第12回



川野流「『今年の目標』2017年は『川野流の中波放送』という番組を多くの方に楽しんでいただけるように出演者、スタッフ一同昨年以上に気を引き締めて放送しますので本年も応援のほど宜しくお願い致します」



流「川野流の中波放送 この番組は水守プロダクションと和水プロダクション、黒さならどこにも負けないラーメン屋『黒一点』の提供でお送りいたします」




はじまりは苦労だらけだった 右も左もわからずに

頼りの綱などなかった 1人で挑んでいた


2度目の挑戦 助けがやって来た

気休め程度の 助けだったけど

気休め以上に 頼りになった


3度目の挑戦 嬉しいサプライズ

嬉しさで 真っ白になるほど

そのメールは 励みになった


4度目の挑戦 危機が訪れた

今のままじゃ ダメなんだと

告げられて 落ち込んだ


5度目の挑戦 遅い春が来た

私と わたしが 手助けに

来たことで 奇跡が起きる


喜怒哀楽 すべてが思い出

皆で喜んで

スタッフに怒って

時に哀しんで

だけど今この時間は楽しいよ


春夏秋冬 歩んできた

はじめは1人で

1人が2人になり

2人から3人へ

そして4人へ


喜怒哀楽 すべてが思い出

皆で喜んで

スタッフに怒って

時に哀しんで

だけど今この時間は楽しいよ


春夏秋冬 歩んできた

はじめは1人で

1人が2人になり

2人から3人へ

そして4人へ


これからも続いていく この挑戦

春夏秋冬 歩んでいく




流「明けましておめでとうございます。新年一度目の川野流の中波放送始まりました。パーソナリティーの川野流です」


桜木美春「新年あけましておめでとうございます。昨年最後の放送は私の体調管理が不十分だったためお休みさせてもらう事になり申し訳ありませんでした。今年は体調管理により一層気を付けて過ごしていきますので今後とも応援のほどをよろしくお願いします。スプリングスの桜木美春です」


桜野美沙「明けましておめでとうございま~す。スプリングスの桜野美沙、今年も一年元気に元気をお届けします」


デスティニー田中「あけおめです。まさか新年から呼ばれるとは。まぁ、今年もぼちぼち頑張るので収録の時間が押したときはラーメン奢ってください。あ、デスティニー田中です」


流「という事で、新年最初の放送な訳ですが遂にこの番組のオープニングテーマが流れましたね」


美春「はっきり言って、長過ぎよ」


美沙「フル尺で流れたからね~」


流「次回からは短縮版が流れるそうなので今回はオープニングのお披露目という事で特別にフルバージョンを流したそうですよ」


田中「って事は、エンディングのあの曲もフルで流れるのか?」


美春「デスティニーくんの席からは見えないだろうけれど、スタッフが大きく頷いているわ」


田中「あの曲、あとで聞き返すとすごく恥ずかしいのだが」


美沙「田中くんはこう言っているけど、流くんは改めて聞いてみてどうだった?」


流「その場のノリって怖いですよね。僕からは以上です」


美春「スタッフのせいで流くんとデスティニーくんが曲収録に対してトラウマを植え付けられたところで、まずはこのコーナー『一問十答』」


美沙「このコーナーは一つのお題に対して十個の回答をそれぞれ出し合い、回答が被らなかったら一つにつき1ポイント。被ったら0ポイント。スタッフが事前にスペシャルワードとマイナスワードが用意されていて、スペシャルワードは他の人と被っていてもその回答を書いた人全員に3ポイント、マイナスワードを書いたらマイナス2ポイントです。そして、100ポイント溜まるごとに景品がもらえることになっています」


田中「普通に台本に書かれているけど、俺はこのコーナーがこんなに進化しているなんて知らされていなかったのだが」


流「コーナー自体は今日で3回目なので初参加のDも今回からポイントを稼いでいってもらえればと思います」


美春「前回までのポイントは流くんが『17ポイント』私が『15ポイント』美沙が『13ポイント』デスティニーくんはさっきも言っていたけれど初参加だから『0ポイント』よ」


田中「ポイントの差を埋めるつもりで頑張りましたよ」


美沙「田中くんがやる気満々な所で、今回のお題は『お正月に食べる料理と言えば?』放送日的にはもう古いネタだけどね」


美春「それじゃあ、一度に全員の回答を見てみましょう」


流『そば、お雑煮、お寿司、おでん、すき焼き、お刺身、伊達巻、ローストビーフ、焼き餅、みかん』


美春『きなこ餅、栗きんとん、黒豆、昆布巻、数の子、ちらし寿司、お好み焼き、焼肉、アイスクリーム、甘酒』


美沙『煮豆、数の子、煮干し、伊達巻、お寿司、おそば、栗きんとん、トンテキ、お雑煮、海苔』


田中『かけうどん、ラーメン、すき焼き、おでん、カステラ、角煮、ざるうどん、焼肉、焼き鳥、卵サラダ』


流「ポイントの増減を発表する前に今回のスペシャルワードとマイナスワードですが、スペシャルワードは『カップ麵』で該当者なし、マイナスワードは『お刺身』で僕だけが該当したみたいですね」


美春「この結果を踏まえると、流くんが『1ポイント』私が『7ポイント』美沙が『4ポイント』デスティニーくんが『7ポイント』よ。これを今までの点数と合計すると流くん『18ポイント』私は『22ポイント』美沙『17ポイント』デスティニーくん『7ポイント』ね」


美沙「美春ちゃん、スタッフさんが合計ポイントを確定する前に聞きたいことがあるって」


美春「何? 『麺類を回答に含めた流くん、美沙さん、田中くんに聞きたいのですが、回答したものの中にカップ麺はありますか?』とのことだけど、3人ともどうなの?」


田中「俺は違う」


流「僕もカップ麺ではないですね」


美沙「わ、わたしはカップ麺だったかなぁ~」


田中「ちなみに、ここで嘘を吐いてポイントを不正に獲得して後でその噓がばれた場合ポイントってどうなるんだ?」


流「不正に獲得したポイント分をマイナスじゃないですか?」


美春「流くんは優しいわね。私なら0ポイントからやり直してもらうけど。美沙は?」


美沙「ごめんなさい」


田中「美沙さん、どうして謝るんですか?」


流「美春さんもDもラジオでは顔が見えないからって邪悪な笑みを浮かべて嘘を吐いてスペシャルポイントを不正に獲得しようとした美沙さんに詰め寄らないで下さい」


美春「流くんも中々邪悪な笑顔よ」


流「バレちゃいましたか」


美沙「誰か助けて~」



美沙「川野流の中波放送~」



流「あっという間にエンディングのお時間になってしまいました」


美春「今回はコーナーもやったのに収録が早く終わるわね」


田中「その辺の裏事情は停波放送の方で」


美沙「それでは、次回の更新情報についてです。次回は2月最終日曜日の2月26日23時59分頃更新予定です。もう2月だって」


流「時が経つのは早いですね」


田中「次回からこの番組も2年目に突入だからな」


美春「めでたい回だからきっとケーキか何か出るでしょうね」


流「美春さん、スタッフを見つめる目が怖すぎます」


田中「2月だからチョコレートケーキとかだと良いよな」


流「買ってきて頂けるのなら、僕はショートケーキで良いですよ」


田中「流はチョコ苦手だったな」


美沙「ねぇ、2人とも取れ高は十分らしいけどまだ喋るの?」


美春「台本では次のセリフは流くんだけど、私が代わりに読む?」


流「分かりました。もう観念して時間稼ぎするのはやめます。『川野流の中波放送』お相手は川野流と」


美春「スプリングスの桜木美春と」


美沙「同じくスプリングスの桜野美沙と」


田中「デスティニー田中でした」


流「エンディングは僕、川野流と」


田中「俺、デスティニー田中で」


2人「激アツラーメン大ゲキトツです」




さぁ、決めようか 最強のラーメン

賽は投げられた 激アツに大ゲキトツ


「さて、本日僕たちが訪れたのはスタジオ近くにあるラーメン『黒一点』さん」

「店名からして名物の真っ黒なスープの醬油ラーメンが目に浮かぶな」

「いやいや、目に浮かぶのは『黒一点』さんでしか味わえない黒い塩ラーメンですよ」


塩なんて薄い味 誰が求める?

醤油が濃すぎて 味が分からなくなっているだけでしょう

ケンカだな?

良いでしょう

激アツに

大ゲキトツ


塩 塩

醬油


醤油 醤油


僕も

俺も


後には引かない


「さぁ、ラーメンが届きましたよ。音声だけでしかお伝えできないのが残念ですが、名物の黒い塩ラーメンは麵まで黒い徹底ぶりです。早速頂いてみましょう。凄いです。見た目の黒さから濃い塩味を想像していたのですが、あっさりとしています。これは女性にもお勧めできます」

「俺の方に届いたのは『黒一点』さんでも人気のメニューと言われている醤油ラーメン。メニュー名はどのラーメン屋でも見かけるが違いは一目瞭然。黒い塩ラーメンにも負けない黒いスープには俺の大好きな煮卵が乗っていて夜空を思い浮かばせてくれる」


醤油の美味さは 塩には出せない

あっさりとした味を 醬油は出せますか?

良いだろう

そういう事ですね


交換


実食して

比較しよう

激アツに

大ゲキトツ


塩 塩

醬油


醤油 醤油


俺も

僕も


後には引かない


「悔しいですが人気メニューというだけあって醤油ラーメンも美味しいですね」

「悔しいが俺もこの黒い塩ラーメンの虜になりそうだ」


激アツに

大ゲキトツ


塩 塩

醬油


激アツに


醤油 醤油


大ゲキトツ


塩 塩

醬油


醤油 醤油


この勝負

この勝負


引き分け!




流「川野流の中波放送」



流「本当にフルで流す必要ありましたか? 改めましてこんばん波~川野流です」


美春「私は嫌いじゃないわよ」


田中「ラーメン食べたい」


美沙「2人ともお仕事だから顔上げて」


美春「仕方が無いから私たちだけで進めましょう。ここからは川野流の停波放送のコーナーよ。って、私の知らない間にコーナーになったのね」


美沙「話す内容はほとんどフリートークだからね」


美春「打ち合わせで話す内容は任せるって言われたからそれぞれ今年の目標を一言ずつ言ってもらおうと思っていたけれど、自分の曲を聴いて恥じらっている2人はしばらく話せそうにないわね」


美沙「今の2人を見て思い出したけど、わたしたちもファーストシングルを出したときは歌うことは出来るけど、静かに聴くことは出来なかったよね」


美春「そんな事もあったわね」


流「すいません、進行を任せてしまって」


美春「あら、立ち直り早いわね」


流「ずっと恥ずかしがっていたら曲の収録にご協力いただいた『黒一点』さんに申し訳が立たないので」


美沙「流くんが立ち直った所だけど、今回は2本撮りだからこのコーナーもうおしまいだよ」


美春「じゃあ、今年の目標は次回まで持ち越しね」


田中「ラーメン食べたい」


流「今日は美春さんが進行してくれていたのでコーナーの締めもお願いします」


美春「仕方ないわね。以上、川野流の停波放送でした。ほら、最後の挨拶は全員で言うわよ」


美沙「せ~の」


4人「ばっ波~」



流「川野流の中波放送 この番組は水守プロダクションと和水プロダクション、黒さならどこにも負けないラーメン屋『黒一点』の提供でお送りいたしました」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る