消えた・・・

次の日になった。誠達は約束通り迎えに来なかった。晴達はまだ記憶が戻ったことは知らないのでほっておいた。

学校へ行くつもりはないのだが、怪しまれても困るので制服を着てお弁当を持って家を出た。

しかし、私服もカバンの中に入れてある。

「行ってきます」

この一言も忘れずに・・・・・・

そう。全てはいつも通りに振舞ったのだ。

誰もおかしいなんて思わなかった。

これがいつもの凛なのだから。

そうして凛は家を出た。いつもの公園に居たら誠にバレるのはわかっている。

だからそこに立ち寄って服だけを着替えた。

そして凛は今まで1回も行ったことのなかった所に向かっていた。

そう、そこはいわゆる“ネットカフェ”と呼ばれる所だ。ここは1日中いても何の問題もない。

だから学校か終わる時間までここにいようと思っていた。

一方で誠達は凛が来るのを待っていた。

しかし、HRが始まっても凛は現れなかった。

流石に迷子という線は考えなかった。

昨日凛の様子が可笑しかったから2人ともなにか感ずいているかもしれない。

やはり昨日無理にでも聞いていたり、今朝だって迎えに行けばよかった。

・・・・・・ん?誠はしばらく固まってしまっていた

「誠?どうしたの?」

果林は心配になってきて誠に話しかけた。

「なぁ昨日の凛の口調昨日の朝までとは違うと思わなかったか?」

果林はなにを言ってるのかわからないという感じだった。

「これはあくまでも俺の推測だけどよ・・・

凛のやつ記憶戻ってるんじゃないのかな?」

その誠の言葉に果林はびっくりして目を大きく見開いていた。

「え!?嘘でしょ?だって戻ったなら私達に教えてくれるじゃん」

果林の意見は最もだったのだが

「でもさ、戻ったということは俺らの知らなかった間まで思い出したって事だろ?そうなると恐らく今回の首謀者である谷口達になにか言われててもおかしくないだろ?だからあえて言わなかったんだと思う」

その言葉を聞いた果林は

「なにそれ!!隠し事はなしって約束したじゃん!なんであいつはそんな簡単な事まで破るかな!!」

珍しく果林が怒っていた。

誠も果林が怒るのを見たのは初めてだった。

「かっ果林?」

「誠!凛ちゃんを探しに行くよ!そして説教する!!」

怒っている果林と何故か連れ出された誠は学校をサボって凛を探しに行った。

先生には見つからずに上手いこと抜け出すことができた。

そして凛が前にいた公園に来てみたが誰も居なかった。

誠が知ってる今までに凛がいた所を全て当たったが見つからなかった。

凛は本当に姿を消してしまったのだ。

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