第2話「は?嘘?」

 ガイストは世界を救うという希望の勇者を探す旅をしていた。


 その途中でセリスという子供が魔物に襲われていてこれを助け、セリスの家を探す為に近くの町へと向かった。



「お、ここは結構賑やかな町だな」

 その町は人々が多く集まっており、魔物や怪物に怯えて暮らしているようには見えないくらい明るく賑やかだった。



「さてと、ここにセリスちゃんの事知ってる人はいるかな?」

「ボク、お姉ちゃん以外の人って今まで見たことないよ」


「そうか、でもお姉ちゃんの事知ってる人はいるかもね。そうだ、お姉ちゃんの名前はなんていうの?」


「お姉ちゃんはサキっていうの」

「サキさんだね、よし」


 ガイストは町中を回ってセリスやサキの事を聞いて回ったが

「う~ん、知らないねえ」

「ちとわからねえなあ。悪いな、他をあたってくれ」

「はあ、なんだって? あたしゃ神様だよ」

 何か意味不明なのもあったが誰も二人の事は知らなかった。


「う~ん、ここにはいないのかな?」

「ねえガイストお兄ちゃん」

「なんだい?」

「ボクお腹すいた」

「そうか。じゃあ今日は宿屋に泊まってご飯にするか」

「うん!」


 二人は少々古いが雰囲気の良さそうな宿屋に入り、1階にある食堂で夕食にした。

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさま」

 二人は手を合わせてそう言った。

「おや、行儀の良い子だねえ」

 宿屋兼食堂の女将さんが声をかけてきた。


「あ、女将さん。ご飯美味しかったですよ」

「そうかい、ありがとね。ところでその子はあんたの子供かい?」

「違いますよ、俺は独り者です。実は」

 ガイストは経緯を話した。


「そうだったのかい。ん? ちょっと待って、その子が言う場所ってさ……あ、いや」

 女将さんは何かを思い出したようだ。


「何か心当たりでも?」

 ガイストは期待の眼差しで女将さんを見た。

「あるにはあるんだけどさ、そこってここからだと五百キロは離れた場所だよ。そんな遠くじゃ違うわよね」

「ああ、そりゃ違いますね」

 ガイストはがっくりと項垂れた。


「すまないねえ、役に立てなくて」

「いえ、いいんですよ」

「まあ、きっと見つかるさ。さ、寝る前にお風呂に入って温まっといで」

「ええ、そうします。セリスちゃん、行こうか」

「うん」


 風呂場の前に来て

「さてと、セリスちゃんはあっちだよ」

 ガイストは女湯側を指さした。

「え、何で?」

 セリスは訳わからないって感じで言った。

「何でって、セリスちゃんは女の子だからあっちなんだよ」

「ボク男の子だよ」

「は、嘘だろ?」

 ガイストは信じられんという表情をしていた。

「ホントだよ」

「本当に?」

「ホントだよ。ほら」

 セリスはパンツを降ろしてスカートをめくった。


 そこには可愛らしい象さんがいた。


「……セリスちゃんは男の娘だったのか」

 字が違うぞガイスト。

「そうだよ」

「何で女の子が着るようなドレスなんか着てるの?」

「お姉ちゃんがいつもこの服着てなさいって」

「そうなんだ(サキさんは幼い弟を女装させる腐れ女子なのか?)」

「お兄ちゃん、一緒に入ろ」

「ああ、まあ男の娘なら」

 だから字が違うって。


 そして二人は一緒に風呂に入った後部屋に戻ってゆっくりと休んだ。

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