ずっと…

@yu-natu

プロローグ

「あなたに出会えてわたしは幸せでした」

その言葉を最後に彼は消えてしまった



「お嬢様、起きてください。朝ですよ」

その声で夢から覚めるがまだ頭が覚醒するのを拒否する

「うぅ…もうちょっと寝たい…」

わたしは朝が来るのが億劫だ

いつまででも夢の中にいられたらと思う

夢の中のわたしは自由だ。そして希望に満ち溢れている

「本日は朝食にスコーンをご用意いたしました」

起きないわたしを余所に朝食を用意される

朝食を摂った後はお花やお茶、礼儀作法、楽器の練習…毎日同じことの繰り返し…

正直この暮らしには刺激が足りない

「なにか面白いこと起きないかな…」

そんなことを呟いたときコンコンとドアをノックする音が聞こえた

「どうぞ」

そう答えるとドアが開けられ執事長と見知らぬ男が入ってきた

「こちら本日からお嬢様の専属執事を任せることとなりました刹那です」

「よろしくおねがいします」

そう言って微笑んだ男に恋をするとはこのときはまだ予想すらできなかった

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