追いかけっこ
1日目に凛は見つからなかった。
気になったので凛の家に電話したらいつも通りに学校へ行ったと言われた。
少し不思議だった。
でもメールを入れても返事は来なかった。
おかしいと思った2人は
「ねぇ明日から凛ちゃんの家の前で待っとこうか。明日も逃げられたらやだし・・・」
果林がそういうので
「そうだな。これ以上ほっておくのも危険だしな」
誠と果林は凛を捕まえる事にしたのだ。
その頃凛は・・・・・・
2人の話しを聞いていた。
どこでかって?
そんなの家に帰るときに家の前に居たんだもん・・・嫌でも離れてても聞こえるじゃないですか・・・・・・という事で凛は2人から逃げる。事を決めたのです。
それからというもの果林と誠は学校も行かずに凛を探し続け、凛は誠達に見つからないようにコソコソ逃げ回ったりしていた。
そんなある日・・・・・・
「ねぇ貴女さ、まだ誠君達といるんだってねいい度胸じゃない?この前のことだけじゃまだ懲りてないのね?」
バットタイミング・・・・・・・・・
凛が1番会いたくない人そして何よりトラウマになっている人昔の親友が今目の前にいる。
その事実だけで凛は動けなくなってしまった。
とてつもない吐き気に襲われそれでもあの時の事が鮮明に思い出されて凛の頭はパンク寸前だった。何かあったら電話しろと誠達に言われていたがそれは出来なかった。
もしここで助けを求めたら自分は助かるであろう・・・でも、それが今度の原因で誠達に被害が出るのはなんとしても避けたかった。
私のせいでいじめられたのも知っていたしだから何も言えなかった。もう仲は戻らないと分かっているのにまた話したいと想っている自分がいることも。だから凛は黙って耐えていた。
ことが済んだのか帰っていった昔の親友の後ろ姿を見てから家に戻った。
そうしたらそこには
「あ!いた!!」
そう追いかけっこの鬼である誠達がいたのだ。
凛は必死に逃げようとしました。
でもさっき散々殴られたのでいつもは足の早い誠ですら巻くことが出来るのに今日は果林ですか無理そうだ・・・・・・
「・・・・・・あ、忘れ物した」
咄嗟の嘘で凛は逃げようとした。
しかし、付き合ってきた誠にはこの嘘は通じなかったようだ。
「お前嘘ついてるだろ?」
いつもより低い声で言われた。
怒ってるんだ・・・
凛はもちろん果林ですらわかるくらいなのだから。それでも凛は何も言わなかった。
というか言えなかったのだ。
ついこの前約束したはずの事がもう破ってしまったからだ。
嘘ついたことは謝らないといけないと思うし破ったのも謝らないといけないと思ってはいる。
だけどこのことに関しては巻き込んではいけないような感じがして話すことが出来なかったのだ。それでも誠も何も言わなかった。
そして・・・それから数分後・・・・・・
「なぁ凛俺らからなんで避けてたんだ?また谷口達になにかやられたのか?」
凛は誠の顔を見ることが出来なかった。
別に今回は涼葉達にやられた訳では無い。
だけど自分と関わることによって壊されるのが嫌だったから逃げていたけだ。
いや、やられてないというのは嘘だった。
帰ってくる前に偶然にも会ってしまったからだ
最も会いたくない人に・・・・・・
「何でもないよ?何もされてないし大丈夫だよ?ってか2人とも学校は?まだ授業中でしょ?」
凛は無理やり話題を変えたりした。
「お前を探してたんだよ。急に迎えに来るなとか言い出したと思えばその次の日から学校来ないわ母親に聞けば学校行ったとかいうし・・・」
話を変えたはずなのに何故か戻ってきてしまっていた。
「ごめん。お母さんに言ってたことは心配かけたくないからそれで嘘ついてたの。ほんとにごめんなさい」
凛は2人に頭を下げた。
2人は笑って許してくれた。
そして・・・・・・
「なぁ凛。答え合わせしようか?」
誠が急にそんな事を言い出したのだ。
凛はもちろん果林も鳩が豆鉄砲食らった時のような顔をしていた。
「答え合わせ?なんの?」
「これから俺が聞くことには嘘偽りなく話すこと。逆に俺らも聞かれたことには嘘偽りなく話す。そしてどこですれ違っていたのか、お互いがどう思っていたのかを答え合わせするんだよ」
誠はそう言って笑っていた。
「「うん!」」
凛と果林が声を揃えていった。
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