第7話
とりあえず、射撃訓練をあと少しやろう、ということで明日のこともあるし弾を買いに、訓練場備え付けの売り場へ行ったところ、弾を大量に買えた。
売り子さん曰く、「銃なんて使う人いままで見たこともありませんでしたし、なんで売ってたかぎもんだったんですよ。あ、使う人他にいないと思うんである分全部売りましょうか?全部で23426発あるんですよねぇ。1発1gですよ」とのこと。全部買いましたはい。ついでにこの街ではここでしか弾を取り扱ってないらしい。なんとなく、錬金術の使い道が見えた、というよりも俺に錬金術スキルがあった理由がわかった気がする。
要するにあれだろ?俺に自分で弾作れってことだろう?やってやるよ。
そうして、3000発程射撃訓練を行った。スキルレベルもあがり、なんと5まで上がった。新しくアーツも一つ増えた。その名も《追尾弾》。その名の通りの効果なのだが、なかなかに面白い性能だった。まず使うと任意の物をロックできる。そして打ち出すとそこに飛んでいくのだが、反対の方向に向けて撃ってもそこに飛んでいくのだ。楽しくて濫用したらspが切れた。ルイがこっちを見て笑っていた気がするが気にしないでおこう。そして、さらに面白い事がわかった。《爆裂弾》と《追尾弾》を一緒に使うことができたのだ。ホーミングして爆発する弾ができた。
ちなみに《追尾弾》だが、1度の使用でspを10消費するようだ。《爆裂弾》は5だった。クールタイムは30秒だ。なかなかに遅いが性能を考えると仕方の無いことだろう。spは大体1分で12回復することから1分1割何じゃないか、と予想している。
これで残りは2万発程になったが、まぁ問題ないだろう。
この段階でゲーム内で17時。開始された時が13時だったから4時間もしてたのか。実際には他のこともしたり、話したりしながらだからもう少し短いのだろうが。
余談だが4時間いても誰ひとりとして人が来なかった。これでは潰れるかも、という話が出てくるのも肯ける話である。
途中でルイが昼ごはんを食べるということでログアウトして行った。まぁ、いまリアル時間だと1時過ぎ頃だしな。昼ごはん時だろう。ちなみに俺はすでに食べた。
ご飯といえば、このゲーム内では空腹などのバッドステータスなどはない。そのかわりリアルと同じような弊害がでるのだ。空腹感や満腹感すらもリアルと寸分違わない感覚だった。訓練途中でパフォーマンスが落ちてる、と思ったら腹がなったのだ。その時は配布されていた携帯食料と水でお腹を満たした。水を飲みすぎて気持ち悪くなったのはすでに封印したい記憶である。ルイ、笑って見てないで止めてくれればいいじゃないか……。
携帯食料はカロリーマイトの味がした、というかまんまカロリーマイトだった。うん、美味しかったけどさ……なんでanother内にあるんだよ。
そして少し休憩してゲーム内18時。次は格闘の訓練をした。入口から一番近い位置が近接の訓練を行う場所だ。これを4時間、22時まで続けた。その
ということで合計三つのアーツ詳細を一気に紹介していこう。
まずは元から覚えていた2つ。
爆裂掌
使った後に手のひらを使い物を叩くと爆発を起こすアーツだった。消費spは10。クールタイムは5秒だ。クールタイムが短いのは格闘スキルのアーツ共通の特徴だと思われる。ほかの二つも短いからね。
もう一つの初期アーツ。
雷脚
脚に15秒間雷を纏うスキル。消費spは25。クールタイムは20秒だ。ただし発動から20秒なので実質5秒である。蹴りに雷の魔法属性を付与する効果、があると予想している。丸太を蹴った時は焦げてた。あと、トイレに行きたくなった時に偶然に分かったのだが、というかこの世界排泄まで再現してるのかという感じだった、そんなことより、分かったのだが走る速度が上がっていた。なかなかに有能なアーツである。
そして新しく習得したアーツ。その名も、練気。
練気
気を練り、力を込めることができる。消費spは5。クールタイムは5秒。
効果だけいうとよく分からない。うん、俺も意味わからなかった。が、試してみるとわかった。練気をした後に蹴りをしたら、いままで殴りや蹴りに使っていた丸太が、蹴り1発で折れた。凄まじい威力の上昇幅なんだが、踏み込んで蹴りをしようとすると踏み込みのほうで判定が出て地面が凹んだ。かなり扱いにくいスキルである。銃弾には効果が乗らなかった。引き金を引く動作に乗ってしまったようである。
それでも強力なスキルには変わりない。
うん、もう既に22時になってしまってるし、寝るとしようか。
.........どこで寝ればいいんだろう。
結局ねる場所が見つからなかったので蹴り折った丸太を抱き枕にして寒空の下眠った。
24時間営業で良かった......。わりと切実にそう思った。
◇
「起きてください。あのぉ、起きてください。ここで寝られると困るんですよぅ」
「......zzz」
「起きろって、言ってんだろうがぁぁぁ!!!」
後頭部に突然生じた強い衝撃で目を覚ます。知らない天井どころか天井がないぜ☆
「さむっ!」
「12月にそんな格好で寝てればそうなるわ!……こほん。起きてもらえたようでよかったですぅ。風邪とかひいてませんか?」
なんだろうか、職員と思われるお姉さんが起こしてくれたんだろうが、こう、取り繕った感満載のこの感じ。
「オイガキ……変なこと考えんじゃねぇぞ?」
「うす」
うん、何も聞いてないヨ?
まぁ、そんな事はさて置こう。今は9時。あと2時間なにか出来るな。
「そういえばぁ、なんでこんな所で寝ていたんですかぁ?」
何をしようかと考えていたら職員さんが話しかけてきた。まだいたのか。
「いたらまずいですかぁ?」
「なんでみんな俺の心読めんの?ねぇなんで?……はぁまあいいか。眠ってた理由はどこで寝たらいいかわからなかったからだ」
「はぁ……。分からなかったですかぁ。宿屋とってなかったんですかぁ?」
「どこにあるかしらん」
「あー、なるほどぉ。ではではぁ、今からとってきたらどーです?これ、地図ですぅ。こういう寝泊まりする方のために配られてるんですよぉ」
へぇ、俺みたいなやついるのか。これ遠まわしに宿替わりにするなよ?って言ってきてるよな。
まぁ、有り難く受け取るとしよう。これで時間までやることが決まったな。
「ありがとう。行ってみるわ」
「いえいえー、仕事なんでぇ。私、リーシェっていいますぅ。あなたは?」
「クロナだ。じゃあな、リーシェ」
リーシェ。うん、忘れないだろうね。だってこんなにも……
「なんだ?あ?」
「なんでもないです、サー!」
「私はサーじゃねぇんだよ!さっさと行けおら!」
……ね?忘れないでしょ?
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