第弐頁
最初に感じたのは
その理由は意識がはっきりしていくに連れてすぐに分かった。
圭太は砂の上に寝ていた――いや、倒れていたのだ。
(……僕は……何でこんなところにいるんだ?)
(……確か……
思考は
半分だけ起き上がろうとしたような
(――な……に……)
息がつまった。体全体に
†††◇†††
次に気が付くと、どうやら
「気が付いたか」
自分でどんな
だが圭太の意識がはっきりするより前に、男の声がして、状況を説明し始めた。
「あぁ、
圭太はかなり穏やかでない言葉を聞いたような気がしたが、全身を包む気だるさから気に留めることもせず、眠気に任せて再び目を閉じた。
「エン……前にも聞いたことがあるような気がするけど、今のは異世界の言葉?」
火を囲む仲間の一人が不思議そうに尋ねた。
「あぁ、そうだ、向こうの言葉だ。昔、習った」
「そう……シルフ様に?」
「…………まぁな」
苦笑しながら
そんな時だった。本当に、ほんの
ぐらり、と地面が
「またか。……ここ一年
いかにも戦士
「わたしたちが出来ることって、本当に、何なのでしょうね……」
ぽつり、と、先ほどエンがユノと呼んだ女性が
「ただ、彼らを
エンが
†††◇†††
そこで、少年を入れて六人となった一行は、
圭太はエンの乗る馬に乗せてもらった。
五人の暮らす区域へ向かっているというこの道中、圭太は
どうやら彼以外の人は日本語が分からないようだ。
しかしそれだけの
「……ここは、ナクォールなんですか?」
圭太は馬に
「
少々
「……あなたは一体……」
「
「じゃぁ、あなたも市兄の本のな」
「何だって? 『いちにい』ってのは
ぼそぼそと
圭太の言葉も終わらないうちに、
「えっ?
逆に圭太も
その本名など、いかに
と言うことは……
それを考えたら、圭太には何もかもが
(そして最悪の可能性を全部
「
圭太は
「……
「……な……何だと……!?」
エンが目を
「それで、
圭太は激しく首を横に
「………………一体何があったんだ!」
信じられないことを知ったという様子で、彼は少年に
このひとは、
ならば──この
圭太は
一年ほど前から、
そして数日前……彼は
谷に
それも、考えなしに
圭太は
読んでいる間ずっと
自分が泣きながら読んだこと以外を一息に言い終わると、少年は何故だか
「……最近
圭太の話を全部聞き終わってから、エンは
「…………これは、
たまらず、もはや半分泣き出しそうな表情で少年は叫んだ。
青年はそれに、何とも言えない
「……すまないが、今ははっきりと
彼は苦しそうな表情を浮かべてそう言った。
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