第39話 グラムパスの洞穴?
「何で入口に、トゥーエル王国の兵士が居るんですか?」
「言ってなかったか? グラムパスの洞穴は、トゥーエル王国が管理しているんだ」
「言ってないですよ……」
「そうか? でもヨウなら問題ないだろ?」
俺達は準備を済ませて、海岸の近くにあるグラムパスの洞穴まで来ている。
できることなら先に言っておいてほしかったものだ。
先に言われたからと言って、他に策が無かったからここに来るのは変わらないけど。
俺はため息をついてから、スキルを使う。
「これで大丈夫ですよ。さ、行きましょう」
「何かしたのか? その割には特に何も変わってないようだが?」
「行ってみればわかりますから、ほら早く行きましょ」
「お兄さんが言ってるんだから間違いないです。理解できないこと平然とやる人ですから」
アーシャが酷い。
それは俺を褒めてるのか?
俺にはどっちなのかわからないよ。
「あぁ……わかった」
「アーシャがそう言うなら仕方ないわね」
話がまとまったところで、俺達は堂々と洞穴に向かって歩き出す。
そして何事もなく、洞穴に入ることができた。
「ちょっと、どういう事? 一体何をしたの!?」
入る前はあまり興味がなさそうだったのに、急にどうしたんだ?
俺ただ、[完璧偽装]の実験をしただけだ。
実験は大成功、俺は透明人間になれるようになった。
失敗してたら、少し荒っぽくなってただけだしな。
「企業秘密です」
「いいじゃない、教えなさいよ!」
「俺も教えてほしい、何をした?」
「アーシャも気になるです!」
「こればっかりは、秘密です。さ、早く先を急ぎましょうか」
俺はそう言って、[光魔法]のライトを使ってから、洞穴の先に進む。
「待ちなさいよ!」
「ヨウが教えたくないなら仕方ないな……」
「アーシャは聞けたとしても、多分理解できなかったらどっちでも大丈夫です」
3人もなんだかんだ言いながら、俺についてくる。
ーーー
グラムパスの洞穴に入ってから、1時間ぐらい歩いているだろうか。
辺りの景色は同じ……洞窟を歩いてるような感じだ。
だがおかしな点がある。
ここまで1度も、魔物に襲われていないのだ。
恐らくここはダンジョンなのに、だ。
辺りに高濃度な魔力が漂っていることから、そう予想しているのだが。
魔物が居ないダンジョンもあるということなのか?
ちなみに感知系のスキルを使って酔うのは、[回復魔法]を常時発動しておくことで解決した。
そういえば忍者8人と戦ってから、ステータスを確認してなかったな。
少し見てみるか。
★
名前 朝野 耀
性別 男
Lv 48
HP 20,839/20,839
MP 23,173/23,173
攻撃力 23,550
防御力 23,491
敏捷性 25,623
魔力 24,870
運 3,517
称号
【異世界人】【勇者】【神(仮)】【神級精霊の契約者】【神級悪魔の契約者】【略奪王】
眷属
『セバス』『ルーチェ』『
『マリーヌ・ド・トゥーエル』
▼スキル
[剣術 Lv8][短剣術 Lv5][棍棒術 Lv1][弓術 Lv1]
[投擲 Lv5][格闘術 Lv8][火魔法 Lv5][水魔法 Lv5]
[氷魔法 Lv9][風魔法 Lv9][土魔法 Lv7][雷魔法 Lv6]
[闇魔法 Lv7][光魔法 Lv6][回復魔法 Lv5]
[結界魔法 Lv5][物理攻撃耐性 Lv4][魔力操作 Lv7]
[魔力感知 Lv8][脚力強化 Lv3][身体強化 Lv5]
[隠密 Lv5][気配感知 Lv8]
▼固有スキル
[勇者][眷属化][咆哮][氷装][分解]
▼エクストラスキル
[精霊魔法 神級][悪魔魔法 神級][無詠唱][二刀流]
▼ユニークスキル
[分身][毒][縮地][三撃一封][パペット][鉄壁の守り][挑発]
[ステータス鑑定][感覚共有]
▼オリジナルスキル
[完全鑑定][完璧偽装][スキル・魔法コピー][ステータス自乗]
[経験値自乗][メーティス][ステータス略奪][スキル成長促進]
★
うん?
なんか称号が増えてるな。
何々……
【略奪王】
数多の者たちから、何かを奪ったものに与えらる。
この称号を持っているものが何かを奪うと、奪ったものが少し上乗せされる。
…………
つまり、あれか?
俺がスキルやステータスを奪うと、上乗せされるってことか?
俺との相性が、かなりいい称号だな。
「見えてきたな」
レオさんのその言葉で、俺はステータスを閉じて前を見る。
すると、正面に2メートルぐらいの両開きの扉が見えた。
「なんです、この扉?」
「入ればわかる。危険はないから大丈夫だ」
レオさんはそう言うと、両開きの扉を開け始めた。
少し開いた扉から漏れる光に、俺は目を瞑る。
目を瞑った時、俺は微かに潮の匂いを感じた。
そして少ししてか目を開けたとき、目の前の光景に唖然とする。
「なんです、ここは?」
「ここがグラムパスの洞穴の最果てだ」
「えっ、最果てってどういう事ですか? それに何でダンジョンの中にビーチがあるんですか?」
そう、俺の目の前にはビーチが広がっていた。
周りは岩肌で囲まれているが、きれいなビーチが広がっている。
「ビーチってのはよくわからないが、ここでこのダンジョンは終わりなんだ、これ以上先に進む道がないんだ。この先に魔物の気配があることから、この先にダンジョンが続いているのはわかっているらしいんだけどな」
なるほど、最果てというより行き止まりと言うことか。
ここまでの道は1本道だったから、道を間違えた可能性はない。
だか、辺りを見渡してみても道らしきものはない。
難易度が高くて攻略できないんじゃなくて、これ以上進むことができないから攻略者が居ないのか。
なのに、ここを攻略すればオエステア大陸に渡ることができると言われていると。
かなり怪しいな。
誰かが流したデマの可能性が大だ。
「さぁ、遊ぶです!!」
アーシャは水着姿で、俺の横を走っていく。
「いつの間に着替えたんだ!?」
「服の下にきてたです」
アーシャが楽しそうにしてたのは、この場所のことを知っていたからか。
水着は恐らく、ここに来る途中に寄った町で買っていたのだろう。
「おい、アーシャ姉。妹が暴走してるぞ、止めてこい」
「嫌よ。だって私、アーシャと遊ぶもの」
アーシャ姉はそう言うと、服を脱ぎ始めた。
性格はあれだが、顔もスタイルもかなりいいアーシャ姉が、だ。
大事なことだからもう一度言おう、性格は壊滅的なアーシャ姉が、だ。
「待てまてマテ、いきなり服を脱ぐな!」
「何言ってるの? 私も水着を下に着ているのよ?」
……
俺の羞恥心を返してくれ。
というか、お前もはなっから遊ぶつもりだったのかよ!!
「何とか言ってやってくださいよ、レオ……アンタもかよ……」
「これは違うぞ!! 遊ぶためではない! 探索するのに服が濡れては困るから、だな……」
「じゃぁ何で俺に教えてくれなかったんですか?」
「それはあれだ……言わない方が驚くと思ったからだ!」
「今考えたでしょ?」
「そ、そんなことはないぞ」
完全に棒読みなんだけど。
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