ヒーローは隣にいた

@Naho

「ねぇ、ここ教えて?」

「えーと、Xが15だから」

今は数学の授業。高1になったばかりの私は高校の授業の早さにびっくり。

だけどアイツが前の席にいる限り楽しくない授業だってスムーズに感じられる。

ーキンコンカンコーン

「はぁー、やっと終わった〜」

「うん、だね!」

いつも通りに無駄話をして、いつも通りに笑いあう。

「美羽、入れて!」

そして、私の親友彩奈も入ればイツメン同然。顔に筋肉つくぐらい笑う毎日だった。

「てか、美羽髪型変えた?」

アイツが私の髪(ポニーテール)を引っ張った。

「ちょっと、やめてよ!せっかく綺麗に縛ったのにぃー」

「はは、怒んなよ」

ぎゅーーーーーー

アイツがいつもしてくるほっぺぎゅ。少しキュンとはくるけど、凄く嫌い。

「もぅ〜、離して」

「俺がポニーテール好きなの知ってた?」

笑うアイツを睨みつけ、彩奈と話してたら

「美羽!」

「雅斗くん!」

私の彼氏が1ーCにやってきた。

「残念でした。季節に春がやってきました。そして、私の心にも春がやってきたの。」

そう言い残して、私は雅斗くんのところへ駆け寄った。

「ははーん。ポニテは雅斗さんのためか。残念、兼」

「うるせ。…何だよ。アイツ」

アイツは私たちの背中を見てた。

アイツは、兼は私の親友。そう思ってた。

「華 美羽。絶対許さない」

もう1つ、春が訪れていた。

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