第16話
ギルドでの話し合いを終え、解散となる。俺はリザと向かい合ってまだ座っているがな。
「で、私に話、というのはなにかしら?」
「あぁ、武器を作ろうとな」
「私に作って欲しいと」
「いや、自分で作るから教えてほしいな、と」
「......つくるって、簡単に言うけれどスキルは持っているのかしら?」
「鍛冶スキルはいちよう」
「そうね……鍛冶があるなら武器に限れば大きな問題は出ないでしょうね。まぁ大枠を作ってくれればあとの微調整なんかは私がするわ。ギルド専属の職人としてその程度はさせて頂戴。あとは防具も作った方がいいわね、後で採寸しちゃうわね」
「おう、頼む。で、ぶっちゃけるけど武器の作り方とか全く持ってわからんのだがどうやるんだ?」
「どう、と言われても……PSが無ければどうにもならないのよね。こういってはなんだけれどスキルが無くてもそこそこの武器は出来るのよ」
まじかよ、psとか、俺鍛冶とかしたことねぇわ。
「まぁ、スキルによる補助はあるからそこまで心配しなくてもいいと思うわよ?」
「それは安心できる」
「で、問題はどういうものを作りたいのか、ということよ」
「ああ、すでに考えてるんだけどな。こういう……」
「なるほど……ここはこうして……こうはどうかしら?」
「それも面白いな!採用、あとはここをもっと……」
「そうね、けれどそこを……ここが......」
武器についての構想を話し合う。こうやって本職の話を交えながら、武器について考えていけるというのは凄くいいこと何ではないだろうか。
「こうね、これがとりあえずの設計図。銃なんて作ったことないから上手くいくか分からないけれど、そこはこのギルドメンバーの武器だもの、専属として意地でも成功させてみせるわ」
「頼もしいな」
「本職だもの。さ、防具の採寸をしちゃいましょう。どんな服がいい、みたいな要望はあるかしら」
「そうだな、動きやすさ重視で、あとは隠密性も欲しいかな」
「なるほどね、なら布メインで要所要所に魔物から取れた素材を使いましょうか。色は黒がいいかしらね」
「防具は任せる、俺わかんねぇし」
「採寸終わり。じゃあさっさと製作開始しましょう」
「おう、素材とか何もないけどな」
「鋼材はあるわ、あとは北の山篭りで取れた素材見せてくれる?」
あぁ、あんまりいいもの取れてないと思うがな。あ、熊のは使えるかも。
「えーっと……ゴブリン多いわね。これ、これとこれとこれ。あとはそうね、これも使えるかしら?」
「全部使わないし使っていいぞ」
「ゴブリンのものは要らないわね」
「ですよねー」
ゴブリン切ないな。生産職に要らないとか言われてんじゃん。い、いやリザは武器防具専門だからなのかも知れないし……。それにしてもゴブリン切ないな。
「木彫りの熊?これは?」
「あ、俺がキャラメイクの時に彫ったやつ。なかなか頑張ったぞ」
「……そうね、かなり良い出来ね」
「だろ?」
「使い道はないけれど」
「おい、言うな」
「その辺に飾っておく?」
「んー、まぁ無駄にストレージ使うのもあれだしそうするか」
「そうね。あ、熊の毛皮追加で今度とってきて欲しいのだけれど」
「足りないか?」
「あなた分はありるのだけれどね、この際だからメンバー全員作ってしまうことにしようかなぁって」
「了解、武器できたら狩ってくる」
「頼むわね」
ついでにゴリラ狩ろうかな。行くんならそれもありじゃないか?リベンジマッチ。
しっかりと狙えれば一撃でゴリラ倒せるだろ。うん、ゴリラ殺るか。
「……」
「え、なんで見てくんの?」
「防具が出来るまでボスには行かないこと、いいわね?」
「い、いやいかないよ?」
「いいわね?」
「……うす」
なんで俺の思考ってみんなにバレるんだろうね。お兄さん悲しくなっちゃうわ。そんなにわかりやすいんだろうか?俺。
全然自覚ないんだが。けどみんな読めてるしわかりやすいんだろうなぁ。顔に出てるかな?
顔を触ったり動かしたりしてるもリザに呆れられた。うん、だよね。
「何をやってるのかは知らないけれど、はじめましょう?」
「あ、はい」
また今度確認しよ。
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