あの日から・・・
凛の秘密を聞いてから3人は常に一緒にいた。
誠は男の子だからいられない時もあるけどその時は果林がずっと一緒に居てくれた。
「ねぇ果林は他の友達作らないの?」
果林だってずっと一緒にって言うわけにはいかない。来年になったらクラスが別れるかもしれない。喧嘩して一緒にいないかもしれないのだから、他に友達を作っておくのもいいと思うのだ。
「別にいらないよ?凛ちゃんとずっと一緒に居るもん。」
凛は心の中で思った。
(優しすぎるよ果林は・・・)
「喧嘩とかするかもよ?来年になったらクラス離れるかもじゃん」
凛は思っていた事を果林に言ってしまった。
「大丈夫だよ。喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?クラスはなんとかなるよ。」
果林はそう自信たっぷりに言い放った。
凛にとったら凄く嬉しい言葉だった。
今まで信用なんてしてなかったし、相手もしてなかったと思う。そういう上辺だけの友達だった。だからそんな風に言ってくれる果林の存在がとても嬉しかった。
「そうだね。これから先の事なんて考えても分からないもんね。ありがとね果林。私なんかと友達になってくれて。」
凛は心からお礼を果林に伝えた。
一方で果林は顔を赤くしていた。
恐らく照れたのだろう。
その頃誠は女子に呼び出されていた。
「それで話って何かな?」
凛達と一緒に居たかったのに邪魔されてちょっと不機嫌だったので少し言い方がキツかったかもしれない。
「あの私、成宮君の事が好きです。付き合ってください!」
そう告白だったのです。しかし、凛の事が好きな誠は毎回告白を断っている。
「ごめんね。俺、他に好きな人いるから」
こう言えばみんな諦めてくれる。そう思っていたのに・・・
「それって鈴原さんの事ですか?」
何でこいつは凛の事を知っているんだ?
俺が凛を好きなのは誰も知らないはずなのに・・・
「だったら?もしそうだって言ったら君はどうするの?」
誠はさっきまでの笑顔とは真逆に真剣な顔で聞いている。
「大丈夫ですよ。何もしませんよ今はね(ボソッ」
誠はホットしていた。凛は虐めの対象になりやすいのかもしれないが、凄く可愛いのでみんなから人気があった。だから凛に近づく悪い虫を誠が退治しなければならないのです。
「そうなんですね。分かりました成宮君の事は諦めますね。聞いてくれてありがとうございました。」
そう言って女の子は去っていった。
(名前も言わずに告白とか頭おかしいんじゃないか?)と誠が思ったことは秘密だ。
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