第13話 京都の守護魔方陣
世界遺産である
上賀茂神社の祭神である
神武天皇を導いた
それはともかく、京都には平安時代に安倍晴明が創った≪守護魔方陣≫があると言われている。
晴明神社を中心点として、賀茂別雷神社(上賀茂神社)、松尾大社、慈照寺(銀閣寺)、鹿苑寺(金閣寺)、八坂神社(祇園神社)を結ぶと、綺麗な五芒星が現れるという。
風守カオルはこの守護魔方陣の綻びが、今回の事件と何らかの関係があるのではないかとも思っていた。
道術士とも縁が深い偉大な陰陽師の祀られた晴明神社で五芒星の印が入った御朱印帳を買って、すでに上賀茂神社にも参拝していた。ちょっとミーハーだが、御朱印も下鴨神社で三つになっている。
彼女の感覚では上賀茂神社に結界の綻びはなく、ついでに京都守護の要である下鴨神社に寄って「雛流し」も見学して、次は南東の結界のひとつ八坂神社に向かおうとしていた。
「カオルお姉ちゃん、あれ、食べたい!」
雛子が物欲しそうな顔でカオルを見た。
悪童丸も立ち止まって動こうとしない。
下鴨神社の参道を下っていくと、参道を包む
餅の中は柔らかな甘い小豆が入っていて、ほうじ茶と一緒に食べると美味しいんだな、これが。
ちょっとよだれがでてきた。
いや、こんなところで寄り道してる場合ではない。
神社の西側にある「賀茂みたらし茶屋」で、名物みたらし団子を食べたような気もする。
「カオル姉ちゃん、おいらも
という言葉が決定打となって、一行は宝泉堂の茶屋「さるや」に引き寄せられていった。
◇◆◇◆◇◆◇
「美味しかったね!」
雛子と悪童丸は満足そうに
東京ドーム三個分という巨大な原生林に小川が流れ、三月の日差しも徐々に暖かくなっていた。
賀茂川と高野川の合流点の下鴨神社の境内にある
その森の中を幅数十メートル参道が真っ直ぐに通ってるのだが、カオルは時の経つのも忘れ、悠久の歴史を感じていた。
ふと振り返った雛子の瞳が、猫の目のように黄金色に輝いていた。
しかし、この子は何の「もののけ」なんだろうか?
ちょっと気になるが、ひとまず、八坂神社への道を急ぐカオルであった。
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