第2話 誘拐事件

朝ごはんを食べ終えた後には、まず、子供達のお世話です。

ただ、殆どの子はお利口さんで手間がかかりません。

本当に小さい子だけ、着替えを手伝ってあげたりしますが、これは10歳の子立ちがやってくれるので、俺たちはやる事がありません。


マジ君たち天才!

そう言いたくなるほど手がかからない。

実際は、この子達が俺たちの負担を減らそうと頑張ってくれるからだ。

本当に、みんな良い子達だ。


 そして、ご飯が食べ終わった後は勉強会。

 俺が市場に売り出しに家を出るまでの時間を使ってやっている。

 あんまり時間はないけれど、こつこつとだ。

 もちろん紙なんてないし、高度な事は教えられない。

だから、砂を使って文字を書いたり計算したりするだけだ。

この世界の識字率は結構低い。帝都なら高い数値を誇っているが、地方の村々は文字をかけるひとが1人2人しかいない所もあるそうだ。

計算なんて、難しいものは出来ない人が多い。


この世界の言語は日本語なのだが、文字が違う。俺もこの文字はエリシアに習った。

そして、朝の勉強会では何人かに分けて俺が計算、エリシアが文字を教える。

計算の文字は普通に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。

ていうか、十進法以外を人間がまず使うってあり得ないんだけどね。

最初人間って、指で物の数を数えのはみんな想像できると思う。だから元々、人間は指の本数である10を基本にして考える。もちろん5進数にならない。便利さを求める過程で数字を生み出したのに片手だけしか使わないにも変だからね。

 もしかしたら、他の進数もありえるかも知れないじゃんって?

 あり得ません。コンピュータですか?


まぁ、余談は置いといて、年の差があって習熟スピードに差はあるもののみんな初めてなので、一緒にやっている。


ただ、やっぱり疼いちゃんですよね。俺って意識高い系なので。沢山教えたい。高校一年でこの世界に来たけれど、中高一貫の有名校に通ってたから色々出来るんです。

それに、スポーツとかもいっぱいやりたい。

野球部の選抜は舐めないで?

まぁ、やらないけど。危ないし。


くそぅ。いつか、ウルナドとかに叩き込んでやる。経済学とかも叩き込んでやる。

ちなみに物理と化学は世界に影響及ぼしそうだからやらない。

あ、でも古典力学なら…


「ナナリお兄ちゃん!ここ教えて!」


そう手を高く上げながら言ってくれるのは竜人の女の子。名前はユユ。


お兄ちゃん? うん君可愛いね。

うん?どこだ?と首をかしげるのはわざとである。

ユユは「ナナリお兄さん!こっちこっち!」と手を振って俺まねく動作をする。

もうね。小さい子が元気に声を上げる姿は本当に癒される。

最高だよ。


竜人は、この世界に殆どいない希少な存在らしい。竜と種族名に付いてるけれどどこか竜っぽいところがある訳じゃない。あんな獰猛そんな姿とは違い、この子は天使だ。

竜っぽいところは、目の瞳孔が細い所と、竜のブレスが打てるところだそうだ。

うーん。この子すごいわ。


計算は、ちょっとした計算ミスだった。

もうそろそろこの子は掛け算を教えてもいいかも知れない。かなり習熟度が高いし。



そんなこんなして教えてたりすると、すぐに市場の方に向かわなきゃいけない時間になってしまった。


俺は、昨日作った砂糖の袋を手にして出る準備をする。

部屋を出るときに「行ってきます。」の声は忘れない。

そして、俺が帰って来るまで、外に出られない彼らが、俺が買ってきた大麦や小麦粉を使って砂糖を作るのだ。

砂糖の作るのは、ウルナドやエリシア、ラミナに任せてある。


俺が、家を出ようとすると後ろから声がかかる。部屋を出た時だけでもいいのにこの2人はいつもここまで来てくれる。たまに、アルテナっていうウンヴィーネの女の子も来てくれるか。


ちなみに、あいつは絶対来ない。あいつってウルナドの事ね。

まぁ、来ても嬉しくはないから良いけど。


「ナナリー!行ってらっしゃい!」

「ナナリさん。行ってらっしゃい。」


2人のその声に俺は笑顔を見せて、「行ってきます。」ともう一度言った。





朝靄の入り組んだ路地を抜ける。迷路のような道の複雑さで、何回も迷ったが既に慣れた。

この住宅街は貧民街でこそないが治安が良い方ではない。

魔法が使えるなったので、昔のように相手に容易に負けるような事はないが、用心して進む。

一度、襲われた事があったからだ。

あの時は魔法を覚えたてでかなり苦戦した。

多分、4人以上の人がいたら負けていたと思う。


今日は何事もなく、市場が開かれている大通りに出てくる事が出来た。

大通りのあちこちに屋台、敷物をひいてそこで商品を並べている人、またまた、大道芸から、怪しげな占い師、それらの人が商品、その準備をしていた。

ここからは、そう簡単な世界ではない。

朝早い為、まだ空いてる場所も多い。

けれど大袈裟な話かも知れないが、俺には砂糖数袋だけであまり場所取りも必要ないけれど、人通りの良い場所を確保するのはかなりの戦略が必要なのだとか。

例えば、屋台で食品を売る人達。彼らは出来るだけお腹が空いてる人が通る場所に行きたい。なので市場でも兵士の修練場がある場所の方に行く。また、その売る内容に寄って朝ごはん用昼夜飯用のものを買いに来た主婦の人を掴むには逆に食品売り場かつ、他の人が売るものに合っている場所である事もポイントになる。

他には、芸術品、工芸品、宝石などを売る店。

ここは、まずお金を持っていそうな人が通りそうな場所で無ければならない。大通りでも出来るだけ商店などが並ぶ方に近づく、又は兵士など比較的給料が高い人々が通るところを確保するのである。

また、ここに初心者が来る事も危険である。ここは、基本的に自由に売買していいゾーンと許可が必要ななゾーンがあるのだが、大体初心者は許可が必要ない場所を選び、言葉巧みに誘導され買い叩かれる。

俺も3度経験した身である。

まぁ、だからと言って許可を貰うにはお金が必要でもあるしかなり狭いエリアなのだけれど。


正直言って、買い叩かれるなどの心配は、色々信用とあるけれど、ちゃんとした専門店に下ろす

方が得策である。

砂糖はある程度貴重品であり、輸送量などかからず少し相場より安く売れるので、売るに困ることは余りない。

では、何故市場などで売るのか。

それは、砂糖を売るのに危険が伴うからだ。

酵素によるでんぷん分解で糖を作るのは、非効率であり日本では通用しないレベルではあるが、この世界では儲かる。いつも、俺のような青年でそこまでいい格好もしていないのに、砂糖を下ろしに来ていたら何か感づかれる。

最悪、調査とかいう名目で取り上げられるかも知れない。

そして、口封じで殺されるかも知れない。


だから俺は、いつも違う場所でのらりくらりと場所を変える。

朝早く来てはいけない。目立ってしまう可能性を少しでも排除したい。

接客の仕方も同じ人が来たら変える。これが大事だ。

偶々、きょうは安く砂糖が買えたぞと相手に思わせなければならない。

砂糖は貴重品でありながら需要があるので危険なのだ。


今日は、市場が開かれる大通りの円形に広がっている場所、そこの端の方で骨董品の側に場所が空いていた。そこに向かう。

「ここ良いですか?」とその初老のおじさんに聞いたところ「売るもん被らないのなら、遠慮すんな」と言ってくれた。

いいおじさんである。

最悪、ここで喧嘩になる事もあるので場所探しも要注意である。

兵士は治安維持が仕事なのだが、全体を見れないし手を貸すとは限らない。

日本の警察だって、手を貸さない事件が多々あるのだ。

出来るだけ、関わりたくない面倒は避けたい、人間はそんなもんである。


市場は今日も盛況だ。

対面には、野菜を並べる商人の姿。こういう時は、商品は並べとくだけで、立札などは立てない方がいい。

砂糖は300g大銀貨3枚と銀貨9枚で売っている。

大体、砂糖1キロ金貨1枚と大銀貨5枚目ぐらいが相場なのを考えると少し安い。

これだと、利益としてはかなり出るのだが元々そんなに量は多くないし、安く売ると偽物を疑われてしまう。だから相場ぐらいまで上げている。

材料費は全部で、大銀貨2枚ほど。

全部売れて、儲け金貨1枚と大銀貨7、8枚。

これは結構いい。1日の食品は俺の家へ大人数だし大体大銀貨1枚。

かなりの儲けである。

だが、今までの実験してきた苦労を考えると安いとは思えないが、頑張ったなぁ、と思える。

それに、砂糖は冬に作れるとは限らない。

温度を保てるのは魔法のお陰だけれど、ずっと置いておくにも今の人数だとやはりきつい。何人かいればいいけれど。寝かしておく時が大変である。

ちなみにこの魔法は、ほとんどエリシアとウルノドにお任せだ。午後からは偶に俺がやる。

まぁ、最近はエルフのリーリャが手伝ってくれるので負担は減った。


ちなみに一般貨幣の種類は6種類。

銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨。

これが知られている貨幣である。

まぁ、大金貨なんて見たこと無いけれど。

銅貨1枚でやっすい食べ物なら買えるぐらい。

だから、うーん、貨幣制度も違うし、本当なんとも言えないけれど、うまい棒一本銅貨1枚な感じ?


この量まで出来るようになったのは2週間前だけれどな。一ヶ月前は出来たらラッキーぐらいだった。

二ヶ月前は、お金がなくてやる気にもならなかった。

エリシアと会った5カ月前は最早ホームレスだったしね。




今日は、何事も無く売ることが出来た。

売り終わったのはお昼には少し早い時間帯。


そして午後は、酒場の掃除の仕事。

今日はいつも働いてる給仕の仕事は店自体が休みなので掃除するだけだ。

そこまで遅くならない。


でも、時間が空いてしまった。


どうしようか。

なにか仕事をするにも微妙な時間である。

街中の荷物配達とかなら一仕事するのにそこまで時間はかからないけれど今の時間帯じゃ無理だ。


やる事もなく、一旦帰る事にした。

みんなの顔を見ると癒されるからね。

手伝いもしたほうがいいだろう。


時間を考えると、多分、年長組はみんな仕事をしている。

砂糖を作る部屋は家の中の一部屋と台所。

そこで小麦粉を水に浸して、大麦と一緒に蒸かす作業。それか、砂糖を結晶化してるんだと思う。


こういう時、子供たちが家の外にはあんまり出られないのが残念だ。

こんな真昼間だと怖くて外には出せない。亜人の子供たちが出歩いているのが見つかったら襲われないといつ保証がない。


せめてもの救いが家が狭くない事だろうか?でも、あの人数だともう狭い。


本当、子供達には申し訳ないよ。

可愛い可愛い奴らなのに。


遊び道具はほとんど無いけれど、時折ラミナが遊び相手をしているのを見かける。

退屈しないでいられるよう手遊びなどを教えた。

指すま、とか、あと名前忘れたけど人差し指出して本数のなんかゲーム。マルバツゲーム。

子供達は楽しそうに遊んでくれている。


真面目っていうのかこの世界ではわからないけど。2人ぐらい計算して遊んでる子がいるんだよね。

ちょっとあいつらは凄すぎる。

多分、娯楽とかがない世界だから楽しいんだろうね。できれば高校数学とか教えてあげたいな。

そうすれば結構楽しいと思う。


じゃあ、 服とか買っていこうかな?

一応みんな服は着てるけど、あんまり良くないものばっかりなんだよね。

破けたところを補強して繋いでる感じだし。


エリシアとラミナにほいい格好させて上げたい。プレゼントだって買って上げたい。

でも、あの娘達は、今、勝手上げても多分本当には喜べない。


自分以外の娘達の事を優先するのがあの娘達だ。そのぐらいの余裕は出てきたのに。

本当に最高の女の子ですよ。


二人を好きだっていうのは、正直まだ抵抗がある。日本人だった倫理観が、妨げている。

でも、あの娘達を選ぶことが出来ない。

それに、この世界では妻は1人しかとってはいけないなんていうルールはない。その影響もあるのだと思う。

俺が女の子大好きっていうのもあるけどね。


ちなみに、恋愛経験はありません。いや、あるけど二股かけられたとかばっかりだし。

本当、目の前で同級生の友達とキスした瞬間は驚いたよ。


話が逸れたけれども、とにかく絶対いい生活させてやるというのが俺の一つの目標だ。

砂糖を売り始めたのもその第一歩。




市場の通りから横道に抜け、普通の商店街通りに戻り、そこからまた道を逸れて住宅街の方に行き、その裏の入り組んだ道を進んでいく。


そして、一番奥の方まで来ると何故か胸騒ぎがした。

違和感。喉の奥に何かぎ詰まったような。

空気に対して違和感がある。

風景としては別段変わった所はない。道の先まで続く建物はお世辞にも綺麗とは言えないようなものばかり。密集するように所狭しと建造されている為、その間に出来たこの道は狭い。地面は帝都の中心部と違い剥き出しだ。

いつも通るこの道。何て事のないこの帝都の一部。

いつも通りにしか見えない。


でも、何かに突き動かされ家まで走った。

嫌な予感が止まらない。


直感とは偶然の産物ではない。今までの経験が意識に現れない状態で判断を下しているという事。



家に戻ってみると、血の匂いが微かにするのがわかった。

最悪の予想が頭によぎる。


靴など脱がず突き動かされるまま家の中に入った。


「どうした!?」


ウルノドが大部屋に子供達といた。何人かが俺を見て声を上げるが、ウルノドが、静かにしろ、と声を上げる。


「ナナリ! 盗賊らしき連中に襲われた!エリシアがリーリャが連れ去られそうになったのを庇ってあいつが連れてかれた。今はラミナが追っている! 他のやつは連れ去られていない! ラミナが追ったのは裏口の道からだ!」


ウルノドは、焦りの表情を見せながらも詳細に教えてくれる。

多分こいつも助けに行きたいんだろう。

でも、一番強いこいつが子供達を置いて助けに行くわけにはいかない。

こういう時のために話し合いはしてあった。


ラミナが匂いを追って相手を追っかけている。

獣人の嗅覚、聴覚それらは人の数十倍もの精度を誇る。

でも、それだとまずいのが現状だった。

問題なのは時間帯。

この帝都では、この時間帯にはご飯を作っている、食べている場所も少なくない。

もしかしたら匂いでは追いきれないかもしれない。


俺は裏口に向かって外にでる。

裏口の広場には何人が倒れていた。うつぶせで地面に倒れこんでいる彼らの周りには目をつむりたくなるほどの血が広がっている。多分この状態はもう息をしていないだろう。


もう、俺はこういう時、生死なんて問わなくなった。

この世界で、そんな甘っちょろい事は言ってられない。命がいつ消えてしまうかわからない世界。

優先順位は俺の仲間達なのだ。


多分こいつらはが息をしていたとしても俺が、子供達の安全が保たれるように、殺していただろう。


裏口から出て左側にある細い通路。


そこを進んでいく。

赤い煉瓦で作られた家と灰色の壁の間の道には差し込む光もなく、薄暗い。

外壁とすれすれの道には赤い斑点が所々落ちていた。


生じた逃走劇にそこらの人が、状況も見ようと顔を覗かせるが、彼ら彼女らは、自分がまきこまれないように直ぐに家の中へと身を隠していく。


斑点がが、ラミナやエリシアのものだったとしたら。あいつらが死んでしまったら。と考えるともうどうにかなってしまいそうだった。


曲がるところには、ラミナの持ち物が落ちていた。

道印に置いて行ったのだろう。


それに従って行くと、何かがぶつかり合う音が聞こえた。前にある道角にはラミナの上の服が置いてあった。


そこには、ラミナと2人の茶色い服を全身に着込んだ男達。

いかにも悪さしてますという風貌である。

彼らは、2人とも短剣を扱っていた。

周囲を家に囲まれ、道幅も狭い。取り回しやすい短剣は、盗賊が扱うにはもってこいの武器である。

対して、ラミナの手には包丁が握られていた。

すぐさまラミナの元に走っいく。


男の一人がラミナに斬りかかろうとする。

もう1人は、横に周っていた。ラミナが避けたり防いだところを狙うつもりだろう。


俺は、すぐさま火の原始魔法を、横に周った男の顔面に放つ。

男の顔に突如火が上がった。

男はいきなり発生した顔の熱に、驚き悲鳴を上げる。慟哭のようなそれはひどく耳障りだった。


「ガット!」


ラミナに短剣を繰り出そうとしていた男が振り返る。

ラミナは、俺の事は振り返らない。そんな命取りな事はしない。


俺は走り込んで、魔法を当てた男に体当たりを決め込む。

肩から重っきり体当たりしたところ、そいつは耐えられず、短剣を手放した。


俺は、すぐさま立ち上がり、足に全体重を掛けて振り下ろす。

さっきの体当たりで防具はしてないと分かっていた。

骨を砕く感触と、何かを潰す音が分かった。

最悪の感触だ。


「てめぇーー!」


ラミナと戦っていた男は俺の方に向かって駆け出す。

包丁しかなくて、避けることしか出来なかったラミナとは大分距離が空いていたが、ラミナは包丁をぶん投げた。

それは、男の首に突き刺さる。

あまり、切れ味のよくないものだ。

それなのに突き刺さったてことは、相当な力で投げられたのだろう。獣人の身体能力はだてじゃない。

男はその瞬間、力が抜けたように地面に崩れ落ちた。

俺はすぐさま、盗賊の1人が落とした短剣でしっかりと2人にトドメを刺す。

男の服を被せて魔法を使って水を発生させ、血が飛び散らないようにするのは忘れない。

こういうやつらはどんな病気にかかってるか分からないからだ。

 男たちのにおいだけは防げなかったが。こいつら刺激臭のようなにおいがする。


幸い、血はズボンに付着するぐらいだった。


「ラミナ!エリシアは!?」


ラミナに振り返ってエリシアの安否を問う。


「あっち!」


そう言って飛び出して前の角をまで走っていく。

俺も角を曲がって走ってラミナの跡を追っていく。


迷路のような道をラミナ置いて行かれないように走る。

右に曲がり、左にみちをそれて、時には人一人しか通れないような場所を走った。


ラミナが曲がり角で突然止まった。

通路が交差した場所だった。木箱がみちを塞ぐように置いてある。


「どうした?」


俺の声は、震えていた。


「……。どうしよう…。臭いが分かれててどっちか分からない。」


獣人の鼻はよく効く。

ラミナが獣人と分かって、撹乱の為に逃げたのだろう。辺りは他のにおいも強い。盗賊だけのにおいならわかるがエリシアのにおいだと消されてしまうかもしれない。

風だって吹いている。最悪の状況だ。


「私はこっち行く!」

「あぁ!」


俺とラミナはそれぞれの道に分かれてエリシアの痕跡を探した。

















































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る