第9編 走れ、未来へ

いつの間にか僕の前に広がる未来へのコース

気付いた時には皆もう走り出していて僕だけが一人取り残されていた


ひたすら走ってがむしゃらに汗を流しては「もう疲れた」なんて足を止めたくなった

だけど許されないリタイアに何度も涙を流し、震える足を叩いて前に進んできた


前を見れば多くの人が余裕な顔で走っていて

けれども僕は苦しくて、それが悔しくて、自分の弱さに唇を噛みしめた

それでもいつか来るゴールを夢見て走り続けるしかない


そのうち走り続けた靴はすり減り、頑張っただけ息も切れ、汗も涙も枯れてしまった

その中で走り続けることに意味はあるのかと何度も自問自答を繰り返した

そうして僕がたどり着く答えはたった一つ

「永い苦しみをもがいて僕は未来を繋いだのだ」

といつかの自分が笑えるように

ただその為に僕はこんなにももがいているのだ


だから今日も「走れ、未来へ」

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