2人だけの
帰り道もやはり3人は話し続けていた。
「2人もとありがとね。また明日!」
果林が自分の家に入っていったのを確認し、
誠と凛は帰って行った。
その帰り道で・・・
「凛なんか他にも隠し事してないか?」
いきなり誠がそんな事を言い出すから凛は凄く驚いていた。初めは“何も無いよ”と言い張るのに誠が無言のまま見つめてくるのでとうとう凛が負けて観念したように話し出した。
「涼葉達に殴られた。後は水上からかけられたり物隠されたりしてる」
凛の言葉に誠は言葉を失った。
凛が何かを隠しているのは誠は分かっていたが、晴や果林のいる前では言えないような事もあるのだろうと思いあえて聞かなかった。
そして2人だけなら言えると思い聞いたがそれは凄いものだった。
「それはいつから?」
「中学のあの時からだよ。でも最近はずっと誠達がいるから出来なかったって今日何倍もやられた。ただそれだけだよ」
凛はそれだけだと言っているがそんな軽い物ではない事くらいは誠でもわかっている。
凛は性格上優し過ぎるんだ。
そして言い返せない事をいい事にどんどんエスカレートしているんだ。
しかし凛が怒らない訳ではない。
中学の時1度だけブチ切れた事があった。
その時は止めるのが大変だった。
まだ涼葉達に虐められる前の事・・・
他の男子に何故か虐められていた。
理由は振られたもののやり返しらしい。
しばらくは凛も耐えていた。でもある日・・・
「ええ加減にしいや」
怒った時凛は関西弁になってしまうのだ。
「いつまでこんなつまらん事やるんや?ええ加減こっちもストレスたまんねんけど?」
ここで引けばよかったものの彼等は凛には出来ないと思い引かなかった。そして
「やったらやり返させてもらうで」
そう言った凛はそいつらをボコボコにし気絶するまで殴り続けた。
気絶してからも殴ろうとする凛を先生2人と誠で止めたのだ。しかし止めていた先生は腹を殴られたりしていた。
そんな事があったから誠は凛を怒らせる事はして来なかった。暴走した凛を止めるのは大変だからだ。しかし中学から今までやられてて1度もやり返したというか話を聞かなかったので凛はまだ我慢しているのだろう。
そうしたら今度こそやばい気がした誠は
「凛。くれぐれもあの時みたいにはならないでくれよ?」
「努力はするよ」
そうして誠は凛を家に送り届けて自分の家に帰って行った。
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