殻に閉じこもるなんて言葉もわからないうちから、周囲の環境が三人を暗い方へと導いていた。与えられた闇を、同じように相手へと放つはがり。だって、その方法しか知らないのだから。身につまされる思いで引き取った義理の母の愛。それがしっかりと伝わったのは、彼女がいなくなってからだった。それでも伝わった。三人は変わっていった。彼女の思いを受け継いで上を向いて歩いて行く。番外編では、とても苦しい場面がありながらも、温かな気持ちにさせられます。是非、ご一読願いたい物語です。
希望に満ちた作品。養子として育てられ、またそれぞれに問題を抱えてこわばっていた3人の姉弟の心が、養母の言葉で氷解していく様子が見事。エピソードごとに視点が異なっていて、彼女らの心の動きがわかりやすく描かれている。登場人物の年齢が高めでとっつきにくく感じたが、最後には、人はいくつになっても変われるのだと思えたのがよかった。
血は繋がっていないけど、家族であろうとした母と、それぞれの問題を抱えた3人が支え合おうとする話です。家族のあり方は家族の数だけありますが、血が繋がっていなくても家族になれるんだと思えます。郁子さんに、3人は頑張ってますよーっと伝えたいです。番外編も楽しみにしています!─追記─完結おめでとうございます。星は星と廻り逢い、新たな物語を紡いでいく……星たちのこれからに想いを馳せつつ、あたたかい気持ちで、最後を読ませていただきました。5人の人生を是非、のぞいてみてください。