答え合わせ

誠の一言から始まった答え合わせ。

ただ聞かれたことに嘘偽りなく話すだけというのがたった一つのルールだった。

ただ、凛は中学校の事ならまだしも小学校の時のことまでは聞かれたくなかったが、いつまでも逃げてばかりではいけないと思ったのだ。

確かに自分のしたことは謝っても許されるかはわからない。関係の無い2人を巻き込んだ事、

涼葉達の気持ちも考えなかったこと。

小学校の時の親友にだってそうだ。あの子が今どこで何をやってるかはわからない。

ただ、さっきあったという事だけはわかる。

まだこの辺りに住んでいる。

それが今わかる事実だった。

「答え合わせ始めるか!まず俺から聞くぞ?

凛、お前は何を隠してる?俺達はそんなに頼りないか?」

誠の一言に凛ははっとした。

そうか今まで自分は2人のことをちゃんと信じてなかったんだ・・・・・・と。

でもちゃんと話すと決めた。

何でも話すという約束を破ってしまった手前これだけは守らないとと思ったのだ。

「そうだね。隠してる事は確かにあるよ。ちゃんと話すから最後まで黙って聞いててね?何かあれば最後に聞くから。」

こうして凛は過去を話し始めた。

「これは私が小学校の時の話だよ。当時親友が1人いたの。その子とは休み時間とかもずっと一緒にいた。今で言う果林みたいな存在だったの。でもね・・・・・・」

ここまで話して凛は言葉に詰まった。

悲しい過去を思い出すとさっきの光景が目の裏に浮かぶからだ。

「でもね・・・ある日突然”よくも騙したわね”って言われたの。初めは良くわからなかった。でもその子は私から離れていった。口も聞いてくれなくなってしまったのそれでも、話したかっただからめげずに話しかけてた。それが凶とでたの彼女も虐められるようになった。これは完全に私のせいだった。それ以来彼女に関わることを辞めた」

凛は泣いていた。それでも話すことは辞めなかった辛い過去を精算したいと思ったていたのかもしれない・・・・・・

「辞めてからは彼女の虐めは無くなった。でもその彼女からもやられ始めたの。そしてそのまま卒業した。んでさっき会った。そしてまたやられたでも私が逃げたら誠達に手を出すって言ってたから抵抗出来なかった。でもあの子は悪くないんだよ?全部私が悪いの・・・うぅっ」

凛はここ数年でとても強くなったと誠は思った。昔のそれも小学校の頃の凛ならばすぐに泣き出し話をすることすら出来なかっただろうにちゃんと最後まで話してくれた。

それもびっくりだが、誠は自分の知らない事があってそっちにびっくりしていた。

「後ねついでに言っとくと、記憶あの日つまり病院の別室にいた時に戻ったの。戻ったらなくなる前のこととかも全部思い出しただから誠達から離れないとって思ってた。だからもう迎えいらないって言った。傷つけた本当は嬉しかった迎えに来てくれて。ありがと」

凛は泣きながら笑っていた。その笑顔はとても綺麗だった。今までに見た事のないものだった

「そうか。ありがとなあとごめんな?ちゃんと守ってやれなくて・・・あの日だってそうだ別に告白なんて行かなくても良かったんだそれなのに俺は・・・・・・」

「違うよ。誠のせいなんかじゃないよ私知ってるよ誠がどれだけ私の事思ってくれてるか。だからそれだけで十分だよ」

泣きそうになっていた誠のほっぺをムニュっと掴んで横に引っぱっていた。

「凛ちゃんごめんね。私も騙されてなかったらこんな事には・・・・・・」

「もう!なんで2人とも強いのにこんなに後ろ向きなの?考え方が!!」

果林も誠と同じようにほっぺを引っぱっられていた。

「じゃあ今度は私が聞く番だよね。・・・・・・って言っても、何にもないんだよな・・・・・・だから何も聞かない。でも1つ約束してくれる?」

「「約束?」」

2人の声が重なったことに凛は笑い出してしまった。

「うん。ずっと私と友達でいてくれること

でも何かされたら言うこと。この約束守って」

凛の言葉にびっくりしていた2人だが、

「「もちろん!」」

「あ、やっぱり聞きたいこと一つだけあった。どうしてこんなに私に構うの?」

誠と果林はこんな当たり前な事を聞くのか?と言いたげな顔をしていたが、

「そんなの凛の事が」

「凛ちゃんの事が」

「「好きだからだよ!」」

「いなくなったら心配だってするしもっと迷惑かけて欲しい。我が儘言って欲しい、1人で抱え込まないで欲しい。お前にはいつでも俺らがいるってことをわかって欲しかった」

3人の絆が凄く深まった気がした。

「凛安心しろ。今後は絶対守ってみせるだから・・・・・・」

「あのね!」

凛は誠の言葉を遮って

「あのね、守ってくれるのは嬉しいよ?でもねこのままだったら何も変わらないような気がする。だからそんなに厳重な体制じゃなくていいから。だから・・・」

「凛?さっきの俺の話聞いてたか?」

誠は少し怒っていた

「あのな、確かに変わらないかもしれない。でもそれはすぐに変えないといけないのか?事が解決してからじゃ遅いのか?もっと頼ってくれよ」

誠のこんな真剣顔を見たことが無かった凛。

そんな彼に凛は・・・・・・

「わかった。じゃあしばらくは迷惑かける」

ってとびきりの笑顔で言ってのけた。

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