第18話
防具のステータス確認すら済んでないのに運営からの連絡か。
『お知らせ』
東西南北に存在する大型モンスターのうちの一体である『焔雷狼』が討伐されました。
討伐者
にゃん吉
なんだろうか、このふざけた名前の討伐者は。これでもし犬の獣人のキャラなら完全にネタだな。
いや、そこじゃないか。これ、どこのボスなんだろうか。
東か、はたまた西か。西は草原、東が湿地か。
西のボスかな?
「西でしょうね」
だよね。心を読まれてることは突っ込まない。
「リザもそう思うのか」
「ええ。ルイも、というか全員そう見たいね」
まぁ、そらそうか。全員そう思うわな。
「ていうか、こんな通知いくのか」
「あ、ボクもそれ思った。これじゃにゃん吉さらし者だよね」
晒し者とか言ってやるなよ。にゃん吉さん可哀想じゃんか。
「ていうか、にゃん吉ってすごい人?」
「βからいる人だぞ!たしか双剣使いだったように覚えている」
おお、ロックでも知ってるのか。なら相当の有名人なのだろうか?
「クロナ、いちよう言っておくけれど、ロック賢いわよ?」
え、まじで?料理できて賢いとかロックハイスペックすぎるんじゃね?え、まじでハイスペックすぎるんじゃね?
これでリアルイケメンとかならロック完璧超人じゃんかよ。いやまぁ、ないか。これだし?
「というか、なんでリザとクロナ君は会話をしている様な雰囲気になってるんでしょうか」
いや、なんでって。ラウェルナ、大体の人が俺の考えてること読めてるから喋らなくていいかなぁ、と思ってるからだけど?
なんでラウェルナは驚いてるの?
「いや、いいわけないでしょう」
だよね。俺も他人にやられたらムカつくわ。
「だから喋りなさいと」
「いや、つい。なんか最近俺喋らなくても会話出来るからさ……」
「えーっと......。なんでリザとくろにゃ君とが会話が出来てるのかボクにも分からないんだけど」
全員頷いてやがる、なんでだよ。
「いや、客観的に見たらそうなるわよ?」
「デスヨネー」
「いや、2人で納得しないで?というかくろにゃ君とだいぶ仲良くなったねぇ、リザ」
「まぁ、2日間ずっと一緒にいたしなぁ……。ん、いや3日間か?」
「......へぇ」
あ、やべ。シエルがなんか思いついた顔してる。これ絶対にめんどくさいやつだ。え、どうする?
いやでも俺のせいじゃなくね?事実伝えただけだしさぁ?俺悪くないよな。
「完全にあなたのせいよ?」
あ、怒ってらっしゃる。いやでもあれだよ?他に言いようなくない?
「ま、それはいいとして。これからどうするか。これが一番の問題だ。僕達5人はとりあえず蠍を殺ろうかなぁ、と考えてるけどね」
「俺は北だ。あんのクソゴリラ、今度こそ負けん」
「そうか。まぁ、無理はしたらダメだからね?」
「おう」
まぁ、無理はしないよ。うん。多少の無茶はすることになるかも知れないけどさ?それくらいは許して欲しいな。だからリザ、こっち見ないで欲しいです。
「じゃー、俺行くわ。補給して……。あれ?この世界ってどうやって物売ればいいの?」
全員が呆れた目で見てたけど知らないものは知らないのだし仕方ないと俺は思うんだが。
「冒険者ギルドで買取してるよ……。これが今の最前を行くプレイヤーとは……」
「ルイ、聞こえてるからな?後半もバッチリ聞こえてるからな?呆れられても知らんものは知らんのだよ」
「ドヤ顔で言うことじゃぁないよ。場所は、マップ出して。……ここ、いい?ここだからね」
「そんな念押ししなくても大丈夫だわ!初めてのお使いのオカンか!見たことないけどな」
「あ、僕も。紅白見る派」
「だよな!……いや、どっちでもいいわ。じゃ、蠍討伐頑張れよー」
ギルドを出て冒険者ギルドへと向かう。この冒険者ギルドのギルドは組合、という意味だ。つまり冒険者組合ということだ。俺が所属しているギルドとは違う。という事をギルドで説明された。ここでのギルドは俺が所属しているギルドの方だ。……ややこしいんだよ!!
冒険者組合、組合って呼ぶか。
組合について、森で取ってきたものを売った。登録なんかは必要がなかった。依頼などはあったがね。
で、合計で36000Gだ。なかなかではないだろうか。
リザにだいぶ渡してこれだしな。うん、上々だ。
そしてそのまま訓練所にむかう。弾の補充だ。
そしてついた訓練所の横では、大きな建物を建てている途中だった。
「あ〜、クロナ君じゃないですかぁ」
「あー…...、黒い人」
「だれが黒い人だ、ああ?リーシェですよぉ」
「うす、リーシェ久しぶり。あれなにしてんの?」
「闘技場を作ってるらしいですよ?」
「へー......」
なんだろうか、大会でも開くのか?それともPVPをするためだけの場所か?
「そんなことより、今日はどうしましたぁ?」
「ん?弾の補充に」
「在庫全部で50000発ですぅ。50000Gですよぉ」
「俺に全部売るのかよ。そして36000までしか払う気ないぞ」
「ならそれでいいですよぉ」
いいのか……。緩いぞ。
「なら、ほい」
「どうもぉ」
「じゃーな」
「ではぁ。あ、あと忠告ですよぉ。魔物って神様が生き物の間引きで作ったらしいのでー、倒し過ぎたりするとどこかで辻褄合わせるらしいですよぉ」
「んー…?まぁ、覚えておく」
どういうことだ?倒しすぎると強力な個体が現れる?それならプレイヤーに伝えると本気で狩り尽くされるかもしれないのだがな。後でルイにメールしとくか。ギルメン以外には秘匿しといた方が良さげだな。うちのギルドなら危険性を理解して動くはずだからな。
さぁ!ゴリラ!今からお前をやりにいってやる!
あ、武器防具の性能見るの忘れてた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます