10  少女は革命の狼煙を上げる ♪ファ


 これまで存在すら知らなかったとはいえ、一流漫画家と呼ばれる人はやっぱりすごい。


 北城つららは、あのわずかな時間に書き上げたネームで、さやかちゃんを号泣させた。次に読む栄誉を与えられた僕も、実は込み上げてくるものがあったのだけれど、見届け役の重責を鑑みて耐えた。

 ソラの養育係だけでも手に余るのに、どこまで増えるんだ、僕の役職。


 そして今、さやかちゃんと僕(とソラ)は例のドクダミ公園にいる。


 ドクダミ公園というのは無論、僕とソラが勝手につけた名前だ。ドクダミからは感謝されても、公園からは「勘弁してくださいよ。せめてタンポポ公園で!」と抗議が来そうな気がするが。

 ドクダミが元気にはびこるほど顧みられないだけあって、今日も公園には僕たち以外誰もいない。ビバ、ドクダミ公園!


「先輩たち、来るでしょうか」

「そりゃ来るよ。罠にさやかちゃんが引っ掛かってくれなくて、いじめの虫がかなり増殖してるはずだからね」


「ぴる! いじめ、ダメ、ぜったい! ソラ、先輩たち、完膚なきまでやっつけるぴる!」

 先輩連中には何ら物理的な作用を及ぼすことのできないソラが、なぜか一番張り切っている。その心意気はさやかちゃんには哀しい哉、伝わっていないのだが。


「わたし、ちゃんとできるのかな」

「できるよ。あんなにリハーサルしたんだから。あれを二人芝居にして今すぐ全国巡業しろっていわれても、僕、成功させる自信あるし」

「ぴる! 陸とさやかちゃん、がんばった! 最初はたどたどしかったけど、14回目のは、ほんとにドラマみたいだったぴる!」


 あのあとスタッフルームで、僕たちはネームの読み合わせをした。さやかちゃんは当然本人役、底意地の悪い先輩役は僕という配役で。


 先輩役は3名という設定だったので、ソラが気を利かせて先輩その2とその3のセリフを読んでくれた。でもソラの声がさやかちゃんに聞こえるはずもなく、結局僕もそのセリフを読むしかない。下手なユニゾンみたいに声が重なり、やりにくいったらなかった。

 とはいえソラの勘定によれば、僕たちは14回もリハーサルを重ねたということになる。


 通りの向こうから、ぺちゃくちゃと姦しい声が聞こえてきた。さやかちゃんが身を固くする。


「うちら、先輩だよ? 日曜日に呼びつけるなんてほんっと生意気。命令されたことも満足にできないくせに」

「泣いて謝ったって許してやるかっつーの。ねー?」

「でもさー、ああいうおとなしそうなのに限って、逆ギレすると怖いって言うじゃん。ナイフとか振り回してかかってきたらどーする?」

「あー、ないない。ああいうお利口ちゃんタイプに、そんな勇気あるわけないって」

「だよねー」


 両手で耳を塞ぎ、さやかちゃんが声を絞り出した。

「やっぱり無理。わたし、できない。あの人たち見たら、声出せない」


 え、ここまできて?

 なんて思ったりはしない。僕はいじめられっ子の先輩であり、そのまた大先輩から見届け役という大役を仰せつかった男なのだ。この展開が予想できなくてどうする。


 さやかちゃんの右手をそっと耳から引きはがし、水色のイヤモニを握らせる。なんやかんや理由を捏造して借りてきた、父さん用のイヤモニだ。


「大丈夫。これ、ものすごく霊験あらたかなパワーストーンなんだ。握ってるだけで必ず声は出る。言葉に詰まっても、言いたいことを思い描けば、ちゃんと言葉になるから。信じて」

 言い置いて茂みに身を隠す。「あとは任せた」という囁きは、ちゃんとソラに届いたようだ。


 昨夜、14回のリハーサルを終えてさやかちゃんが帰宅したあと、僕とソラは明け方まで吟味したのだ。土壇場でパニックになった彼女が取るであろう行動パターンと、その対処法を。

 おかげでソラの妖精的な容貌はそのままだが、僕の目の下にはくっきりとクマができている。


「らじゃぴる! ソラ、さやかちゃんの声になる。ぎゅうぎゅう詰めのキモチ、ぜんぶ伝えてみせるぴる!」


 公園の入口にジャージ姿の少女たちが姿を現した。

 やっぱりあいつらか。

 昨日さやかちゃんを探し回っていた時、買い物する様子もないのに通路にたむろしていた迷惑な女子中学生たちだ。


 鼻っ柱の強そうなポニーテール、眼鏡をかけたボブ、背の低いショートカットの3人組。これ見よがしにジャージのファスナーを下まで開け、念の入ったことに腕まくりまでしている。


 ベンチに掛けたままのさやかちゃんにソラが歩み寄った。イヤモニをぎゅっと握りしめた右手に、華奢な手を重ねる。

 髪がふわりとふくらみ、はちみつ色の光に包まれたかと思うと、ソラの姿はさやかちゃんの中に吸い込まれるように消えた。

 憑依、完了。


 つかつかと近づいてきたショートカットが、さやかちゃんを一瞥して声を荒げた。

「何あんた、いい気になってジャージ着崩してんの?! うちら誰も、あんたにお許し出した覚えないんだけど」


 そう、北城つららの作戦に従って、今日のさやかちゃんはジャージのファスナー全開だ。3人組に負けじと腕まくりもしている。まくり方は彼女たちに比べて格段に品がいいけれど。


「着崩してるんじゃありません。暑いからファスナー開けて、腕まくりしてるだけです」


 すばらしい。ほぼネーム通りに、ドクダミ公園の決闘は幕を開けた。

 面食らった3人組以上に、言った本人のさやかちゃんが唖然としている。思いがけなくするすると声が出たからだろう。


 言ったはいいが臆したと踏んだか、リーダー格のポニーテールが鼻で笑ってみせた。

「へー、オリジナル脚本をお書きになるようなお方は、この程度の暑さもガマンできないってか。うちらだって1年の時はおとなしく我慢してたのにねえ? 先生に贔屓されてるからって態度でかすぎるんじゃないの?」


「生意気すぎ。明日、学校でもファスナー開けしてたら許さないから」

「つか、もうこの段階でハブ決定だけどね」

 ポニーテールの罵声に、あとの二人がちゃっかり乗っかった。


 さやかちゃんがベンチからゆらりと立ち上がった。尻馬に乗る二人には目もくれず、ポニーテールに視線を固定している。

 このシーン、北城つららのネームの枠外にはこんな注意書きがあったのだ。

 

 注  相手が何人で乗り込んで来ても、絶対にキョドらないこと。

    その他大勢の雑音には耳を貸さなくていい。

    首謀者の目だけを見て会話して。


「学校指定のジャージ着るのに、ファスナーの開け方とか開ける時期とか、どうして先輩のお許しをもらう必要があるんですか? 先生方もしないような命令に、どうして従わなきゃいけないんですか?」


 いいぞ。全く淀みがない。普段とは違う表情に気圧されたか、眼鏡とショートカットが口をつぐんだ。ポニーテールだけが後に引かず、畳みかけてくる。

「だーかーらぁ! うちらだって我慢してきたんだってば。伝統って言葉、知らないの? 先輩後輩のけじめっつーのがあるでしょって言ってんの!」


「先輩は、くだらない裏校則なんか振りかざさなきゃ、上下のけじめをつけられないってことですか?」

「……あんた、誰に向かって言ってんの? 言葉に気をつけなよ」

 ポニーテールの声が一段低くなった。仁王立ちしたまま、小柄なさやかちゃんを睨めつけている。怯むことなくさやかちゃんは続けた。


「裏校則が嫌だったんなら、3年になった時、自分たちの代でヘンな伝統、すっぱり切っちゃうことだってできたわけじゃないですか。自分をいじめた先輩の真似して威張るより、そっちのほうがずっとかっこいい」

「バッカじゃないの? なんでうちらだけ後輩にいい顔しなくちゃいけないわけ?上の代にさんざんイビられた恨み、どこで晴らせってのよ」


「……ちっさ!」


 思わぬ場面でのジャブ。こんなつぶやきは北城つららのネームにはなかった。

 さやかちゃんの心にむくむくと湧き上がった軽蔑を、ソラが大喜びで掬い上げた結果なのだろう。そしてそのジャブは見事に決まった。


 顔を真っ赤にしたポニーテールが右手を振り上げる。お付きの二人がぽかんとした顔でその動きを追う。


 のどかなドクダミ公園に響き渡る、乾いた破裂音。


 さやかちゃんはしっかりと目を開けたまま、ポニーテールの平手打ちを受けた。指の跡が最も効果的に残るよう、心もち左頬を突き出して。


 ナイスファイト、さやかちゃん! ドリンクバーの氷で、ちゃんと冷やしてあげるからね。抜かりなく写メ撮ってからだけど。

 これほど早くチャンスが巡ってくるとは。

 枠外にこれでもかと書き連ねられた注とは別扱いで、北城つららのスケッチブックの裏表紙には、傍線つきで大書された言葉があったのだ。


 相手が暴力を振るう様子を見せたら、殴らせなさい。ただし平手打ち一発だけ。

 向こうは馬鹿なりに、今まで証拠らしい証拠を残してない。

 どうせ痛い思いするなら、しっかり跡が残るいい位置を提供しちゃえ。

 一発殴られたらすぐ言葉で反撃して、続けて殴る隙を絶対に与えないこと。

 馬鹿は歯止めがきかなくなると怖いからね。


 世間に公表できないのが残念なほどキュートな表情で「てへぺろ」ポーズを取る自画像が書き添えられていたのだが、さやかちゃんはアドバイスを忘れてはいなかった。

 すっと一歩退いて掴みかかろうとするポニーテールを避け、口を開く。


「先輩は、鬱憤さえ晴らせればそれでいいんですか? ずっとそうやって、恨みつらみに身を任せて生きていくんですか? 脚本のことだってそうです。やりたいホンがあるんだったら、3年生全員で先生に直訴でもなんでもすればよかったじゃないですか。わたしにいくら嫌がらせしたって、演目が変わるわけないのに」


「うるさいうるさいうるさい! そんな偉そうな口きいて、タダで済むと思ってんの? あんたが書いた舞台、本番で滅茶苦茶にしてやるから!」

「そんなことさせません。脚本は明日、返してもらいます。演技力がないのは仕方ないにしても、ホンに愛情を持てない人に演じてもらうのはいやなので」


 イヤミス漫画の女王ならではの毒舌炸裂だ。

 演技力云々のあたりで、眼鏡とショートカットがちらっとポニーテールを盗み見た。どうやらポニーテールは容姿がちょっとばかり目立つだけで、演技力には恵まれていないとみえる。

 相手が単純だからなのか、ドクダミ公園の決闘は面白いように女王のネームに沿って進んでいく。


 さて。ここからが北城つららとさやかちゃんとソラ、三位一体の力の見せどころだ。

 堰を切って流れ出る思いに押し出されるように、さやかちゃんの身体からソラがぷはっと顔を出した。こちらを振り向き、両手で力こぶを作って(作れてはいないのだが)、「完膚なきまでやっつけるぴる!」のポーズ。


 ソラが戻ると同時に、さやかちゃんの身体がはちみつ色の光を放ち始めた。

 エンジン全開ってわけだな。

 頑張れ、ソラ。頑張れ、さやかちゃん。


 口ではかなわないとようやくわかったのか、ポニーテールが殺気立った目でじわじわと距離を詰め始めた。さやかちゃんは顎をくいっと持ち上げ、落ち着き払った声で宣言した。


「先輩。わたし、脚本は引っ込めますけど、書き続けますから」

「は? 何言ってんの?」

「ビビりすぎておかしくなっちゃったんじゃない?」

「意味不明すぎ。ウケるー」

 ここぞとばかりに入れたにしては、あまりにセンスのない茶々だ。さやかちゃんは意に介さず、言葉を紡いでいく。


「書き続けて、文章力磨いて、絶対小説家になります。いじめに立ち向かって傷だらけになっても、最後には必ず勝つ少年少女の物語を書き続けます。姑息で陰湿でねちっこいいじめの実態を書かせたら、右に出る者はいないってとこまで頑張ります。だってせっかく体験させられたんだもの」

「なっ……」


 ポニーテールに固定していた視線を、さやかちゃんはゆっくりとずらした。

 左に立つショートカット、右の眼鏡、最後にまたポニーテール。

「姑息で陰湿でねちっこいいじめ」の自覚を促すかのように、たっぷり時間をかけて見据える。


 イヤミス漫画の女王で満足してないで、もう演出家になっちゃえよ、北城つらら。あんたが秒数まで指定してネームに書き込んだ演出、恐ろしいくらいハマっちゃってるよ。


「先輩方って、なんていうか……純真? ですよね。自分がしたこと、そのうちみんな都合よく忘れてくれるって思ってるんでしょう」


 お? ここでさやかちゃんらしさを出してきたか。

 この部分、北城つららのネームでは

「先輩方って、アメーバやミドリムシ並みに単純ですよね」

となっていたのだ。

 コマの背景にはさまざまな単細胞動物たちがへろへろと徘徊する姿が、痛烈な皮肉を込めて描かれていた。


 確かに絵の力を借りられない今は、「純真」という単語の方がスパイスが効いて、いいかもしれない。小説と漫画の表現の違いを垣間見た気がする。

 やるじゃないか、さやかちゃん。


「でもわたし、忘れませんよ? 先輩方がこれからもこんなこと続けるなら。主人公をいじめる悪役のモデルはずっと、先輩方です。最初は先輩方の名前から一字ずつもらって、首謀者の名前にします。四、五作目くらいまでは使えるかな。名前を使い尽くしたら今度は、うっすら特定できるように、この町の名前とか学校名とか、部活名とか実家の職業とか、容姿や口癖を使います」


 眼鏡の子が「ひぃっ」と息をのんだ。不甲斐ない手下に舌打ちをしたポニーテールが、性懲りもなく突っかかる。

「そんなことして許されると思ってんの? 個人情報じゃん」

「許されるって、誰に? お許し出すのが得意な先輩にですか? 個人情報のことだったらご心配なく。法律に引っ掛からないように、ちゃんとぼかした表現にしますから」


 どんどん力強くなってくる口調に連動するように、さやかちゃんを包む光はまばゆさを増していく。猫っ毛を逆立てて奮闘するソラの姿が透けてみえるようだ。


「わたし、有名になってもなれなくても、書いた本は必ずこの町の図書館全館に寄贈します。いじめ問題の講演を頼まれたら、まっ先にこの町のホールで講演します。先輩方はこの町で、お山の大将のまま、ぬくぬくと生きていきたいんでしょう? モデルを特定されるような本をばらまかれて、自分たちを糾弾するような講演をされて、大丈夫ですか? こんな狭い町で? 自分の子どもに、あれってお母さんのことなの? って訊かれて平気ですか?」


「脅してるつもり? 卑怯者!」

 たまりかねて叫んだポニーテールに、さやかちゃんはきっぱりと答えた。


「卑怯? 先輩がわたしに、卑怯って言葉を使うんですか? わたしは、わたしができるたったひとつの方法で、卑怯な仕打ちに対抗しようとしてるだけです。先輩方みたいに、手近なところで鬱憤を晴らしながら生きてくつもりなんかありません。いじめられてる人たちの希望になるような小説を、絶対に書いてみせます。書くことで自分も他の人も、守りたいだけです」


 蛹から孵る蝶のようにきれいに背を反らせて、ソラがさやかちゃんの身体から脱け出た。小さな身体に光が収斂する。

 満足そうにコクリとうなずき、ソラは僕めがけて駆けてきた。

「陸、ただいま!」

 元気な挨拶に「おかえり、ソラ」と囁き声で答える。


「ソラ、がんばったぴる。さやかちゃんと一緒に、つらら先生のネーム、全部言えた。さやかちゃんのキモチと言葉、もう、ちゃんとつながってるぴる。あとは口に出すだけ。がんばれ、さやかちゃん、ぴる!」


 ソラはベンチの上に飛び乗った。爪先立ちして『民衆の歌』を歌い出す。

 戦うと決めたあの時のように、さやかちゃんがふと、あたりを見回した。

 わずかな間のあと、ポニーテールに視線を戻して口を開く。


「でも先輩。わたし、いじめの体験は活かしたいけど、できればキャラクターの名前や設定は、一から考えたいんです。不愉快な名前で作品を汚したくないし。先輩方はこれからも私にかまって、どうしてもわたしの作品のモデルになりたいですか?」

 眼鏡にボブの子は早くも入口方面へと後ずさりを始め、ショートカットは彼女に追随すべきか迷っておたおたしている。

 

 ポニーテールが顔を歪めて叫んだ。

「あんたの本のモデルなんて冗談じゃない! キモイのに関わってる時間がもったいないっつーの。ファスナー下ろそうが優等生面しようが、もう好きにすれば?」

 最後の虚勢を張りながら、ポニーテールは肩を怒らせて去っていく。お付きのふたりがほっとしたようにそれに続いた。


「やったぴる! さやかちゃん、敵を完膚なきまでやっつけたぴる! わーいわーい」

 見えなくなるのを待って、茂みから出た。わーいわーいと跳ねまわるソラとは対照的に、さやかちゃんは呆けたように立ち尽くしている。


 何か言葉をかけようとして、さやかちゃんの口が動いていることに気付いた。メロディーらしきものを口ずさんでいる。聞き取れないほど微かな声で。


 この歌は。


 さやかちゃんがハミングする『民衆の歌』は徐々に大きくなっていく。遠くから近づいてくる革命の足音のように。

 ソラがうれしそうに拳を振り上げ、一緒に歌い始めた。


 与えられた曲をおとなしく歌う身分に飽き足らず、反乱中のボーカロイド・ソラと、圧政を敷く先輩軍団に敢然と反旗を翻したさやかちゃん。二人の少女は押し込められた檻を壊し、明日に向かって手を伸ばしたのだ。

 そうだ、この歌はきみたちにこそ似つかわしい。


 ソラが「さあほら、あなたもご一緒に!」的な合図を送ってきたが、一緒に歌ってはいけない気がした。今に楯突く勇気も明日に繋がる夢も持っていない僕には、きっと参加資格はない。目を細めて少女たちを見守る爺の役で充分だ。


 最後のフレーズを高らかに歌い上げたさやかちゃんを、拍手でねぎらう。

「お疲れさま! 大勝利だね。……今のって、お気に入りの歌?」


 さやかちゃんは恥ずかしそうに振り返った。

「この歌、なぜか昨日から耳について離れないんです。不安になると必ず、励ますみたいに聞こえてきて。空耳なのかな? でも、不思議なの。ぴるぴる、ぴるぴるって、すっごくヘンな電子音なの」


 ソラががっくりと肩を落とした。

「すっごくヘンって……さやかちゃん、あんまりぷ……」


 しょげなくていいよ、ソラ。

 イヤモニなしでもきみの歌は、きみのキモチは、ちゃんとさやかちゃんに届いてたんだ。一緒に心ゆくまで歌うといい。


 少女たちよ、臆するな。革命の狼煙を上げ続けるんだ。

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