@miso

第1話 夏の四日目

肌寒いと思うのは何故だろうか。汗ばむ身体に鞭を撃ち、土嚢を運ぶ。腰の悲鳴に聴こえない振りをしながら次から次へと。

「なんばしよっとかきしゃん」

日本語喋れ。怒声が飛び交う。いつもの風景。なにも考えずに土嚢を運ぶ。点滅しない信号をくぐり抜け電柱へ向かう。辺りの緑が鬱陶しい。近くにコンビニひとつない山間。朝から響くセミの悲鳴だけがバックミュージックとして機能していた。

それにしても寒いのではないか。不思議に思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

@miso

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る