第8編 春と君と僕のこころ

季節は何度も移り変わって、庭の木は衣替えを繰り返した

もうすぐ何度目かの春が来て、君を連れ去っていく


思い出す君との記憶は、泣いたり怒ったりもたくさんあったけど

思い出すたび笑っているほうが多い気がして

「幸せだ」なんて思って、また笑った

ずっと隣にいてくれたこと、心配してくれたこと

手を取ってくれたこと、勇気をくれたこと

「ありがとう」って伝えたくて、やっぱり照れくさくて

言葉にできない、だけどきっと君には伝わっていて

僕を笑顔で迎えるんだろう


その笑顔をみるたび君から離れたくなくなって

さみしくて、せつなくて

それがどうしようもなく愛しかった

それでももう少しで季節は君を連れて行ってしまうなら

この胸に抱いた愛しい気持ちを

いつまでもあたため続けよう


君にまた巡り合ったとき

この思いが冷めていないように

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