第6回



桜野美沙「『前回の反省』先月はあまり喋っていなかったって怒られたので今月はいっぱい喋ります」



3人「川野流の中波放送」



川野流「さぁ、今月も始まりました『川野流の中波放送』パーソナリティの川野流です」


桜木美春「美沙に反省させるよりも自分たちが反省しなさい。桜木美春です」


桜野美沙「打ち合わせで最初の挨拶は『チューハー』で統一するって言ったでしょ」


美春「ひと月置いてみるとその挨拶は恥ずかしいと思うわ。という事で早速だけど前回スタッフに出していた宿題を発表してもらうわよ」


流「スタッフさんからの宿題は僕と美沙さんに渡されているので判定は美春さんにお任せしたいと思います。それでは最初はディレクターUさんの中波放送挨拶候補。『流ってる?』……」


美春「没」


美沙「美春ちゃん厳しくない? 次は音響のTさんの挨拶候補。『チューハイ』だって」


美春「却下だし、流くんは未成年よ」


流「あまり気にはならないですけど、それは後で話し合うとして次はお二人のマネージャーHさんからです『チューハッス』だそうです。僕個人としては好きですけどどうですか?」


美春「流くんがそう言うなら保留」


美沙「最後は構成作家の真矢さんの挨拶候補です。『こんばん波~』これ新しいね」


美春「最後2人は優秀ね」


流「という事で、今出て来た挨拶候補をおさらいするとディレクターUさんの『流ってる?』次に音響Tさんの『チューハイ』そして、僕が個人的に気に入っているマネージャーHさんの『チューハッス』最後に真矢さんの『こんばん波~』美春さんと美沙さんは気になっているみたいですね。後は暫定的に番組の挨拶になっている美沙さんの『チューハー』ですね」


美沙「やっぱりわたしは自分で考えた『チューハー』が良いと思う」


流「美春さんはどうですか?」


美春「これは流くんの番組だから最終的には流くんの意見を採用するけれど、私個人としては真矢さんの『こんばん波~』は他のとは違うから好きよ」


流「僕も今それと『チューハッス』で悩んでいるのですが……。決めました。発表はジングルの後で」



流「川野流の中波放送」



美沙「それじゃあ、流くんこの番組の新しい挨拶をどうぞ」


流「はい、では改めまして『こんばん波~』という事で悩みに悩んだ結果、構成作家の真矢さんの挨拶を採用させてもらいました。番組を見る時間によっては不自然に感じられるかもしれないと思ったのですが、更新時間が深夜0時という事で無理にでも納得して頂けたらと思います」


美春「それじゃあ、挨拶も決まったところでコーナーを始めましょうか」


美沙「続いてのコーナーは『一問十答』です」


流「これってDもといデスティニー田中の登場回限定のコーナーじゃありませんでした?」


美沙「スタッフさんによると、デスティニー田中さんも登場すると『ゲストを作り出せ!』ってコーナーで収拾がつかなくなりそうだから打ち切りにして、デスティニー田中さん登場回限定コーナーだった『一問十答』をレギュラーコーナーにして内容もスタッフが考えた多くの答えがある問題にわたし達がそれぞれ答えていくって感じに変わったらしいよ」


美春「美沙の説明にもう一言、二言加えると、このコーナーは正解数に応じてポイントを貰えるらしいのだけど、誰かの解答と被ったらその解答はポイントがもらえないらしいわ。ちなみに百ポイントごとにご褒美があるらしいわ」


流「美沙さん、美春さん台本通りの説明ありがとうございます。それでは早速始めたいと思います。まずは先ほど美春さんに没をもらったディレクターUさんからの問題です。『ご飯にかける(載せる)ものといえば?』でした。解答はそれぞれ収録前に書いたと思いますが、美春さんは随分と悩んでいましたね」


美春「絞り出して書いたけど『ご飯にかける(載せる)もの』なんて十個もある?」


美沙「今まで気にしてなかったけど意外とあったよ」


流「それでは意外とあったと言う美沙さん、十個もあったか不安な美春さん、僕の順番で解答を発表しましょう。それでは美沙さんどうぞ」


美沙「読み上げるよ『ウナギ』『天ぷら』『カツ』『カレー』『明太子』『いくら』『ウニ』『ローストビーフ』『卵』『生シラス』どう?」


流「何と言うか、美沙さんってもしかして上流階級の家庭の方ですか?」


美春「それに関してはあまり深く聞き出さない方が良いわ。自分たちが惨めに感じてくるから。という事で次は私の解答ね。結構無理矢理だけど『ふりかけ』『お茶漬けの素』『海苔の佃煮』『梅干し』『牛肉』『豚肉』『鶏肉』『玉子』『カレー』『シチュー』」


流「やっぱり『カレー』と『たまご』は被りますね。あと気になるようなところもありますけどそれは僕の解答が済んでからにしましょうか」


美沙「それじゃあ、最後は流くんどうぞ」


流「はい、僕の解答は次の通りです。『カレー』『シチュー』『マグロ』『いくら』『サーモン』『ふりかけ』『生卵』『味噌汁』『ラーメンのスープ』『ツナ缶に残ったスープ』以上です」


美沙「見事に全員『カレー』と『たまご』が被ったね。流くんは『生卵』だけど」


流「『カレー』は仕方ないとして『たまご』はもしかしたら全員違う料理を想像していませんか?」


美春「少なくとも私は『玉子丼』を想像したから流くんとは別だと思うけど」


美沙「わたしもオムライスのつもりで『卵』って書いたよ」


流「聞いた感じだと全員違う料理ですが、出題者のUさんに判定してもらいましょうか」


ディレクターU「初回だからセーフ」


流「それではいろいろ話を聞く前にポイントを数えましょうか」


美春「その前にこれもスタッフに判定して欲しいのだけど、美沙の『ローストビーフ』とか流くんの『味噌汁』や『ラーメンのスープ』は良いとしても『ツナ缶に残ったスープ』とかって判定的にはどうなの?」


ディレクターU「『ローストビーフ』は検索したら専門店があったのでセーフ、『ツナ缶に残ったスープ』はスタッフチームもたまにやっているのでセーフです」


流「とのことなので結果は?」


美沙「わたしが8ポイント、美春ちゃんが7ポイント、流くんが6ポイント。最初だから接戦だね」


流「美春さんは不安そうな顔をしつつ2位ですよ」


美春「分からなかったから丼物で攻めたのが勝因だったわ」


美沙「気になったんだけど、シチューってご飯にかけるもの?」


流「人、と言うか家庭での食事のルールに寄りますけど、僕の家はシチューをご飯にかけるのは容認と言うよりは黙認されていますね。美春さんもシチューを出したって事はかける派ですか?」


美春「最近はパンに付けて食べることが多いけれど昔はご飯にかけて食べていたわ」


流「あっ」


2人「どうしたの?」


流「あの、ポイントが確定した後なので違ってもポイントの変動はなしで構わないのですが、話に上がっているシチューってクリームシチューの事で合っています?」


美春「? そうだけど」


流「いや、あの、なんというか。ビーフシチューがあるのを思い出したので」


美春「そんなのもあったわね」


美沙「2人とも、もうコーナー締めてだって」


流「という事で、以上『一問十答』のコーナーでした」



3人「川野流の中波放送」



流「さて、エンディングの時間となりました」


美沙「今日は挨拶も決まったしコーナーもやったし前回よりもラジオっぽかったね」


美春「ぽいじゃなくて、ラジオそのものだけれど」


流「この後は停波放送の収録が控えていますが、中波放送の収録はここまでです。お相手は川野流と」


美春「こんがり焼いた食パンをクリームシチューに付けて食べるのが大好きな桜木美春と」


美沙「前回よりもいっぱい喋った桜野美沙でした~」


流「ばっ波~」


美沙「流くん、〇〇波~って気に入ったでしょ?」


流「気に入りました」

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