原因
それから誠と果林はしばらく固まっていた。
「凛ちゃん・・・どこ行っちゃったの・・・」
果林の顔はかなり青ざめてきていて、声も震えが混じっていた。自分が1人にしたせいだと思い込んでいたのだ。
「誠、ごめんなさい。私が凛ちゃんを1人にしなかったらごめんなさい」
と言いながら果林は先程からずっと誠に謝り続けている。
それでも今回の事は果林だけのせいではない。
誠だって呼び出されて行ってしまったのだから2人とも同罪なのだ。それなのに果林は自分ばかりを責め続けている。
「果林・・・悪いのは果林だけじゃないから。俺だって呼び出されて行ったんだから同じだよ。」
誠はそういったのに果林は聞いていなかった。
そうしてやはり”ごめんなさい”と謝り続けているのです。
「果林聞いて!」
誠が突然大きな声を出したので果林はビックリしていて目を大きく見開いて誠を見ている。
その事を確認した誠は
「あのね果林だけが悪いんじゃないよ?俺だって告白って分かってたのについて行ったし」
その後に誠は凛がいるのにねって付け足した。
果林はそんな事をいつまてもらった事が無かったから嬉しくて少し泣いてしまった。
「あのね、私は先生に呼ばれたんだけどそれは間違いだったらしいんだ。先生の話を聞く限り先生は嘘はついていなかった。だから騙された私が悪いんだ。後ね思ったことがあるんだ」
果林はやはり自分を責めてしまっている。
それだも前に進もうと考えているので誠は黙って相槌を打って黙って聞いていた。
「凛ちゃんまた連れていかれたんだと思う。それも誠の事が好きだった子達にね。だから早く見つけてあげないと今度こそ手遅れになってしまう。そんなのは嫌だもん」
果林は最後の方は泣きそうになりながら訴えるように言った。誠も同じような事を思っていたため、相槌を打っていた。
「そうだよな。凛にはもう辛い思いをさせないって決めたのにな・・・」
すると果林が“あとね”と付け足した。
「後、辛い思いをしてるならそれを分合わないとね!凛ちゃんの居場所を作るのは私たちの仕事だもん。」
果林と誠は凛を探しに元いた自分たちの教室から勢いよく飛び出していった。
2人があの時離れなかったら良かったと後悔するまであと少し・・・・・・
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