第20話「え!?」
次の日の朝、食卓にて
「あの、サキちゃん、ちょっと聞きたいんだけどいいかな?」
ガイストは額縁に書かれていた剣の事を聞いた。
「うーん、もしかしてあれの事かなあ?」
サキは考え込んだ後そう答えた。
「何か心当りがあるの?」
「はい、ご先祖様を祀ってる社に剣があるんです、それかもしれませんね」
「そうか。その社ってどこにあるの?」
「ここから北東に一時間くらい歩いたところですよ」
「よければそこへ案内してくれないかい?」
「いいですよ。片付けした後で行きましょう」
そして一行はサキに案内されて社のあるところへと向かった。
「はー、しかしホントにいい景色ねー」
イリアが辺りを見渡しながら言った。
「そうだな。本当にここって天国か? と思えるもんな」
「そうですね~。綺麗な景色ですね~」
バンジョウとセイラもそう言った。
「ねえお姉ちゃん、ご先祖様の名前って知ってる?」
「え? セリス、イハイに書いてあったでしょ?」
「ボクあれ読めないよ」
「ちゃんと字の勉強しなさい」
「えー、やだよ」
「怒るわよ」
「まあまあ。で、サキちゃん。そのご先祖様の名前なんていうの?」
ガイストが尋ねた。
「えーと、マサヒコ様、はもっと後の人だった、……様です」
そして社に着いた。
「うーん、やはり神社だな」
それを見たバンジョウが呟いた。
「この中に剣がありますよ」
そう言ってサキは社の扉を開けた。
「これはまた見事な作りの剣だな」
そこにあった剣は、日本刀を思い浮かべてくれればわかるかと。
「さて、これをどう使えばいいんだ?」
「ねえガイスト、とりあえず鞘から抜いてみたら?」
イリアがそう言うと
「セリス、サキちゃん。いいかい?」
ガイストは二人に断りをいれた。
「うん」
「いいですよ」
「では」
ガイストは剣を持って鞘から抜くと、切れ味がよさそうな刀身が姿を現した。
だが
「……何も起こらんな?」
「でもその剣、なんか凄い力を感じるよ」
「ああ、なんというか聖なる気をな」
イリアとバンジョウが続けて言う。
「あの~、皆でその剣に向かって祈ったらどうですか~?」
セイラが手を上げて言った。
「なるほど、やってみるか。セリス、こっちに来て」
「うん!」
ガイスト、セリス、バンジョウ、セイラ、イリアは輪になって祈った。
すると剣から一筋の眩い光が放たれた。
そしてその光はあるところを照らした。それは。
「……なぜ?」
光はサキを照らしていた。
「あれー? この光って最強の妖魔の居場所を示すんじゃないのー?」
「そう書いてましたけど~?」
「セイラちゃん、どっか読み違いしてないか?」
「いいえ、セイラさんは読み違えてませんよ。だってその妖魔って……私なんですもん」
「え!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます