好きなだけかもしれないと自分のなかの自分が投げかけて来た。



ただ、大城のその探求意欲には、いつもどこかでストッパーがかかる。



もし知的好奇心的なものだけでこのような行動をしているだけなのだとしたら、変に期待させてしまっても酷だと、自分のなかの自分が宣う。



だって、心の奥底では、なにかが違う。



なにかがずれている。



はて、期待とは何か。



彼は、大城のこの恋愛感情に気付いているのだろうか。


これは恋愛感情と呼べるのだろうか。



おそらく気付いているだろう。



大城の行動は、わかりやすい。



本人は気付いていなくとも、気付かれていないと思っていたとしても、周囲には丸わかりということが多々ある。



ただ、これは恋愛感情と呼べるのだろうか。


厳密である必要はないが、大城のなかで、恋愛が成立しているとは思えない。




「すべてを受け入れる覚悟はあるの?」


「一切を気にしないと言いきれるの?」



そんな強い言葉ばかりが、自分のなかの自分から投げかけられる。



その度に心は折れそうになる。



そんなの、言いきれるわけがないじゃないか。



相当な自信家か、言葉に責任のない人間しか言い切れないだろう。



好きという気持ちだけで突っ走れるものでもない。



ただのバツイチではなく、子持ちというのもネックだ。



子どもには迷惑のかからないように、なんてそんなの無理に決まってるのに。



「いろんな言いわけを用意して、結局は臆病なだけなんじゃないの?」



臆病のなにが悪いというのか。


慎重になるということのなにが悪いというのか。



「恋愛は人を臆病にするものだよ」





「バツイチかあ……バツイチなあ……」



「バツイチがそんなに問題なの?」



「いや、そうじゃないけど……いや、そうかもしれないけれど。バツイチはなあ……」



「じゃあ、もう彼に恋愛をするなというの?」



「それはそれでひどいでしょう」



「彼だってまだ恋愛はしたいはずだよ」



「完全に恋愛を諦めてはいないはず」



「まあ、今すぐ恋愛をしたいかどうかは別として」



「それなら、中途半端なあなたのその想いは、彼にとってどのように処理されるの?」



「想いってね、重いんだよ。よく考えてぶつけなきゃ、ただの重荷になってしまうんだよ」



向こう見ずなことを言ったりやったり。


それが許されるのは若いときだけだ。


人は学習していかなくては行けない。


歳を経れば、経るほどに。


そうして、固定概念に凝り固まっていく人間も数知れず。



彼の頭のなかではどのように処理されていくのだろう。





「わたしには、叶わない恋というのがお似合いなのかもしれないなあ」



大城は、友人にぼやく。



「どうしたの、とつぜん」



「自由でいたいの。どこかで束縛されたりするの、しんどいかもしれない」



「なんだかんだで、付かず離れずの距離っていいよね」



心に思っているのか、思っていないのかわからないことをつぶやく。



「それはたしかに楽だろうけど、そうはいかないでしょう」



「そうだよねえ」



大城の日和見主義で風見鶏な性格は変わりそうにない。



きっと、これは自分の本音だと思う。








しかし、相手から強く求められると流されてしまうであろう自分が予測される。



そうやって流されてしまう自分がいつも嫌だった。



そう、いつもなのだ。



情ばかりが自分を支配する。




大城は、自己反省を繰り返して、今を生きている。



自戒ばかりが自分のなかを占めていく。



それでも、おなじことばかりだ、とよく思う。



好きになる人も、現状も環境も、すべて。



そのようなものを自分が引き寄せ、選んでいるとしか言いようが無い。





「だからどうか、もうわたしに近づいて来ないでほしい」



本人には直接言えないことを、友人に洩らす。



「それは近づいてほしいって逆説なんじゃないの?」



友人は笑った。



大城も笑った。




彼の行動力は、ときどき怖い。



一人の時間が欲しいと思う人間は、おそらく多いと思う。



大城は、その部類の人間で、どちらかというと他人と居るときは、徹底的にあわせることにしているから疲れてしまう。



ただ、傷つくのがこわいのだ。



近づいて、相手を傷つけてしまうのも、自分が傷ついてしまうのもこわい。



人生において、痛みにどれだけ耐えればよいのだろう。



実質的な痛みだけでなく、精神的な痛みにおいても。


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