第3話 大阪と津島とオランウータン
話題を戻すぞ、あぁなんだなんだ「事なかれは嫌だ」ってなんだお前まで青臭いじゃないかって!?余計な御世話だ、なぎさのがうつったかなぁ……。でもお前だってB組の沙織とかが大阪に身体触られたとか泣いてんのはやだろ?まだそれはないけど、まぁそうなる前になんとかったってなぁ……あぁいう先生に限って保護者には「いい子ですよ、お父さんの育て方がよかったんですよね」なんて上手いこと言って受けいいから……だから話を戻すの!
18歳選挙権のことだったよな、あれなぎさが社会の津島に「選挙権が18歳以上になったので、授業でやって下さい」って頼んで、お陰でまたしょうもないことあったの、お前知ってる?
まず女子は、そういうことをなぎさがいったことで津島先生に気に入られたからってやっかんでやがるらしいんだが……。
「なにが津島先生~授業で是非やってほしいことがあるんですけど~だよ、媚びてんのが丸見えだっての、ウザい」
だらしなくパンツを見せながら(この手の女子のパンツは、見えてもあんまうれしくない)誰かが言えば、
「きゃははそういう感じ受ける。つうか津島先生既婚じゃん?確かにかっこいいけどさぁ、でさ考えたけどなんで松助はともかく洋くんとかなんでなぎさ推しなん?いつもからんでるけどさぁ、あたしたちの方が可愛くない?」
俺がその会話を聞いて思ったことといえば、あぁ俺「ともかく」なんだ、よかった圏外でってこととなんだそれ今関係あんのか?ってことだ。あと言わせてもらえば化粧くさいこの娘よりなぎさのほうがまだましだ(ガニ股だけど)。それはともかく。
「いえてる、きっとなぎさビッチだよね」
「あははそうそれうけるうける、いつも勉強勉強ってそっちの勉強かってかよ」
化粧くさいほうは制服のボタンを2個あけてブラが見えてるがささやか過ぎてエロくない、むしろ見たくない。俺が思うになぎさはなかなかそういうことにはならなそうな気がすんだよな……つうかなぎさのそういうとこ想像したくねぇ。それより話飛びすぎだろ、なんで知りたいことを教えてほしいって言っただけでウザいはともかく(なぎさの気まじめさは、友だちの俺でも時々ちょっとウザい)ビッチってことになんだ?え?言え?やだよ俺。
「こそこそ……ね、いくない?」
「あ、いい、でさぁ、彼氏がさぁ……」
オランウータンにも彼氏がいたのか、飼育係じゃないのかそれ、ってなことを考えながら俺はその場を後にした。
ところがそれじゃすまなかったんだよなぁ……。
まずなぎさにすれちがい際に「パンパン」って言って笑ってる女子がちょっと増えた。パンパンってあれだあれ、鉄砲撃ってるわけじゃなくて、いわゆるその……お金でそういうことをする……俺に言わせんなよ!
そのうちその「パンパン」ってんのをなぎさとしゃべる際に語尾につけてあだ名みたいにするあんまりいい趣味とは言えない遊びが流行った。
遊びはひどくなり、女子がなぎさの胸や尻もんだり、「生徒会長なのに校則破って男と毎晩遊び歩いてる」なんて噂が飛び交ったり……。
いや校則破ってるのは本当だ、よく買い食いするし。で、「男と遊んでる」のも本当だ、みさきと一緒に俺んちに来て洋も加わってプレステで、そういうあそびじゃありませんねわかっておりますのことよ。
俺いやぁな気分になった。
しかるに当のなぎさがなぁ!あぁもうわかっておりますのことよ、Youtubeみたことなかった時点でわかるだろ、あいつちょっと色々うといんだ……。まぁ生徒会で忙しいからだろうし他に勉強することもあるしぃ?もっと高校生らしく遊べよは洋の談だ。(洋の言う遊びをなぎさが知ってるかはともかく)
……でだ、当然「パンパン」ってなんのことだかわかんないと来た。
どうよこれ、今どき中学生でも知ってんじゃねぇの?あんのじょう俺に
「パンパンってなんだ?流行っているのか?」
ってきいたあげくあのこないだのオランウータンに
「おはよう、パンパン」
って言っちゃうとか理解を越えてますから!
俺が慌てて「ちょい待て」って言ったけどもう突っ込みが間に合わない!
「?パンパンってピストルの音だろ?流行ってるんだろ、会話の後か先にパンパンって」
俺にそうやって指鉄砲を向けるな、そして俺に振るな。俺まで頭が残念だと思わる。
「お前のあだ名だ!」
「パンダが?」
「パンダじゃない!職業!」
「あぁパン屋?」
「パンしかあってねぇ!売春婦だ!」
「あぁそうか売春……えぇ?」
「……全然身に覚えがないだろ、お前」
「……身に覚えも何も、なんで日本って買ったほうはお咎めなしなんだ?なぁ?」
「いやそれ今関係ない」
「絶対変だぞ、なんで売春は悪いことみたいに言われてるのに買うほうはいいんだ。買うから売るんじゃなく?」
「そういう知識はあるのなお前は。じゃぁお前売るか?」
「売り物じゃない」
「うるせぇ!したこともないくせに」
「お前はあるのか?」
「あぁどうせございませんよ……、あんまこいつに変なあだ名つけんなよ、こんな具合に俺が苦労するんだから」
なんて具合に(もちろんそれでもまたなんかいう女生徒はいたけど)なんとかなったけど、なぁなんでなぎさは性の知識が高校生レベルに達してないのですか……いやそういう知識ばっかりあってあのエロ大魔神大木みたいに保健体育5でも面白いかもだが……。
も一つこっち関係でも一つあったんだった。
18歳選挙権のことを知りたいとなぎさにいわれた津島先生はそんな生徒たちのいざこざを知らず(いじめはないって記者会見とかって、あれ気がつかないんだろな)張り切って張り切って、とうとうある日「別な授業一つつぶして臨時で選挙権のことやる」って言いだしたんだ!
何がつぶれたかお前もしってるだろ、大阪の国語だ。大阪のセクハラ騒ぎとかはともかく唯一国語が寝ててもなんとかなる教科だから(誰も国語が楽しいからとは言わないのがなんとも)一部生徒からは不評もあった、なぎさもさぁ、よかれと思ってやるんだろうがもうちょっと「やってくれるのを待つ」とか受け身でもいいよなぁ。正直18歳選挙権について俺らが「やってほしい」って誓願したわけでもなし。そういう真面目さが、俺みたいな「高校さえ卒業できればあとはテキトーに仕事つくか主夫(主婦)やろう」なんて考えてるやつにはウザいっていうんだよ。
世界なんか俺らが何したって変わりっこない、お前もそう思うだろ?
え?思わない!あ?だってこないだ雑誌で「続編が欲しいランキングベスト1」になってたゲームに続編が?……それは商売だからだ。俺の言ってるのはもっと……。たとえば俺のやりたい専業主夫って「コウジョ」されるんだけど、それは俺がいるから奥さんが(いつか絶対もらうの!)仕事がはかどるからってやつなんだけど、その代わり俺が働くとなるとなんか「これ以上働いたらコウジョなくなるぞ」ってやつがあって、なんかその辺フェミニストの方々が色々つっついてるけど、俺的には、まぁなるべく奥さんの稼ぎでやりくりするようにするとかしか考えられないやつ!
初任給20万としたって、二人でちゃんとはたらければ40万なんだろうけどな、どっちがが40万でパートはほんのちょっと?そういうのが男女差別につながるんだって新聞に書いてあった、場合によっちゃ相手20万で専業やるやつだっているかもしんないし、そんなことは俺はわかんない。わかるのはだ、俺とかあんまがんばりたくない奴もいるだろうしってこととでもあんま貧乏は嫌だなってことだ。
実際40万なんて二人じゃすぐじゃねぇの?まず子供育てんのは難しいだろうな、俺今家の家事任されてるんだけどちょっとスーパーでなんか買ったら二千円なんてすぐよ?
じゃあどうすんだって言うな!俺だってわかんねぇよ!
40万どころかもっと稼ぐ奥さん探すとかはあんま現実的じゃないかもしんないし……。
だからこういう話をお前にしても仕方ねぇし元に戻すぞ!
十八歳選挙権の関連で国語つぶしてやったのは、選挙のシュミレーションだった。
こういうとき普通はこの辺の選挙(市政選とか)からもってきてやるんだろうけど、先生ってばなぜか「大事な一票だ、知らない人には投票しないように」なんて言ってて、つうかだからタレント議員なんているんだよ、あれも良し悪しだけど。
いいからもうそんな話、ともかく津島先生ってば、ったく。
お前もやっただろ「この高校で同学年の政治家にしたい人(自分含む)」アンケート。
まぁ結果はわかってるよな?
ダントツでなぎさだ!
あ?すごい?うん、そりゃ俺も思った。普通にすごいと思う。
まぁ主な理由として考えられるのは「こんなのに選ばれたらどうせなんかやらされるだろうからめんどくさいしまたあいつにまかせちゃえ」的なものだろ。
まぁそうはいってもあいつ人のめんどくさがる「誰も拭こうとしない、誰がこぼしたのかもわかんない牛乳」とか平気で拭くもんな。それも犯人探しとかしないで。まぁいいやつだよ?いいやつだけどガサツだし恋人にはなぁ。
結果発表後、一位なぎさ 二位美少女沙織(人気コンテストと勘違いしてるのが結構いるぞ。いいのか沙織にめんどくさいことさせて) 三位 優等生英才(なんか聞いた名前だ、しかもあいつ顔もいいから女子表かな?)……とまぁ選ばれし三人に(あぁよかった俺選ばれなくって)それぞれ「選挙公約」ってのを書かせて、「もしこのメンバーが選挙に出たら」ってやったんだ。
だからなぎさよぅ、
「この高校からいじめをなくすとりくみをしたいとおもってます」
とか!みんな大爆笑だから!いじめなんかなくなるか!
で英才は優等生らしく
「みなさんの協力によりこの高校の風紀はいいものだとおもいます、さて、よりよくするには……」
と模範的な演説。沙織は
「わたしがなぜこれに選ばれたかはわかりませんが、選ばれた以上は……」
と、まぁしとやかなこと、なぎさとは大違い。
で、沙織が選ばれて、俺は落ち込んだなぎさにカラオケ二時間ぐらいつき合わされたって話。
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