第4話昔話

むかしむかし在る所に竹取りの翁と言う者が居た。日々山に入り竹を鉈で伐り取っては家に持ち帰り、取って来た竹を細工しては籠やざる等をこさえてはそれを街に売りに行くと言った暮らしをしていた、翁には同じ年頃の伴侶が居ったが二人の間には子な無く、が、それでも恙無き毎日を一生懸命生きて居た。翁はそんな毎日に満足もして居た。ある日の事、翁は何時もの様に山に入り、竹を取って居た、とすると直ぐ目の前に生えて居る竹の根元辺りが黄金色に光り出した、ぼうっと浮かび上がる様に・・・

翁は不思議だとも思ってはみたがとにもかくにも切ってみようと光る竹に鉈を降り下ろした、かんっという音と共に竹は斜めに切れた、するとどうだ、その竹の中に小さな人間が座って居るではないか、驚いた翁は兎に角その人間を家に連れて帰り、女房に事の次第を説明した。

するとその小さな人間はみるみる大きく成り、丁度人間の赤子位の大きさに、いや、正に赤子そのものとなった。驚いた翁と女房は思わず家の外に飛び出した、そして戸の陰からそおっと中を見ると、さっき赤子になったばかりなのにもうはいはいをしている、凡そ普通ではない、が、赤子は赤子、二人は気を取り直し、その赤子に近寄ってみた、すると又少し大きくなって居た髪が黒々と生え、面立ちもハッキリし始めた、性別はと股間を覗くとかどうやら女児の様であった。そんな驚いた子供が居るで在ろうか?が、子供の居なかった二人にはこれ幸いな事と思い、その子供を育てる事にした。子供は毎日大きく成り、あっという間に世にも見目麗しい姫に成長した。

姫の名は【かぐや】と名付けた。

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