異世界につながるトンネルを育てることができるキットです。

トンネル栽培キット(1/4)

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 夏休みに 自分だけのトンネルを 育ててみよう!!

 きみのトンネルは どんな異世界に つながるかな?


(説明書をよく読んで 大人の人といっしょに 育ててね!)


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※ 保護者の方へ


  栽培の前に必ず付属の説明書に目をお通しください。


  【トンネルの栽培をわらせたいときは・・・】の項目をご確認の上

  トンネルの栽培を始めていただけますようお願いいたします。




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 商品名:トンネル栽培キット

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 7月31日(金) 晴れ


 今日、神社の夏まつりに行って、「トンネルさいばいキット」を買った。

 そのおまつりは、毎年、近所の神社でやっているおまつりで、今年も友だちといっしょに行って、いろいろ買った。りんごあめとか、たこやきとか、水ヨーヨーとかを買っていたんだけど、そういうのはいつもおまつりで買っているものだから、何かほかに、買ったことのないめずらしい物はないかと、みんなでさがした。そんなとき、神社のすみっこで、「トンネルさいばいキット」を売っている屋台を、見つけたというわけだ。

 その屋台のおじさんは、「めずらしいよー。おうちでトンネルを育てられる、トンネルさいばいキットだよー。」と言っていた。それを聞いて、いっしょにいた友だちとみんなで、「トンネルのさいばいキットなんて、たしかにめずらしいよな。おもしろそうじゃん!」と言って、それを買うことにした。

 友だちの一人が、「みんなでそれぞれ一こずつ買って、だれがいちばん大きいトンネルを育てられるか、きょうそうしようぜ!」と言ったので、そうすることにした。

 トンネルさいばいキットのねだんは、少し高かったけど、夏まつりのために、おじいちゃんとおばあちゃんからお小づかいをもらってきていたので、ぜんぜんよゆうで買えた。

 このさいばいキットで、どんなトンネルが育っていくのか、今からとても楽しみだ。


 というわけで、今日から毎日、このノートに、トンネルの成長かんさつ記ろくをつけていくことにする。

 そうだ。せっかくだから、これを、夏休みの宿題の自由研究にして、提出しよう。自由研究に何をしようか決めていなかったから、ちょうどいい。

 とりあえず、今日は、さいばいキットのせつめい書に書いてあるとおり、トンネルの種に指でへこみをつけて、種のそばに、おやつのミニドーナツを3つおいた。ドーナツは好きだし、本当はすぐに自分で食べたかったけど、はやく大きなトンネルを育てるために、ここはがまんだ。


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《トンネル栽培キット:商品説明》


 このたびは、「トンネル栽培さいばいキット」をおげいただき、まことにありがとうございます。

 この栽培キットは、ご家庭かてい簡単かんたんにトンネルをそだてることのできるキットです。普通ふつうにトンネルをつくるときのような大がかりな工事こうじなどは、もちろんいっさい必要ひつようありません。

 トンネルの栽培は、簡単ですがおくふかく、ちいさなおさまから大人おとなかたまでたのしめます。また、トンネルを育てたことがないという初心者しょしんしゃの方でも、この栽培キットを使えば、失敗しっぱいなしにトンネルをおおきく育てることができます。

 どうぞ、自分じぶんで育てるトンネルの成長せいちょうを楽しんでください!




【トンネル栽培キットで育つトンネルの特徴とくちょう


 このキットを使って育てたトンネルは、最初さいしょはりけたあなくらいの大きさで、そこからどんどん大きく成長していきます。

 トンネルの成長にわせて、トンネルはさまざまな世界せかいつながります。

 トンネルがある程度ていどの大きさになったら、そのこうをそっとのぞいてみてください。あなたが育てたトンネルのさきには、はたしてどんな世界がひろがっているでしょうか……?

 また、ときには、トンネルの向こうの世界にものが、トンネルをとおってこちらの世界にやってくることもあります。

 自分で育てたトンネルをつうじて、向こうの世界にお友達ともだちができるかも!

 そんな楽しみ方もできる、ゆめが広がる栽培キットです。




【トンネルの育て方】


 トンネルの栽培方法さいばいほうほうはとても簡単です。栄養えいようあたえれば与えるだけ、トンネルはどんどん大きく育っていきます。

 トンネルを育てるための栄養は、「おそなえ」というふうにばれます。

 トンネルに与える「お供え」は、っかじょうもの、あるいは筒状つつじょうの物で、輪っかよりも筒のほうが、トンネルにとってはよりおおくの栄養になります。



 栽培方法の手順てじゅんは、以下いかのとおりです。


①キットのなかはいっている「トンネルのたね」とかれた小袋こぶくろけて、種をし、その種の表面ひょうめんゆびして、いっしょにだけ、かるくへこみをけます。


②へこみを付けた種のすぐちかくに、「お供え」をいて、半日はんにち~1日ほどちます。


③へこみを付けた箇所かしょに小さな穴が開いて、その穴から向こうがわえるようになれば、トンネル貫通かんつうです。


④トンネルが貫通したら、あとはつづきトンネルに「お供え」与えつつ、トンネルの向こうの世界を覗いて楽しみながら、トンネルがこのみの大きさに成長するまで育て上げましょう。




【トンネルの栽培をわらせたいときは・・・】


 トンネルは、たとえ途中とちゅうで「お供え」を与えるのをやめたとしても、自然しぜんふさがることはありません。

 トンネルを塞いで栽培を終わらせてしまいたいときには、トンネルに「お供え」ではなく「にえ」を与えてください。

 この「生け贄」については、「お供え」とはことなり、かならず生き物を使用しようする必要があります。生き物でない「生け贄」には、トンネルを塞ぐちからはありません。

 トンネルは一種いっしゅの「みち」であり、いったん繋がった「道」をるためには、大変たいへんなエネルギーが必要になります。そのエネルギーをトンネルに与える役目やくめが「生け贄」なのです。

 必要な「生け贄」の大きさは、育ったトンネルの大きさによってわります。

 アリが通れるくらいのトンネルであれば、アリを生け贄に。ネズミが通れるくらいのトンネルであれば、ネズミを生け贄に。とりが通れるくらいのトンネルであれば、鳥を生け贄に……といったように、トンネルの大きさに合わせた「生け贄」を与えて、トンネルを塞いで栽培を終わらせてください。


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 8月1日(土) 晴れ、ときどきくもり


 朝おきて、つくえの上においておいたトンネルの種を見たら、もう、トンネルがかんつうしていた!

 せつめい書には、「さいしょは針で開けた穴くらいの大きさ」と書いてあるけど、じっさいにかんつうしたトンネルは、それより太くて、ストローくらいの直径があった。昨日、お供えのミニドーナツを、ふんぱつして3つもあげたおかげだろうか。

 それでも、トンネルの穴はまだ小さいので、穴のむこうがどうなっているのかは、よく見えない。ただ、30分ごとくらいの間かくで、穴のむこうは、明るくなったり暗くなったりをくり返しているようだ。だから、げんざいのトンネルのむこうは、トンネルのこっちがわの世界よりも、ずっと短い間かくで、昼と夜とが入れかわる世界なんだと思う。

 それにしても、トンネルの穴をのぞいても、トンネルの種のむこうにあるもの、つまり、ぼくの部屋の景色なんかは見えなくて、ちゃんと、トンネルのむこうにある世界が見えるのは、とてもふしぎなかんじだ。いったいどうなっているのだろうか。

 今日は、わなげのわを10こ、トンネルへのお供えにしてあげた。わなげは、昔よくあそんでいたおもちゃだったけど、もういらないし、お母さんが「いらなくなったおもちゃは、どんどんすててかたづけなさい」とよく言うので、ちょうどよかった。

 明日は、トンネルがもっとよく育つように、筒をさがしてきて、お供えにしようと思う。


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 ほそく


 トンネルの種は、大人の親指の先くらいの大きさで、たてに少し長くて、てっぺんが丸い、小さな山みたいな形をしている。種の底はたいらになっているので、種はたいらなところにおくことができる。

 さいしょ、へこみをつけるときにさわった種は、砂のかたまりのような、ねん土のような、石のような、そんなかんじがして、やわらかいのかかたいのか、なんだかよくわからなかった。でも、トンネルがかんつうしたら、穴のまわりの種の部分は、カチカチにかたまった。

 種の重さは、小石と同じくらいだ。トンネルの穴があいたので、そのぶん、今日の種は昨日より、ちょっとだけ軽くなったきがする。


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 8月2日(日) 晴れ


 朝おきたら、トンネルは、昨日よりも少し広がって、大きくなっていた。昨日はストローくらいだったけど、今日は、一円玉よりちょっと小さいくらいの直径になった。トンネルの穴が広がったぶん、そのまわりの、カチカチにかたまった種の部分は、また少しけずれて、昨日よりもさらに少なくなった。

 トンネルのむこうは、まだよく見えないけど、ときどきトンネルの中から、花のにおいがする風がふいてくる。今、トンネルのむこうには、花畑があるのだろうか。花のにおいはすごくいいにおいで、そのにおいをかいだら、きゅうにすごく眠たくなって、おきたばかりだったのに、またあっというまに眠ってしまった。

 今日は、トンネルにお供えするために、たくさん栄ようがある筒をさがした。家の中をさがしてみたら、トイレットペーパーのしんが、トイレの中におきっぱなしだったので、それをもらうことにした。あと、お母さんに聞いてみたら、ラップのしんがあったので、それももらった。

 でも、トンネルにあげるための筒をさがしていることは、お母さんにはないしょにした。なぜかというと、トンネルさいばいキットのことが、お母さんに知られたら、「また、へんなものを買って! むだづかいしちゃだめって、言ったでしょ!」と、おこられそうだからだ。だから、ラップのしんは、工作に使うと言ってごまかした。

 ラップのしんは長いから、きっと、栄ようもいっぱいあると思う。

 明日には、どれくらいトンネルが育っているか、楽しみだ。


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 ほそく


 トンネルにあげたお供えが、どうなるのかというと、ふしぎなことに、わっかでも筒でも、いつのまにか、その穴が消えてなくなってしまうのだ。

 穴が消えるということは、つまり、穴がふさがるということだ。

 最初の日にお供えした、ドーナツの穴がふさがったときは、もとのドーナツよりも量がふえて、ラッキーだと思った。それで、どのくらい量がふえたのか、重さをはかって調べてみた。でも、そのドーナツは、穴のふさがっていないドーナツと、ほとんど重さはかわらなかった。ほんのちょっとだけ重さのちがいがあるとはいえ、それは、ご差のはんいだろう。

 穴がふさがったところは、手でさわることもできるし、たしかに間違いなくふさがっているのに、穴がふさがる前と後で、ドーナツの重さはかわらない。どうなっているんだろう。とてもふしぎだ。でも、とにかく、トンネルにお供えしたものは、そんなふうになってしまうのだ。


 だから、だいじなわっかや筒は、トンネルの近くにおかないように、気をつけなければいけない。いくらわっかの形をしているからって、お母さんの指わとか、ブレスレットとかを、トンネルのお供えにしようものなら、たいへんなことになってしまう。ぼくの持ち物でも、だいじにしてる万げ鏡とか、ちえのわとか、あと、学校で使う立て笛とかは、まちがってトンネルの近くにおかないように、注意しなければ。


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