第13話
迫る豪腕を避けて、反撃として自動小銃で銃撃を行う。しかし銃弾をよけられる。
銃弾避けるとか反則すぎんだろこのゴリラ!!
戦闘を初めてすでに5分経過。初弾からだが、このゴリラはどうやら銃口や目線などから射線を読み、避けることができるようだ。ハイスペックゴリラだな。
名前はクレバーゴリラゴリラゴリラらしい。ゴリラが重複しすぎてよく分からないことになっている。
運営何考えてこんな名前を付けたんだろうな!!
考えている間にも相手の攻撃は止まない。名前はふざけているがこいつ、今までの敵と比べて圧倒的に強い。
弾が切れ、攻撃を避けながら自動小銃のリロードを行う。
慣れたおかげで自動小銃なら1秒ほど、リボルバーですら2秒程度しかかからない。かからないのだがこのゴリラ相手では致命的なまでに遅い。
振るわれる腕をひたすらに避ける。相手に隙が出来るまで、ひたすらに。
少しの隙では確実にこのゴリラは避けてくる。これまでのやり合いでそれは嫌というほど理解している。だから、避ける。
どうする?何か勝つ方法はないか?周りを見てみるがあるものは木。それだけである。
その木もゴリラの豪腕に掛かれば小枝のように折れてしまっている。
じりじりと追い詰められていっている。このまま持久戦を続ければ間違いなく俺が負ける。かといって焦っていっても俺が負けるのは火を見るより明らかなことである。
あれ?つんでる?
おそらく、おそらくだがゴリラから逃げることは出来るだろう。しかし、今はまだ逃げる段階ではない。まだ、リボルバーに入っているアレなら勝てる可能性は十分にある。普通の銃弾ではおそらくコイツには効果が薄いだろうから、アレを当てることが出来れば勝機は、おそらくある。《追尾弾》を使えば当てれる、と考えるかもしれないがあのゴリラ、《追尾弾》は折った木でぶっ叩いて止めてきた。なんという規格外。
俺が後ろにジリジリと後退しながら戦っていたがドン、という衝撃を感じ、止まってしまう。
後ろにはかなり大きな木。致命的な隙。ヤバイ!!
ゴリラの豪腕が振るわれてくる。
「《練気》ぃ!!」
全力で上に跳ぶ。ギリギリのところでゴリラの豪腕をかわすことに成功する。今なら、あてられる!!
そう思い、リボルバーをと自動小銃を向ける。するとゴリラと目があう。
なんだ......?リボルバーを見ている?
嫌な予感がする。アレの入っていない自動小銃で撃つ。
するとゴリラは殴っていない方の腕で弾を受け止めた。そう、受け止めたのだ。ゴリラのHPバーは減ったように見えない。減っていても数ドットレベルだろう。そして、そのまま振られる腕。殴ったあとで体制が崩れているとはいえ、木を小枝のように折るゴリラの攻撃だ。まともに受けると死んでしまうだろう。
「《雷脚》《練気》!」
スキルを2つ発動し迫る腕を蹴る。HPバーが3割ほど削れるが距離を取ることができた。
ゴリラはすぐに俺が飛んできた方向へと走ってきている。
これは……チャンスじゃないか?俺はすぐさま身を隠すために動き出す。あのゴリラのことだ。匂いなんかで気づいてくる可能性もある。木の上を移動するしかないだろう。幸いなことにかなりぶっ飛ばされたおかけでゴリラがここにくるまであと10数秒はかかる。これが訪れた最後の勝機。
全身痛いが、あのゴリラをやれるならまだ頑張れる。
「覚悟しろよ、クレバーゴリラゴリラゴリラ」
......あいつの名前フルで言うと締まらないな。
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