アーク・ソール

血の交換、血の契約と呼ばれるもので、アーク・ソールが本来の宿り主であるパイロットを喪失したため、新たな宿り主を受け入れるために行う儀式なのだ。


そうこの創成されたアーク・ソールはまだ完成に至っていないのだ。

コアと骨組みだけの存在だから、新たな宿り主を探し、その肉体を得て、彩られ奏でなくては本当の在り方ではないのだ。


ーー新たなパイロットを望んでいるのね?


新たにパイロットを選ぶためには、新たに適格者の血肉を得ればいいのだ。


そして、その選ばれたパイロットも、アーク・ソールの血を…


アーク・ソールはおもむろにマヤノに指を突き出す、その指は血が滲んでいた。


「やっぱり?」


眉毛を片方だけあげると、彼女は近づいた。


その血を軽く舐めとった。


…お互いの血を交換するのだ。


ドックンと深く一回だけ心臓が跳ねあがった。


まるで、残像が起きるように…


それは、新しい生命の始まりだった。

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