第8話 模擬戦

 最初にダンジョンに入ってから2週間ぐらい経った。

 毎日欠かさずダンジョンで実戦訓練をしていたお陰で勇者達は召喚された時より強くなった。

 俺の場合は実戦訓練(笑)だったがな。

 だって敵が全員一撃で死んじゃうんだもん!

 どれだけ手加減しても全く訓練にならなかったから俺はほとんど戦ってない。

 セバス達が交代交代戦っていた。

 俺が戦うのは俺が持っていないスキルを持っている魔物が現れたら戦いたいと皆に言って戦っていた。

 因みに静香の火傷や傷に関してはダンジョンから出た時に全て治した。

 魔力が上がったお蔭か知らないけどレベル1の回復魔法で全て治す事ができた。


 まあそんな感じでダンジョンに潜っていたら50階層まで行けるようになっていた。

 他の勇者達は40階層までしかまだ行けていない。

 この時点で俺のパーティーメンバーが他の奴等より強いのは分かるのだが、もっと分かりやすいようにステータスを見てみよう。


 俺のパーティーを除いて一番強い担任のパーティーのステータスはこんな感じだ。



名前 羽田 純也

性別 男


Lv 20

HP 292/292

MP 297/297

攻撃力 287

防御力 302

敏捷性 299

魔力 277

運 18


称号

 【異世界人】【勇者】【帝王級精霊の契約者】


▼スキル

 [剣術 Lv3][火魔法 Lv2][水魔法 Lv2][風魔法 Lv2]

[土魔法 Lv3][光魔法 Lv3]


▼固有スキル

 [勇者]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 帝王級]




名前 アドルフ

性別 男


Lv 20

HP 644/644

MP 578/578

攻撃力 602

防御力 555

敏捷性 594

魔力 628

運 80


称号

 【帝王級精霊】


▼スキル

 [槍術 Lv3][火魔法 Lv2][水魔法 Lv2][風魔法 Lv3]

[土魔法 Lv3][光魔法 Lv2]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 帝王級]




名前 田中 真悟

性別 男


Lv20

HP 278/278

MP 286/286

攻撃力 312

防御力 294

敏捷性 278

魔力 264

運 10


称号

 【異世界人】【勇者】【下級悪魔の契約者】


▼スキル

 [剣術 Lv2][火魔法 Lv2][土魔法 Lv2][光魔法 Lv2]


▼エクストラスキル

 [悪魔魔法 下級]




名前 ハーデス

種族 ストーンバット


Lv 20

HP 280/280

MP 300/300

攻撃力  279

防御力 308

敏捷性 288

魔力 304

運 10


称号

 【下級悪魔】


▼スキル

 [土魔法 Lv2][闇魔法 Lv2]


▼固有スキル

 [超音波]


▼エクストラスキル

 [悪魔魔法 下級]



 これが担任のパーティーのステータスだ。

 このまま行けば団長二人もすぐに抜かすことができるだろう。

 では俺のパーティメンバーのステータスを見てみよう。



名前 セバス

性別 男


Lv 24

HP 4385/4385

MP 4388/4388

攻撃力 4040

防御力 4390

敏捷性 4239

魔力 3913

運 100


称号

 【神級悪魔】【眷属】


▼スキル

 [格闘術 Lv2][投擲 Lv3][火魔法 Lv3][水魔法 Lv4]

[氷魔法 Lv3][風魔法 Lv3][土魔法 Lv3][雷魔法 Lv4]

[闇魔法 Lv5]


▼エクストラスキル

 [悪魔魔法 神級]




名前 ルーチェ

性別 女


Lv 24

HP 3935/3935

MP 4190/4190

攻撃力 4288

防御力 4363

敏捷性 3890

魔力 4615

運 100


称号

 【神級精霊】【眷属】


▼スキル

 [棒術 Lv3][火魔法 Lv3][水魔法 Lv4][氷魔法 Lv5]

[風魔法 Lv4][土魔法 Lv3][雷魔法 Lv3][光魔法 Lv5]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 神級]




名前 橘 静香 (たちばな しずか)

性別 女


Lv 24

HP 1602/1602

MP 1785/1785

攻撃力 1581

防御力 1692

敏捷性 1634

魔力 1765

運 26


称号

 【異世界人】【勇者】【最上級精霊の契約者】【眷属】


▼スキル

 [剣術 Lv3][風魔法 Lv3][土魔法 Lv2][光魔法 Lv2]

[回復魔法 Lv3][結界魔法 Lv2] 


▼固有スキル

 [勇者]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 最上級]




名前 ホワイト

種族 グラキエースレーベ


Lv 24

HP 2398/2398

MP 2399/2399

攻撃力 2653

防御力 2472

敏捷性 2625

魔力 2519

運 60


称号

 【最上級精霊】【眷属】


▼スキル

 [火魔法 Lv2][氷魔法 Lv4][雷魔法 Lv2][光魔法 Lv2]


▼固有スキル

 [咆哮][氷装]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 最上級]



 うん……圧倒的過ぎてね……何もいえないよね。

 俺ですらこんなことになるとは思っていなかったからな。

 そして俺の[眷属化]によってこうなってしまった本人達は俺を崇拝するような目で見てくるようになった。

 少し怖くなるときがあるほどだ……あれは狂信者の目だ。

 まだ少しだからこれ以上にならないように絶対にする。


 まあそんなことは今はどうでもいい。

 要は俺も含めて自分の身を守れるぐらいには皆強くなったということだ。

 そうすれば思うことが出てくる……旅に出たい。

 それは俺だけでなく他の勇者たちも思い始めたことらしい。

 その事が国王の耳に入ったらしく、俺達勇者は最初に国王に会った謁見の間に呼び出された。

 

「御主達が旅に出たいと言うのを風の噂で聞いての、少し試してみようと思ったのだ。何簡単なことだ。一つ模擬戦を行ってもらって、勝った者は旅に出てくれて構わない。負けた者は更にダンジョンで訓練を積んでもらう。本来ならば御主達がもう少し強くなってから行う予定だったのだが、無理やりにでも旅に出ようとするものが現れるかもしれなかったからな」


 国王は俺の方を見ながら言ってきた。

 確かにこの国からそろそろ出て行こうかなと思ってました。

 何故ばれたのだろう?

 確かセバス達パーティーメンバーにしか話してないはずなんだけど……その話してるときに盗み聞きされたか。

 最初の食堂での会話も分かっていたような感じだったしありえる。


 まあ良いや。

 模擬戦に勝てば堂々とこの国から出て行けるわけだし。

 でも、模擬戦をやる前に気になる事がある。


「模擬戦について質問しても良いですか?」

「何が聞きたいのかね?」

「模擬戦のルールと内容についてです」

「ルールは簡単だ。相手を気絶させるか降参させた方が勝ち、後相手を死なせてはいけない、それだけだ。内容は2対2の戦いで、御主達は契約した精霊か悪魔と組む。御主は両方と契約しているが組むのはどちらか一人だけだ。相手はマルコとバールにさせる」

「わかりました。場所はどこでやるんですか? 俺の方は準備ができているので今ここでやってもいいのですが?」

「まあ落ち着け。場所は中庭だ。他の者はどうする?」

「もちろんやります!」


 田中の答えを合図にするように皆模擬戦をやる旨を伝えた。

 でも俺は思う……俺と静香以外無理だろうなと。


 国王に連れられて中庭に来てみれば、完全武装のマルコとバールが待っていた。

 

「さて順番はダンジョンの到達階数が大きい者からだ。どちらが先に戦うかは御主達に任せる」


 到達階数は俺達のパーティーが一番だから、俺達が一番最初って事か。


「静香、俺が先に戦ってもいい?」

「もちろん構いません」

「ありがとう」


 そうと決まれば早く戦おう。

 対人戦は初めてだから少し楽しみなんだ。


「うん? 御主精霊か悪魔、どちらと一緒に戦うのだ?」

「ああ、別に俺一人で戦っても問題ないですよね?」

「問題は無いが……少しなめ過ぎじゃないか?」

「大丈夫ですよ」


 俺は国王にそう言ってマルコとバールの方に歩いていった。

 二人の近くまで歩いてきたらやたら睨まれた。

 俺悪いことしたっけ?

 覚えてないからしてないな。


「俺達もなめられたものだな」

「全くだ。ダンジョンでは仲間に任せてあまり戦っていなかったそうだが……自惚れるのもいい加減にしてほしい」

「何でも良いんですけど早くやりません? 自惚れかどうかも戦ったらわかるんですし」

「……なめるなよ、ガキが!」


 そう言うとマルコは剣を抜いて切りかかってきた。

 耀はそれを右に少し移動してかわしたが、マルコは上から切りかかっていた剣の軌道を無理やり変えて耀に合わせてきた。

 耀は剣の軌道を確認しながら右手で刀を抜き、その軌道に合わせるように刀を構えマルコの剣を受け止めた。


 マルコは自分の攻撃が片手で受け止められたのがショックだったのか目を見開いていたが耀の目には映っていなかった。


 対人戦は初めてだが勉強になる。

 そして何より魔物と戦うより楽しい。

 

「何が可笑しい?」


 おっといけない。

 どうやら考えていたことが顔に出ていたみたいだ。

 それにしても次から次へと面白いことが起きるな。


 耀はそう思ったのと同時にマルコと鍔迫り合いしていたのをやめて後ろに飛び退いた。

 すると先ほどまで耀が居た場所に火の玉が飛んできた。


「チッ」

「私の攻撃もかわしますか」


 火の玉で攻撃してきたのはバールだ。

 マルコが攻撃してきたのと同時に魔法の詠唱を始めていたのは気づいていた。

 詠唱自体を妨害しても良かったのだが、それじゃあつまらないから邪魔しなかったんだけど……この程度だったら俺は魔法を使わなくても勝てるんだよな、余裕で。

 もう少し頑張って欲しいんだよ、対人戦の勉強になるから。

 少し挑発してみるか。


「もう終わりですか? それとも自分達の方が強いと自惚れていた事に気づいたとかですか?」

「このガキ……絶対にゆるさねえ。泣くまで痛めつけてやる」

「今回は私も同じ意見です」


 どうやらかなり冷静ではなかったらしい。

 この程度の挑発に簡単に乗ってくれた。

 二人とも顔に青筋を浮かべながら物凄い目つきで俺を睨んでる。

 これでもっと楽しめそうだ。

 それにしても随分と嫌われてるんだな。

 一応勇者なんだが、ガキ呼ばわりされてるし。


「神級と契約できたからって調子に乗ってるんじゃねえ」


 そう言いながらマルコは地面を強くけって耀に向かって切りかかってきた。

 嫉妬でここまで嫌われるのね……田中と同類のようだな。

 はあ、何か今の一言で興が醒めた。

 剣速が先程より早いことから[身体強化 Lv3]を使っているのだろうが、遅すぎる。

 バールは魔法の詠唱中……あれは土魔法のウォールか。

 俺の逃げ道を塞いで魔法を打ち込むとかそんなところかな。

 もういいや、十分勉強になったから終わりにしよう。


 耀は切りかかってきているマルコの剣を刀で受け止めて力任せに

 マルコは向かってきた勢いよりも早く耀から遠ざかっていく。

 そしてマルコが飛んでいく先には魔法の詠唱に集中しているバールが居る。

 もちろん詠唱に集中しているバールは飛んでくるマルコに気づくことができず、詠唱の途中で巻き込まれてマルコと一緒に飛んで行った。

 ドォーーーン

 どうやら二人は城の壁にぶつかって止まったみたいだ。

 

 これでもかなり手加減したが今の一連の動きを確認できたのはセバス達だけみたいだな。

 因みに俺のステータスはこうなっている。



名前 朝野 耀 

性別 男 


Lv 32

HP 9243/9243

MP 11468/11468

攻撃力 10870

防御力 11363

敏捷性 11899

魔力 11110

運 1917


称号

 【異世界人】【勇者】【神(仮)】【神級精霊の契約者】【神級悪魔の契約者】


眷属

 『セバス』『ルーチェ』『橘 静香たちばなしずか』『ホワイト』


▼スキル

 [剣術 Lv5][棍棒術 Lv1][弓術 Lv1][投擲 Lv2]

[格闘術 Lv4][火魔法 Lv5][水魔法 Lv5][氷魔法 Lv5]

[風魔法 Lv7][土魔法 Lv5][雷魔法 Lv5][闇魔法 Lv5]

[光魔法 Lv6][回復魔法 Lv5][結界魔法 Lv3]

[物理攻撃耐性 Lv1] 


▼固有スキル

 [勇者][眷属化][咆哮][氷装][分解]


▼エクストラスキル

 [精霊魔法 神級][悪魔魔法 神級][無詠唱][二刀流]


▼オリジナルスキル

 [完全鑑定][完璧偽装][スキル・魔法コピー][ステータス自乗]

[経験値自乗][メーティス][ステータス略奪][スキル成長促進]



 最近ステータスを見るのが日課になり始めた今日この頃です。

 ダンジョンに入って戻ってくると別人のように成長しているのが面白くて仕方なかった。

 でも特に魔物と戦った訳ではないから運があんまり伸びてないのが最近の悩みだ。

 魔物を倒しまくれば解決する悩みなんだけどね!

 さて模擬戦にも勝ったことだし、これでこの国から出て行くことができる。

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